育児も仕事も諦めない!働く女性のお悩み処方箋 起業家・経沢香保子は何者かになれたのか?:後編

育児も仕事も諦めない!働く女性のお悩み処方箋 起業家・経沢香保子は何者かになれたのか?:後編

life style女の人は生きるのも大変、経沢流対処法とは?

――経沢さんは、女性ならではのメンタルや体調の不調ってありますか?

あります。30代くらいはあんまり感じなかったんですけど、40代になると疲れやすいなって思うようになりました。それで年に1つはフィジカルな目標を立てるようになりました。トライアスロン出たりとか、そのためにいくつかのレースにエントリーして、そこから逆算して目標を立て、それに向かって運動をするようにしています。週3回くらい運動すると割と体調がいい。だからメンタル不調の人には運動したほうがいいよって言いますね。

――でもなかなかやる気が起きないという人も多いと思います…。

そうですよね。きっかけがないとできないので、何かをするとき、私はまず先にポチります。フルマラソンをポチるとか。トライアスロンをポチるとか。先日も、ハーフマラソンを11月と1月にポチってしまいました。だるくてやりたくないって思うけど、「しょうがない、レース出るし」って思うとやるしかない。

最近は、「朝起きたら10分散歩」を心がけているのですが、その写真を撮って友達に送る約束にするなどして、最初はイヤイヤでも、ルールを決めてやってるうちに、自然と習慣になってしまえば勝ちです。そうやって一つ一つ自分に取り入れていくと、気づいたらとっても強くなれると思っています。

2023年はなんとホノルルトライアスロンを初完走。写真は経沢さんのinstagramより。

――モチベーションとなるものを先に作るという。

そうですね。結局、美容も経営も健康であることがすごく大事なことなので。女の人って、生きるのも大変だと思うんですよ。いろいろと考えて決めないといけないのに、そんなときに疲れていると面倒くさくなってちゃんと決められなくなっちゃう。だから体力は大事で、そのためには運動だなって思ってますね。体力があるだけで謎の自信が湧き上がるっていう感じもあります。

 

futureひとつひとつの決断があって今ここにいる

――今後の目標を教えてください。

「日本にベビーシッター文化を作ること」「家事代行を当たり前にすること」です。キッズラインではこれまで150万件を超える件数をお預かりさせていただいてるんですけど、それらすべての経験を活かして、もっと日本中の皆さまに安心してご利用いただけるように、社内に安全管理部を設置して、シッターさんの採用や教育のシステム、そしてカスタマーサポートの早期対応など、今までの全ての経験をノウハウに、より安心・安全面を強化してきました。これからもさらに努力したいと思います。そして、いくつかの国や自治体の補助金制度も使えるので、ご利用者様に以前よりとてもリーズナブルにご利用いただけるようになりました。特に、東京都では待機児童になったら1時間150円でシッターが利用できたり、東京都のいくつかの自治体では利用目的を問わずにベビーシッター利用で1時間2500円の補助が出るなどがあるのですが、意外と知られてなかったりするんです。最終的には皆さんが1時間500円などで、ベビーシッターさんを気軽に安心して利用できる社会になるように努力しています。

そして、キッズラインの一番大きな特徴は、働くシッターさんが自分で時給を決められるっていう制度なんです。ほかの派遣会社さんだとだいたい時給が決まってるんですけど、キッズラインではシッターさんが自分で3,000円に設定したら3,000円だし、実際に6000円など高い人もいるんですよ。例えば小学校のお受験対策ができるとか、英語が話せるとか、赤ちゃんを泣き止ませるのが上手だとか、特殊な技能を持った人たち。そのスキルを求める人がいるのだから、時給を自分で決める会社が1社くらいあってもいいんじゃないかと思ってやってきました。今まで、家事や育児というものは女性がやるもので、それに値段をつけるというのはおかしいという風潮があったと思いますが、母親業だって、子育てスキルだって、その人が持ってる社会に必要な立派なスキル。そう言ったものが社会に評価されるべきだと思っています。一人一人が輝くような保育士さんや、働き手さんを増やしていきたいですね。

――最後に、大切にしている考え方を教えてください。

座右の銘っていうほどでもないんですけど、気付いたらいつも言ってることは「人生を味わい尽くす」っていうこと。母親には「あなたは味わい尽くしすぎて大変ね」ってあきれられてます(笑)。

人生って良いことも悪いこともいろんなことがあると思うんですけど、今、ここにある自分は、誰かに送り込まれたわけではなくて、自分で自ら一つ一つの道を歩いてきた結果、ここまで自分で自分を運んで辿り着いてきたわけじゃないですか。今日は右、今日は左、とか、この人に会うか会わないかとか、ひとつひとつの決断があって今この場所にいる。だからありのままにとらえて、自分の人生に向き合うっていうことです。自分の人生からは逃げられないし、特に経営者なんて他人のせいにできないから。

――「味わう」というのは?

向き合うと辛いから、全部一旦受け入れて飲み込んじゃって、味わい尽くしちゃおう、みたいな感じです。味わうっていうと、おいしいとか、苦いとか、噛み応えがありすぎるとか、いろいろあっても最後は消化して自分の体の一部になると思うんですよね。だから全部味わうって決めています。

 

「30歳までに何者かになりたい」と突き進み始めた一人の女性が、唯一無二の起業家となるまでのヒストリー、いかがでしたか? 経沢さんの熱い思いに、こちらまでパワーをもらったインタビューでした!

■キッズライン公式サイト
https://kidsline.me/

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