来週2月14日はバレンタインデー。心躍る素敵なチョコレートが店頭に並ぶ今、チョコレートを誰よりも愛しているチョコレートジャーナリストの市川歩美さんにインタビュー! 一体どんな仕事なのか、どのように大好きなチョコレートを仕事と結び付けたのか、これまでのキャリアについてお伺いしました。
【市川歩美プロフィール】
年齢:非公表/職業:チョコレートジャーナリスト®
insta @ayumichocolat
X @ayumisroom
目次 [閉じる]
topics5歳の頃からチョコ愛好家! 好きが仕事に
――チョコレートジャーナリストっていう職業、初めて聞きました。
日本で唯一の仕事です。世界のいろいろなチョコレート関係者さんにも、めずらしいねと言っていただけたりしますよ。
――具体的にはどんなことをするお仕事なのでしょうか。
世の中の事象や出来事を取材して、事実やエビデンスなどをキャッチ、整理して記事にしたりお話ししたり、あらゆる形で表に出すことがジャーナリストですよね。私の場合、そのテーマが主にチョコレートです。私はチョコレート愛好家でもあるので、私が「これは」とおすすめしたいチョコレートをメディアで紹介する、といった、マーケットに関わる発信もしますし、カカオ産地の問題を取り上げることもあります。チョコレートの文化的社会的な側面もお伝えしています。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_lossless,ret_img,w_709,h_702/https://lumily.net/wp-content/uploads/2024/01/99cab42a6ca1a6ce4f84880e2fa532f5.png)
ヨーロッパで有名ショコラティエに取材をすることもあれば、カカオ産地を訪れて貧困問題を調査することも。写真は市川さんのインスタより、世界第二のカカオ産地、ガーナのカカオ農家を取材したときの様子。
私はみなさんに「広めたい」と感じることを伝えます。そうでないと、動けません。ブランドからの発信やPRに変わる発信が、今とっても多いですよね。ブランドやお店は、売上のために宣伝がもちろん必要ですが、私は何かを売って利益を得ていないので、たとえばブランドの発表をそのまま伝えることはなく、「歩美フィルター」を通す。それがジャーナリストだと思っています。自分に気合を入れるためにジャーナリストを名乗っているという部分もありますね。
――この肩書きを名乗り始めたのはいつからでしょう?
2018年頃からです。もともと私は、チョコが大好きでしたので、2003年からチョコレート関連ブログを書いていたんですね。当時はテレビ・ラジオのディレクターたちがネットを駆使して番組のネタを探すようになった時期で、私みたいにチョコに特化したブログを書いている人はめずらしく、すぐ検索でヒットしていました。メールでオファーをいただくたびに、私ができるなら、とお受けして一生懸命やっているうちに、私が書いた記事などを見た方がまたオファーをくださって、と幅が広がっていきました。あるとき、メディアの方から「肩書きを作った方がよいのでは?」とアドバイスをもらって、最初は「ショコラコーディネーター」としていました。
ただ、ある時から、「ショコラコーディネーター」だけだと、ピタッとこなくなったんですね。もともと私は、長く放送局でディレクターをしていたので、情報の扱いに慣れていたし、先輩方の仕事も見てきています。なんともいえないモヤモヤを紐解いてみたら、私がやっていることはジャーナリストの仕事なんじゃないか、と思って。それからショコラよりチョコレートのほうがわかりやすいとも思いました。そこで「チョコレートジャーナリスト」という肩書きにしたら、すっと背筋がのびたんです。よりみなさんにわかりやすくなったようで、メディアでも今は主に「チョコレートジャーナリスト」が使われます。本来の自分にマッチしたと感じましたね。