宝塚受験のスクールと、宝塚のみならず芸能人材のセカンドキャリア支援に取り組む、株式会社Que seran pasaran代表の白川裕子(芸名・瞳ゆゆ)さんにインタビュー。自身も宝塚歌劇団に8年間所属し、その後は経営者へ。これまでのキャリアの歩みや、事業への思いを伺いました。
【白川裕子(瞳ゆゆ)プロフィール】
年齢:38歳/職業:株式会社Que seran pasaran代表取締役
insta @yuyu_hitomi
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topics「自分に何ができるのか」「世の中にどんな仕事があるのか」…宝塚退団後のキャリアの悩み
――株式会社Que seran pasaranの事業内容を教えてください。
二つあります。一つは宝塚歌劇団を目指す受験生の受験スクールです。一般的な受験スクールはスタジオで対面レッスンをしますが、当社は唯一のオンラインスクールとして、動画配信をメインにレッスンを行っています。宝塚受験は合格するために「どんな見せ方が必要か」「どのような表現が好まれるか」という情報を持っている人が合格しやすい傾向があるのですが、受験スクールは東京や大阪などの一部エリアにしかなく、通えない人との情報格差が生まれやすいんですね。私自身、福岡県出身で地方受験生としての大変さを知っているので、日本中どこからでも誰でも宝塚を平等に目指せるようにしたいと思い、オンラインに特化したスクールを始めました。その後、宝塚を卒業したOGのセカンドキャリア支援を始め、二つ目の事業としてさらに幅広く芸能人材の一般企業への転職サポートを行っています。

白川さんは中学三年生で宝塚音楽学校を受験。2004年から2012年まで8年間宝塚歌劇団に所属していたそう。
――宝塚OGのセカンドキャリア支援を始めたきっかけは。
受験スクールのように入団までの支援をするサービスは世の中にあるのですが、退団後のサポートをするところが一つもなかったんです。自分自身、退団時には「自分には何ができるんだろう」「どんな仕事があるのだろう」と悩みを抱えていましたし、多くの同僚が同じ状況だったのを見てきました。そんな中一年ほど前に、一般企業でも活躍している宝塚OGがいるということを知ったんです。そこでいろいろと調べていくと、芸能で培った能力を評価してくださる企業があることが分かり、宝塚OGにとっても企業にとっても価値が高いのではないかと考え、転職支援サービスを始めました。
――宝塚OGは、退団後どんな進路を選ぶ方が多いのでしょう?
舞台俳優やタレント業、ヨガやピラティスのインストラクターや、アルバイトをする人も多いですね。ただ、本人たちがどんな企業があって、どんなお仕事があるのかということを知らないからキャリアが広がりにくいだけなので、選択肢を教えてあげることはすごく大事だと思っています。
それと、人材紹介会社に登録しても、エージェントさん側がどんな仕事を紹介したらいいのかわからないということも多く、そのせいで紹介できる会社がないと言われてしまうこともあるんです。その点、私は宝塚出身で舞台経験者なので、芸能経験者がどんな努力をしてきて、どんなことが得意なのかということをわかっているのが強みです。最近ではスポーツ選手のセカンドキャリア支援もかなり一般的になっていますが、芸能人材特有の強みを企業に知ってもらい、芸能人材にもセカンドキャリアがあるということを伝えていっています。