ニート、海外移住、専業主婦を経て起業…コロナの逆境でスタートした日本初の事業 株式会社MAJOLI代表・横幕真理

ニート、海外移住、専業主婦を経て起業…コロナの逆境でスタートした日本初の事業 株式会社MAJOLI代表・横幕真理

turning pointコロナ禍で事業ストップも「今こそ私の出番」

――インドでのヨガ留学が終わったあとは、どんなことを?

私自身、学生時代から「起業する」という事は決めていて、ただやりたいことが具体的には見つからないという状態でした。そんなときにヨガと出会って私自身が新しい自分に出逢えたので、今度は私が誰かの人生が変わるきっかけを提供したいという想いから、ヨガで起業しようと思いました。前の仕事を辞めるときに、次に働くときは起業すると決めていたんです。ちょうどインドに行ったタイミングというのが実は結婚する4ヶ月前で(笑)。帰国してすぐに結婚して、そのときは専業主婦で、どうしたらいいのか迷いながら過ごしていました。

セブ島で自らも2年以上、毎日欠かさずインストラクターとしてレッスンを開催する日々を経験。現在は経営がメインですが、特別講師として今もヨガ哲学や瞑想を指導することもあるそう。

――ではそこから起業しようと行動に出たのは、どんなタイミングだったのでしょう?

私の原体験から、「海外×ヨガ」の留学スクールを立ち上げようということは決めていたので、勉強も兼ねて事業提携の可能性がある企業を探して、物凄い数の経営者に会いに行って話を聞いたりしました。ただ、応援はしてくれても次につながらないことが多くて。その時、経営者である夫に相談したら、「登記したほうが話が進むんじゃない?」と言われたんです。そこで背中を押されて、29歳のときに登記しました。お金がなかったので資本金も最初はたったの1万円で(笑)。

――登記したあと、話の進み方は変わりましたか?

そうですね、代表取締役という肩書がつくだけで、こんなに見られ方が変わるんだとか、話を聞いてもらえるスタンスが変わるんだと実感しました。当時はセブ島に住んでいたので、セブ島で英語でヨガを学ぶ事業を立ち上げようと考えていたのですが、会社を作ったあとは、語学学校さんともスムーズに話が進んでいきましたね。

――ではまずは留学事業を立ち上げて。

そのはずだったのですが…。2020年4月にようやくセブ島ヨガ留学がスタートできるというタイミングで、コロナ禍になってしまったんです。セブ島は世界最長のロックダウンになり、留学事業の構想は開催直前で完全にストップ。しかも私がたまたま1週間だけ日本に帰国していたときにロックダウンされたので、セブ島に帰れなくなってしまったんです。事業はいつ再開できるかわからないし、そもそも皆さん海外に行くことすら考えられない時期でしたし、「夢破れた」と思いました。

さらにその当時、夫が経営していた会社はセブ島での英語学校や留学事業を手掛けていたので、そちらの事業もストップしてしまいました。私がこれまで自分の事業で全然売上を立てられないながらもなんとかやってこれたのは、どこか夫に甘えていた部分があったんですよね。夫の収入があるから、生きていけると心のどこかで思っていた。でも夫の会社が潰れるかもしれないと思ったときに、今こそ私の出番かもしれないと思ったんです。

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