3組に1組は離婚すると言われている昨今。一人親の支援に取り組む一般社団法人日本シングルマザー支援協会代表理事・江成道子(えなり みちこ)さんにインタビュー! 現在10,000人の会員数がいるという協会の取り組みの内容と、江成さん自身のキャリアヒストリーをお伺いしました。
【江成道子プロフィール】
年齢:55歳/職業:一般社団法人日本シングルマザー支援協会代表理事/家族構成:子ども5人、孫11人
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topics企業とシングルマザーをつなぐ“通訳”
――日本シングルマザー支援協会はどのような活動をしている団体なのでしょうか?
シングルマザーの生活の安定を目指し、収入アップや家計管理というような自立支援に特化した活動をしている団体です。一番多いのは就労支援ですね。
――ホームページを拝見したのですが、いろいろなプログラムもやられていますね。
そうですね。仕事に就いたものの続かないという場合もあって、そういう方のためにプログラムを用意しています。多くの女性を見てきて気付いたのですが、家庭に長くいたり同じ仕事だけしていると、社会性が薄れがちになるんですね。なのでまずは、社会とは何か、働くとはどういうことか、コミュニケーションとはどういうものかを「Jカレッジ」というプログラムで教えています。
私たち協会は、通常の人材紹介のようにただマッチングさせるだけではなく、企業に対して女性の働きやすい環境作りのアドバイスもしているんですね。企業側はシングルマザーは時短で働きたいとか、土日休みじゃなきゃ困るというイメージを持っている場合も多いのですが、私たちはシングルマザー本人が目指す生活が叶う仕事をさせたいと思っています。私たちの役割は企業とシングルマザーの架け橋で、通訳のようなイメージなんです。
――通訳ですか?
シングルマザーと企業と、同じ言葉を使っているのに全然意味が違っていて、結局マッチングできないことってよくあるんです。例えば、事務のパートがしたいというシングルマザーは多いのですが、なぜ事務のパートなのかと聞くと「子どもの保育園のお迎えがあるからパートしか無理だろう」と、それしか知らないから答えているだけだったりする。その結果言葉通りに事務のパートの仕事を紹介されて、貧困になってしまうこともよくあります。実際には定時で帰れる正社員の職場や職種はたくさんあるので、そのズレをコーチングの技術を使って埋めていくのが最も重要な仕事ですね。