旅をして知らない土地をめぐりながら収入も得られるというワクワクする体験を提供しているのは、永岡里菜(ながおか りな)さんが創業した株式会社おてつたび。出身地である三重県尾鷲(おわせ)市のような地域にスポットライトが当たる世界を作るために考えた、新しいビジネスモデルについてインタビューしました。
【永岡里菜プロフィール】
年齢:33歳/職業:株式会社おてつたび代表取締役CEO /家族構成:既婚
X @rina_owase
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topics「お手伝いしたい」登録者数5万人以上!
――株式会社おてつたびさんの事業の内容を教えてください。
「おてつたび」というのは、お手伝いと旅を掛け合わせた造語でして、日本各地の短期的・季節的な人手不足で困っている地域と、そこに行ってみたい方々をマッチングするプラットフォームになっています。
特徴としては、旅行者はお手伝いをすることでアルバイト代が得られるということ。いろいろな地域に行く際に、旅費交通費がボトルネックになることがあるかと思うんですが、そこを削減することができます。もうひとつが著名な観光名所がない地域であっても、お手伝いという新しい旅の目的を作ることによって、人が訪れる仕掛けを作っているということです。
――実際、どんなお手伝いができるのでしょうか?
お手伝い先は1300箇所ありまして、内容は多種多様です。収穫期の農家やハイシーズンのホテルというような季節変動性が高い産業が8割ですが、ほかにも空き家のDIYや、冬の時期だと雪かきや酒蔵さんのお手伝いなどユニークなものもあります。過疎が進んでいる地域にも、旅を通して地域に労働力として貢献しながらファンを作っていきたいという思いでやっています。
――では、お手伝いに行く方はどんな方が多いんですか?
5、6割が大学生を中心とした20代の方々ですが、あとの半分ぐらいは幅広い年齢層の方にご活用いただいています。最近増えてきているのは、60歳以上で定年されて第二の人生を考えられている方や、子育てが一段落した40代後半の女性の方ですね。登録者数でいうと5.5万人(※2024年6月17日時点) いるんです。
――そんなに!
実は今は「お手伝いをしたい」方が多くて、倍率が高くなってしまっています。最近は人手不足の世の中だと思うのですが、おてつたびだと100人の募集があると200人の申し込みが入るような状態。地域の方からは助かっているというお声をいただきますが、我々としてはもっと多くの人におてつたびに行っていただけるよう、改善していきたいところではありますね。