先日厚生労働省から飲酒に関するガイドラインが出されるなど、より健康に配慮したお酒の飲み方に注目が集まっている昨今。そんな中、低アルコール飲料の事業で起業した石根友理恵さんにインタビュー! 私生活では6歳の娘を育てる石根さんのキャリアと人生と、そのマインドについてお伺いしました。
【石根友理恵プロフィール】
年齢:36歳/職業:株式会社SEAM代表取締役/家族構成:娘
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topics2021年、右も左もわからないアルコール業界で事業スタート!
――石根さんが現在取り組んでいる事業について教えてください。
アルコールの中でも低アルコールに特化した飲料事業を、企画、開発、製造まで一気通貫で行うスタートアップ企業を経営しています。20代から30代のいわゆるデジタルネイティブ世代に向けて、デジタルチャネルを通して低アルコール飲料を販売しています。
――素人目線の質問で恐縮なんですけど、スタートアップ企業でもアルコールって作れるものなんでしょうか?
お酒は免許関連がすごく厳しいので私たちは製造機能を持っていなくて、酒蔵さんとパートナーシップを組んで一緒に作っています。私たちが作ったレシピをもとに、酒蔵さんとお話をしながら、香料や原料を調整して量産化できるように作り変えていく、この作業がとても大変ですね。
私自身、もともとお酒の業界にいたわけでもないですし物作りをしたこともなかったので、立ち上げ当初は右も左もわからず、とにかく地方の酒蔵さんに電話をしまくりました。「こういうことを考えていて一緒に作りませんか」と。お酒業界って歴史が長いので、素人の小娘が何を言ってるんだという意見を頂くこともありましたが、興味を持ってくださったところにはすぐに会いに行って、今につながっています。
――商品、すごくかわいいですね! どんなものが人気なのでしょう?
人気があるのはこういったフルーツゴロゴロ系か、さっぱりしたフルーツの炭酸スパークリングですね。度数3%の低アルコールなので、毎日お酒を飲む方に向けてというより、週末にみんなで集まった時や、自分へのご褒美のような形で使っていただくことが多いです。
――ライバル商品ってありますか?
ライバルはお酒とは捉えていなくて、スイーツであったり、女性が自分のためのご褒美とかプレゼントとして何かを体験したいときに食べる物、口にする物が競合だと思っていますね。
――石根さんがこの事業を始める前のことを教えてください。
私はもともと2011年にサイバーエージェントに入社して、webマーケティングとPRを専門としていました。その後先輩が立ち上げたスタートアップ企業を経験してからフリーランスに。当時からなんとなく会社を作ろうという思いはあったのですが、今すぐとは思っていなかったので、そこまで真剣に起業のことを考えていたわけではありませんでした。
――「会社を作ろう」と思ったのは、何がきっかけだったんですか?
これは学生時代からなんとなく考えていました。おそらく家庭環境の影響が強いのだと思います。公務員の父と専業主婦の母という家庭だったんですけど、母は私たちにすごく愛情を注いでくれて、私たちも幸せだった一方で、専業主婦だからこそ金銭的にも物理的にも母の思うことができない場面がたくさんあったのを幼いながら目にしていて。自分が何か望むときにそれができるように、お金を稼ぐ力をしっかり身につけようという思いがあったんです。それ以来私は一貫して「女性の物理的な自立と精神的な自立」ということを大事にしていまして、それを実現できる人生にしようと心に決めています。