世界五大ミスコン元日本代表という異例の経歴をもつ夏海(なつみ)さん。モデル、ネイリスト、美容サロンオーナーなどマルチに活動する彼女のこれまでの歩みを伺いながら、これからの時代の生き抜き方のヒントを探りました。
【夏海プロフィール】
30歳/職業:美容サロンオーナー、ネイリスト、モデル、ウォーキング講師、ライターetc./家族構成:既婚
instagram @_natsumi_official_(夏海 Miss Japan 2019)
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topicsモデル、ネイルリスト、サロン経営を経てミスコンと出会う!
――いろんなお仕事をやられていますが、一番キャリアが長いのは?
モデルですね。間がちょこちょこ抜けてたりするんですけど、10年くらいほそぼそとやっています。
――きっかけは?
16歳くらいのときに声をかけてもらって、学生やりながらファッションショーとかに出してもらって。そのあと専門学校行って美容の資格をとって、1年ぐらいネイリストとして就職もしたんですけど、やっぱりモデルやりたいと思って、21歳のときに上京しました。
――今は美容サロンの経営もされてるとのことですが、最初はモデルをやるための上京だったんですね。
地元の大阪よりも東京のほうが、絶対にチャンスが多いなって。そこから3年くらい頑張ってたんですけど、私すごい背が高くて雑誌には向かないんですね。でもファッションショーに出るとなると自分の好みとは違うし、思ってる方向性とずれていって。地に足着けようと思ってネイルサロン出したのが24歳ですね。
――24歳って早いですね。
それまで貯金してたんで、ほぼ全部使い切ってやりました。そこから半年ぐらいご飯食べる時間もないほどガムシャラに働いて軌道には乗ったんですが、プレッシャーやストレスもあって8キロくらいヤセました。ミスコンと出会ったのはそこから3年くらいたった頃です。
turning point見た目だけじゃない、内面も評価されるのがミスコン
27歳くらいで、自分のペースでサロンはやれてるものの、この先もネイルだけでいくのはちょっときついかなっていうのが漠然とあって。フランチャイズ展開してやっていくか、全然違うことをするか悩んでいた頃でした。
――どういうきっかけでミスコンを知ったんですか?
私のインスタを見たミスコンの団体から「こういうコンテストやってます。興味あればぜひ応募してください」っていう感じでDMがきて。友達と盛り上がってよく調べもせずにお返事したら、オーディションの日程の連絡をいただいて、ちょうどのその前後がネイルの予約があいてたんですね。これはご縁だなと思ってそこから始まりました。
――すごいタイミングですね!
そのオーディションに通ってミスコンのファイナリストになって、地方大会出て、関東大会で本当に運よく優勝して、東京代表として全国大会出て。そこでも優勝して世界大会行ってっていう感じに、本当とんとん拍子って感じで。
――選ばれたあとって何をするんですか?
週末とか日本大会の前には二泊三日とかでビューティーキャンプっていう活動があって。ウォーキングやメイクや姿勢のレッスンとか、団体によってはボランティア活動をしたり。それとミスコンは自己表現の場なんで、ミスコンをきっかけに自分を知って自己表現しましょうっていうトレーニングがあったり。参加者には自分のことをうまく引き出せない人も多くて。私はそういうのが得意なほうで向いてたので、ミスコンにうまくハマったっていうのもあります。ほかにもSNS上でPRしたりもしますね。
――そういうところも加味されるんですね。
大会当日だけで審査してもらうよりは、前情報を持ってもらえるほうがいい。コンテストのときは伝えられる時間が30秒しかないのでSNSを使わないともったいないんです。私が代表になったらどういうことを目指していくか、代表になったら何ができるかっていうことをSNSでずっと発信し続けました。
――ミスコンと出会う前と出会ったあとで、一番変わったことってなんですか?
丸くなったって周りに言われました。ミスコンって見た目だけで選ばれるイメージを持ってる方が多いと思うんですけど、内面もしっかり評価してもらえる大会がほとんどで。ミスコンに出て、この人はこういう素敵なところがあってっていうことをちゃんと俯瞰して見られるようになったのかな。人と比べなくていいって思えるようになりました。
work styleマルチに働くことで生きやすくなった
――ミスコンとの出会いが2019年。その翌年コロナが流行することを考えると、少し出会いが遅かったら大会自体なかったかもしれない。
本当にタイミングが良かった、私には転機でしたね。ミスコンに出ないままコロナ禍を迎えてたらどうなってたのかなって。ネイルサロンのほうはコロナ禍の緊急事態宣言で一か月半くらい休業要請が出ちゃって、すごい打撃だった。その時期に「元ミス日本っていう肩書きを使ってライターとかどう?」って言ってくださってた方がいて勉強させていただいたりとか、ミスコンで頑張った延長でウォーキング講師させていただいたりとか。いろんな柱があると生きやすいかなって思って、そこからネイリスト以外にも仕事を始めたっていうのはあります。
――いろんなジャンルのお仕事をしてて、頭の切り替えは大変じゃないですか?
私言葉遣いで自分のオンとオフのスイッチが切り替わってて。プライベートのときは関西弁なんですよ。でも仕事モードのときは標準語。自分の中で言葉で無意識にスイッチ入れてるのかなって感じはします。
――お仕事をする上で大事にしていることはなんですか?
礼儀正しく。普通のことなんですけど(笑)。横柄にならないようにとか、疲れてるときも態度に出さないようにとか、相手に気持ちよくお仕事してもらえるように頑張ってます。
――今後理想としている働き方などはありますか?
結婚もしたので、一番は自分の時間を大事にしたいなと。結婚してなかったらキャリアを優先してたかもしれないんですけど、今はバランスが崩れないように気を付けたいかなって思ってます。
――バランスを崩さないために意識していることは。
あれもこれもってしたくなるんですけど、そこは「選ぶ」。今までフィーリングだけで生きてきて、「やってみよう!」っていうテンションで仕事が増えていったんですけど、これからは自分と相談しながらできたらいいかなって思ってます。
――選ぶにあたっての基準やルールはありますか?
お金とそこにかかる時間とか労力のバランスっていうのはもちろん大事なんですけど、担当してくださる方や、会社の色との相性みたいなのを結構考えます。連絡をとってて「あれ、合わない」みたいな感じのときってありますよね。例えば毎回深夜に連絡が来たりしてそのたびに起こされて辛いとか。そういう連絡を取るペースだったり、伝える内容とか伝え方とか言葉遣いとかで、はじめに感じた違和感は絶対ストレスになるんで気にしてますね。どんなにいい条件でも、「ちょっとこの方とは合わない」って思うとお断りしたりすることもあります。
life style自分と同じくらい人を大事にしたい
――結婚されたのはミスコンが終わってすぐ?
8月にミスコンが終わって、その年の12月にプロポーズしてもらいました。結婚は翌年の8月で今結婚して1年ちょっとくらいですね。
――もともと結婚したいっていう思いがあったんでしょうか。
そうですね、私は10代の頃から結婚に憧れていて。子どもがすごい好きなんで。それと父が中学生の時に亡くなっていて母子家庭なので、家庭への理想みたいなのが漠然とあったりして。
――実際に結婚して心境の変化はありましたか?
より落ち着いたなって感じます。今までは自分の幸せのためだけに生きてたんですけど、家族が増えたんで、相手の幸せを考えながら生きるっていう。人のために生きるようになったかな。それが一番の変化ですね。
――今後家族が増えていったときに、自分のお仕事はどうしていきたいですか?
今、だいぶ自由がきくようにシフトできたかなって思ってるんですよ。サロンのほうは今ネイルだけじゃなく、エステできるコにも働いてもらってて、そのコが頑張ってるおかげで自分の時間がすごい増えた。ライターはいつでもどこでもできる仕事ですし、講師業は時期が決まってたり固定のスケジュールなので把握がしやすい。今のまま子どもができても大丈夫かなっていう風にシフトできたって自分的には思ってます。
――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。
「笑う門には福来る」が座右の銘です。辛くても笑えたら楽しくなるし、笑ってればなんとかなるっていう精神で生きてますね。それに笑ってる人の周りには笑顔が集まってくる。自分が笑顔を発信することで周りからも笑顔を貰って、笑顔が絶えない家庭を築けたらいいなって思いますね。
まさに今の時代にフィットした夏海さんの働き方、いかがだったでしょうか? ちなみに夏海さんの趣味は旅行と資格取得。今は行政書士の勉強をしているそうです!