働く女性の育児の鍵はベビーシッターにあり!~新YouTubeチャンネル「W3」経沢香保子×愛沢えみり対談:後編

働く女性の育児の鍵はベビーシッターにあり!~新YouTubeチャンネル「W3」経沢香保子×愛沢えみり対談:後編

3月より新たに始まったYouTubeチャンネル「W3」(WORKING WOMAN WALKS)。当サイトlumilyを運営する株式会社voyageの代表取締役・愛沢えみりが、働く女性に必要な「キャリア」「子育て」「お金」…などの知識を視聴者と一緒に専門家から学んでいこうという番組で、記念すべき第一回目の内容をlumilyでもご紹介! 女性のキャリアや収入の上げ方について伺った前編に続き、後編は仕事と育児の両立方法やベビーシッターをどう活用するかについて聞いてみました!

【経沢香保子プロフィール】
慶應義塾大学卒業後、リクルート、楽天を経て26歳で1社目を起業。2012年、当時の女性最年少で東証マザーズに上場する。2014年に2社目となる株式会社キッズラインを創業。

【聞き手:愛沢えみりプロフィール】
元歌舞伎町No.1キャバ嬢。2013年にアパレルブランド「Emiria Wiz」を立ち上げ、2014年に株式会社voyageを創業。現在は美容クリニック、スキンケアブランドのプロデュースも行う。

☆前編「女性のキャリアと収入を上げるには?」はこちら

テーマ①子育てと仕事の両立は可能?

――まず単刀直入に、子育てと仕事の両立は可能ですか?

可能な方もいるようなのですごく憧れますが、私は無理でした。いわゆる世間が言う両立はできませんでした。やっぱり経営のことを考えてしまうので、細かいことはできなかったけれど、でも自分にできる範囲でやれることはやりました。

――どんなことをされたんですか?

まずやってよかったと思うのは、保育園の目の前に引っ越したんです。そうしたら送迎が時短できますよね。それとベビーシッターさんもすごく探しました。自分と相性の合う人に一度来てもらってお試しして、3人から5人くらいのお抱えの方を決める。それで何時から来てもらうというシフトを組んで、自分の仕事と育児が両立できるスケジュールを先に作りました。

大事なのは余裕を持ったスケジュールを立てること。いざというときにベビーシッターさんを呼ぼうかなと思っている方も多いと思うんですけど、いざというときにいきなり探すのって意外と難しかったり、見つけたとしてもいきなり30分後に来られなかったりもする。だから、最初から呼びたいベビーシッターさんを探しておくのがいいかなと私は思いますね。

――経沢さん自身、ベビーシッターさんはどのくらいの時期から利用されたんですか?

割と産後すぐから利用していました。私は三回出産しているんですが、仕事の状況によっては産休が取れないこともあって、そういうときはベビーシッターさんに来ていただいていました。二人目の子どもの育児のときは、保育園の送迎は何曜日が私で、何曜日はパパ、みたいに分担して、どうしても二人がダメな日はベビーシッターさんにお願いしていましたね。

テーマ②ベビーシッターを利用する頻度、金額、補助金について

――ベビーシッターさんを使うときに出る補助にはどんなものがあるんですか?

今は国の補助も東京都の補助もたくさん出ていて、福利厚生などを活用すると年間100万円くらい補助が出るような方もいます。

①企業型ベビーシッター割引券
こども家庭庁が企業に向けて提供している補助。会社が申し込んで補助券を購入し、社員に配布する。社員が補助券を使用した場合、1枚につき2,200円の補助がもらえて1度に2枚(4,400円)利用できる。年間61万6,000円まで利用可能。

②東京都ベビーシッター利用支援事業
東京都にお住まいの方がベビーシッターを使う場合、1時間あたり日中は2,500円、夜間は3,500円の補助が出る。仕事はもちろん、美容院に行ったり、休んだりという目的のために利用することもできる。年間144時間まで利用可能。
※導入している東京都の自治体…千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、江東区、品川区、目黒区、中野区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区、武蔵野市、狛江市、杉並区(2024年4月1日から)、東大和市(2024年4月1日から)、小笠原村(2024年4月1日から)

シングルマザーの方とか、両親が遠方にいて手伝ってもらえないとか、仕事がすごく忙しいとか、もちろん主婦の方でもワンオペで苦しいとか、子育ての方法がわからないとか、そういう方は是非ベビーシッターさんを呼んでみてください。子育ての愚痴を聞いてくれたり、やり方を教えてくれたりするシッターさんもいるので、心の支えになってくれると思います。

――ベビーシッターさんを使われる方の利用頻度や利用時間、平均的な金額はどの程度なのでしょうか?

毎日使われる方から月に1回という方までさまざまなのですが、よくある使われ方としては、朝の時間に送迎してもらうパターンか、夕方保育園に迎えに行ってもらって、そのままご飯を食べさせてお風呂入れてもらって寝かしつけるっていうパターン。1回3~4時間くらいの利用が人気がありますね。あとは最近はリモートワークの方も多いので、昼間の時間帯に来てもらって子どもを見てもらっている間に集中して仕事に取り組むというパターンもあります。

――自分のライフスタイルにあわせて。長い時間頼まれる方もいらっしゃいますか?

一日中預ける方もいらっしゃいます。例えば東京都で待機児童になったら1時間150円でベビーシッターが使えますしね。(※東京都ベビーシッター利用支援事業の待機児童事業を導入している市区のみ)子どもが長い時間一人になることを不安に感じる方もいると思うんですが、個別保育なのでしっかり見てもらえて子どもの自己肯定感があがるという意味では良いと言ってくださる方も多いです。

――金額で言うと、平均するとどのくらいですか?

先ほどの3~4時間のケースだと、1回あたり10,000~15,000円くらいの方が多いですね。ですので週1回使ったら月3~5万円かかるんですけど、先ほど言った通り補助金で賄うことができます。

――シッターさんは毎回同じ方に頼んだほうがいいのでしょうか? 違う方に頼んだほうがいいのでしょうか?

同じ方に頼む人もいますし、5人くらいお気に入りのシッターさんを決めておいて、定期ではこの人に頼んで、忙しいときはこの人にも追加で頼むというふうにシフトを組んでいる人もいます。

いずれにせよ、オンラインでできるので何人か面談した方がいいと思いますね。キッズラインでは初めましてのシッターさんとは必ず顔合わせか面談をするルールを設けていまして、顔合わせは無料でzoomでできるので、そこでお気に入りの人を決めておけばいざというときに頼みやすいです。

――面談する時に聞いておいたほうがいいことはありますか?

自分の家のルールや保育の方針や子どもの特徴、避難場所などについて確認していただくと良いかと思います。面談のときに確認する項目のマニュアルもキッズラインのサイトに載っているので、ぜひ参考にしてください。

一方で、今ご要望に対してベビーシッターさんの数が足りなくて困ってるので、保育士や看護師のスキルがある方はぜひ応募していただきたいと思っています。

――保育士さん、足りてないんですか。

使いたいというお客様が多くて、東京では保育士資格を持っているシッターさんは時給3,000円でも4,000円でもお仕事が絶えないぐらい引っ張りだこです。ほかにも小学校の教員免許や保育関連の免許を持っている方も求められています。(※キッズラインでは保育士、看護師、准看護師の資格の他、5つの専門研修修了者のみが選考会に参加可能)

テーマ③キッズライン立ち上げの経緯

――キッズラインを立ち上げたきっかけについて教えてください。

一社目の会社を退任したのが41歳で、この後の人生どうやって生きていこうかを考えたときに、自分の人生を振り返って一番困ったことが育児だったと気付いたんです。子どもが病気で保育園に入れられなかったり、仕事との両立でとても悩みました。

私はそのときにベビーシッターさんに助けられたのですが、当時ベビーシッターさんを頼もうとすると、誰が来るかわからなくてもまずはシッター会社の会員にならなきゃいけなかったり、その入会費も10万円という高額で。あまりにも高いのでネットでシッターさんをやってくださる方を探したらたくさん応募が来て、それで面接をしてお抱えのシッターさんを3人くらい雇うようになったという経験があります。なので、もしプラットフォームを作って、そこに面接や研修が済んだシッターさんが登録していて、写真やスケジュールが出ていて、入会金なしで頼んだ分だけ支払うようにしたら、シッターさんも好きな時給で働けるし、頼む方もコストが抑えられるんじゃないかと思って始めたのがキッズラインです。ママも助かるし保育士さんも稼げるし、社会にとっても良いことだからこれを人生の次の挑戦にしていこうと決めました。

――自分が困った経験から来てるんですね。

一社目も二社目もそうなんですけど、これまで男女のいろいろな差や偏見と闘ってきたので、自分が通ってきた道を舗装道路にして次の世代の女性が通りやすくしたいっていうのが自分のテーマなんです。

自分自身の子育てを通して思ったこととして、ベビーシッターや保育の力をたくさん借りて育った子たちなんですけど、ママのことが嫌だと言われたことは一度もないんですよね。私としては、どんな子育てでも認められるべきだと思っています。例えばベビーシッターを中心とした子育ても、専業主婦でガッツリやる子育ても、その人がやりたいような子育ての多様性が認められるべきだと思っていて。何よりも20万世帯以上の子育てを見てきて、ママが楽しそうにしているのが一番幸せな家庭なんですよ。ママがハッピーだと子どももハッピーで、旦那さんも遠慮しない。そう思っているから、ママが喜んでほしいっていうのがこの事業の原点にあります。

――ママはこうするべきだとか、SNSを見ていても良いママの子育てだったりとかっていう情報が出てくると、どうしても比べてしまうときもありますし。

産んだだけで神ですから。大事なのは自分で決めるということですね。他人がこうだからじゃなくて、自分がこうしたいからっていう人生を皆さんに歩んでほしいなと思います。

――私も実際にシッターさんを頼むまでは利用することがちょっと怖かったんです。でも、自分の子どもじゃなくてもこんなに愛情をもって大切に育ててくれる人が世の中にいるんだっていうことを、母親になって初めて知りました。だから大変なときはそういうところにサポートしてもらうこともとても大切だなと思います。

 

今回の対談の模様は、YouTubeでも配信中。あわせてご覧ください。
前編:【楽しく生きる為に】収入UPの秘密と働き方を学ぶ
後編:【知らないと損?】働くママの味方!ベビーシッターや補助金を学ぶ
YouTubeチャンネル「W3」では、今後も働く女性に役立つさまざまな情報を発信していく予定です! ぜひチャンネル登録してご覧ください♪

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