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turning point育休中に起業の準備を進める
――起業や独立がしたいという気持ちは以前からあったのでしょうか?
全くなかったです。私は父方も母方もどちらも自営業で、地元で小さな会社をやっていたのですが、小さい頃から社長としての野望や苦悩を見てきて、そういう経営者を支える存在でありたいという思いがずっとありました。意志のある社長の強力なパートナーでありたいと。リクルートに入社したのも、仕事を通していろんな社長に会えるのではないかと思ったからです。ニットも社長と社員の距離が近く、そういう手触り感をもって仕事をしたいという思いがあり入社を決めました。
――ではどうして起業を選択したのでしょうか。
それしか選択肢がなかったんです。PRを通じて、いろんな企業を前に進めたいと思ったときに、PR会社に入ってやることもできたと思うのですが、それだとPR会社の色も出てきてしまう。そう思ったら、自分で立ち上げてやるしかないなと思ったのが理由ですね。
――令和PRを起業した今でも、ニットに在籍し続けているのはなぜでしょうか。
当初は、令和PRを立ち上げたらニットは卒業しようと考えていたのですが、両方やってみて得られることも多いと感じています。企業の広報としての難しさを我がごととして感じながら令和PRで外部支援をしていくことで、それぞれで得た知識を双方で活かせるという相乗効果もありますし、令和PRでやっていることをニットに還元することもできます。会社員としての収入面の安定が、令和PRでの大胆な挑戦につながるという魅力もあります。二足のわらじを履いているので大変なことも多いのですが、自分にとっては意味があることだと感じています。
――物理的にも仕事量が増えてしまうと思いますが、大変さは感じませんか?
仕事が趣味みたいなところもあるので、働くこと自体は苦ではありません。ただ子どもが生まれてからは、保育園のお迎えに行かないといけないとか、子どもが熱を出したとか、自分だけではどうにもならないことも発生するので、今までみたいに120%で仕事をするわけにはいかなくなりました。そこのバランスを保つにはどうすればいいんだっけ、というのは目下の課題ですね。

理想のワークライフバランスは?「今は仕事が6割、家事育児が4割。将来的に子どもが巣立っていったら、また仕事に本腰を入れられるので、そのときが楽しみです」
――小澤さんの場合、起業と出産の時期が重なりますが、どのように進めていたのでしょうか。
上の子を出産して育休をとったらすごく時間ができて、「どうしよう、私暇だと死んじゃう」と感じたんです(笑)。そこで、広報さんを集めたつながり会やセミナーを毎週のように開催し始めました。すると悩んでいる広報さんがすごく多いことに気付きました。一方経営者側は広報の重要性を正しく理解されていない方も多く、私がこのギャップを埋めようと思い立ちました。育休中に社名やミッション・ビジョン・バリューをどうするか決めて、ホームページや名刺などを整えて、4月にニットに復帰して、5月に令和PRを立ち上げました。