元歴史アイドルが考えるシニアの生きがい創出 株式会社ぴんぴんきらり代表・喜多尾衣利子

元歴史アイドルが考えるシニアの生きがい創出 株式会社ぴんぴんきらり代表・喜多尾衣利子

life style不妊治療を通して感じた女性が働くことの難しさ

――喜多尾さんの理想とするワークライフバランスはありますか。

あまりワークとライフを切り分けず、仕事かプライベートかわからない感覚を持ちながら働くということを理想にしています。会社のバリューが「仁智勇楽」というもので、その中にも「ワークライフブレンドでまるごと楽しもう」と入れています。会社のメンバーと組織の課題を話しながらご飯を食べることもありますし、私はボードゲームが好きなので、会社のコアメンバーと旅行も兼ねてゲームをしにいったりもします。

今の働き方は?「会社は10時から16時がコアタイムなので、その時間はすぐ対応できるようにしています。ただ仕事が好きだし趣味のようなものでもあるので、深夜まで仕事をしてしまうことも」

――喜多尾さんは事実婚だそうですが、事実婚を選んだ理由はありますか?

特に籍を入れる意味を感じなかったからですね。お互い働いていて扶養に入ることもないので、税的なメリットもありませんし。精神的にも経済的にも自立していたいという気持ちも大きいです。ただ、私が去年の12月に3週間ぐらい入院していたのですが、改めて女性が働き続けることって大変なんだなと感じました。

――入院された理由は、お聞きしても大丈夫ですか?

結婚して4年になるのですが、これまで男性不妊が原因で、3回妊娠流産を繰り返しています。昨年末、3回目の赤ちゃんとのお別れの分娩のときに、敗血症性ショックという命の危険もある感染症になってしまったんです。

これまでは働くことの男女の差は感じたことがなくて、女性だからといって働くことにおいては何も男性と変わらないと思っていたんです。でも不妊治療中はホルモンバランスが崩れて大変だったし、ボードゲームのように頭を使うゲームが大好きだったのに全然頭が働かなくてできなかったんですよ。妊娠中は悪阻もありました。こうした、女性の身体に起こることを経験して、女性が活躍しにくい社会になってしまうこともすごく理解しました。正直に言えば、女性に起業を簡単に薦められるものではないなと思っています。だから最近は、女性活躍についていろいろと考えさせられますね。

――今後の展望を教えてください。

一人でも多くのシニアの方を元気にして、「笑うは、一生。」でイキイキと過ごしてほしいと思っています。きらサポもパートナーになってくれる企業を見つけて提供地域を増やしていき、全国的に広げていきたいです。それと、きらサポ以外にも学びや趣味などシニアの生きがいを作っていくために、新規事業をどんどんやっていくことも大事かなと思っています。きらサポでお仕事をすることが難しくなったあとも、接点を作ることができるような事業を模索しています。

――最後に日々大切にしている考え方を教えてください。

三国志が好きなので、普段なら故事成語を答えるところなんですけれど…最近は会社のミッションを刷新して、その中に私が大事にしているものが詰め込まれているなと思っています。「笑うは、一生。」から始まるコピーがあって、最後に「一度の人生、笑うが勝ち。」という一文を入れました。その言葉が自分の人生観を表していますね。去年死にかけたりもしましたし、せっかくだったら、人生楽しく笑って過ごしたいなと思っています。

 

「働く」ということの苦悩や楽しさを感じながら、自分らしい経営をする喜多尾さんのお話、とても素敵でした。いくつになってもイキイキと過ごせる社会を、みんなで作り出したいですね!

■株式会社ぴんぴんきらりのサイトはこちら
https://corp.kirari.co.jp/

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