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turning point2度目の離婚で生活保護を勧められ…
――江成さんにとって、転機になった出来事をひとつ挙げるとしたら、どんなことでしょうか?
2回目の離婚をして児童扶養手当の申請に行ったときに、自治体に生活保護を勧められたことがあるんです。当時は気付かなかったんですけど、今思うとそれが転機だったのかもしれない。
私は働ける場所や働き方を教えてもらえれば、朝から晩まで働けるというつもりでいたのですが、「それは無理だから生活保護を受けられたらどうですか?」って。たしかに長女が高校に行っていて、下の子はまだ赤ん坊で、働く環境として整っている状況ではなかったし必死でした。でも、ここには私が求めている答えはないと思って、その後役所に相談に行くことはなかったです。ただね、そのときに「はい」って受け入れていたら、毎月40万円もらえたっていうことを後で知って。
――そんなに!? 20万円前後なのかなって思ってました。
そうそう、自分がパートで働くぐらいの金額かなって思いますよね。もしそのときに生活保護を受けていたら、その瞬間に私はたぶんほっとしていただろうと思うんですよ。大変な生活から抜け出すことができるし、そもそも子どもがいるかどうかに関係なく、女性が月に40万円稼ぐのってそんなに簡単じゃないから、きっとその生活に甘んじていたと思います。だからあの時に金額を言わないでいてくれていてありがとうと思いました。言われたら絶対に受けていましたね。生活保護は権利なので受けることは間違っていない。ただ、私にとっては転機だったと思います。