ニート、海外移住、専業主婦を経て起業…コロナの逆境でスタートした日本初の事業 株式会社MAJOLI代表・横幕真理

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turning point「あなたにとって幸せとは?」インドのヨガ留学で得た気付き

――インドですか? これまで行った国とはちょっと雰囲気が違うような…。

とにかく「誰も行かないような場所に行きたい!」と考えていたので、ずっとインドに行ってみたいとは思っていたんですけれど、安全ではない、怖いというイメージがあって躊躇していたんです。それでいろいろと調べてみると、インドがヨガの発祥の地であることを知って。2か月間のヨガ留学のプログラムを見つけたので、せっかくなら長期で滞在してインドの文化に触れようと思ったんです。それがきっかけでヨガを始めました。

――そうなんですか。ではインドに行く前はヨガもやったことがなかったんですか?

ロンドンに留学したときに少しだけやってみたのですが、体が硬く運動も得意じゃなかったので、なかなかうまくいかなくて。しかも90分間のレッスンが英語で行われるので、内容を理解するのも難しく、1か月足らずで挫折してしまいました。自分の中ではトラウマのような経験でしたね(笑)。

もともと英語が苦手だったという横幕さん。なぜ海外に興味が?「海外好きの友達に誘われてバリ島に行ったときの印象が強くて。現地の方が自由でハッピーに見えたから、学校を卒業して就職する生き方を当たり前と思わなくて良いと感じたんです」

――では一度挫折したヨガを、またやってみようと思えたのは、どんな心境の変化があったのでしょうか?

やはり、インドを知りたかったからです。ヨガを知ることでインドを知ることができるんじゃないかと思ったんですよね。インドでヨガを学んだ日々は大変なことも多かったですが、結果的に自分と向き合う時間になりました。

もともとヨガは柔軟性を高めるエクササイズだとばかり思っていたのですが、インドでの最初の授業で、「あなたにとって幸せとはなんですか?」と聞かれたんです。私は自分が幸せになりたくてこれまで頑張ってきたつもりでいたのですが、その問いに答えることができませんでした。自分のことを何もわかっていないと自覚するところから始まり、朝5時から1時間の瞑想をしてその後1日中ヨガをするという修行のような2か月間を送る中で、自分が変わっていったんです。

――どんな変化があったのでしょうか。

ヨガ哲学では、「私たちが悩み苦しむ理由は無知だからだ」と言われているんですね。確かにわからないから迷うし、決まっていたら不安にはなりません。ですので、知るために学んだり行動することは、すごく大事だということを実感しました。また、インドの生活自体がとても刺激的で、人が歩く道路を牛も一緒に歩いていたりするんですね。頭の中の常識が覆される瞬間が数多くありました。インドでの生活で自分の固定概念が崩され、それが今の事業にもつながっていると思います。

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