地獄の数だけ成功のチャンスをつかめる タレント経営者・くりえみの革命を起こす勝ち方

地獄の数だけ成功のチャンスをつかめる タレント経営者・くりえみの革命を起こす勝ち方

9月に自身のAI写真集を発売するも、突如発売中止に…各業界で物議を醸しているAI事業に先陣を切って飛び込むタレント・経営者の「くりえみ」さん。独自の経営思考からSNSの鋭い分析まで、インタビューでお伺いしました!

【くりえみプロフィール】
年齢:非公表/職業:タレント・経営者(S&E株式会社代表)/家族構成:独身
insta @kurita__emi
X @kurita__emi

 

topics自分よりスペックの高いもう一人の人間を作る

――まずは、くりえみさんの経営者としてのこれまでの歩みを教えていただけますか。

最初に始めたのは美容外科の経営コンサルで、そこからヘアケアのD2C(Direct to Consumerの略、通販サイトを通して企業が消費者に直接商品を販売すること)と、男性用のAGAオンラインクリニックを自社で立ち上げて。ただ、オンラインクリニックのほうは今年売却したので、今は新しくAI事業に取り掛かりました。

AIが作成した画像。くりえみさんの水着姿。

この画像はAIが作成したくりえみさん、本物と見間違うクオリティです…。(ご本人インスタより)

AI事業は今自社ではなく、AiHUB株式会社に属してCMOとして関わっています。もともとは完全に私の自社でAI事業をやろうと思っていたんですけど、AIの領域ってものすごくスピード感が速くて流動性があるので、これでは完全に乗り遅れるなっていうことがわかってきて。AiHUBはトップのVTuberを作ってきたようなスペシャリストが既にチームになっていて、かつエンタメに強くて、そして私みたいな人を面白がってくれるというところもあって、ご縁があって一緒にやるようになったっていう感じですね。

――どうしてAIに目をつけたんですか?

タレントと経営者をやっているとは言っても、去年ぐらいから私の実働のほぼ90%以上が経営の仕事だったんですね。1日にインスタ5回、Twitter3回くらい更新して、YouTubeを撮影してっていうようなタレントとしての仕事を、残りの10%のリソースでやりくりしていくことにかなり限界を感じていたんです。だったら自分にできない残りの90%を自分の分身にやらせることができれば、経営も100%、タレントも100%、200%の力で動くことができるんじゃないかと。自分のバーチャルヒューマンを生成して、SNSの更新をさせたり喋らせたり、動画配信させたり、なんならバーチャルヒューマンなら多言語化できるので言葉の壁もなくなるから、自分よりもスペックの高いもう一人の自分をタレントとして走らせることができるのがいいなって。

――すごい…実際に、技術的にはどの程度まで可能になってるんですか?

今年の4月くらいからやり始めて、AIでの静止画の生成はもう結構クオリティ高くできています。学習データをもとに自分の声とか口癖で発言したりっていうのが来月ぐらいにできるので実装しようと思ってて(取材時)、その次は日本で初めてのバーチャルヒューマンの芸能事務所を立ち上げる予定ですね。お金さえあれば開発スピードも早められるので、並行して資金調達もしています。

画面に向かって話しかけるくりえみさん。

本人は日本語を話しているのに、英語と韓国語を話すくりえみさんの動画が作られるという技術も…。この動画はインスタでご覧いただけます。

――AIが自分の生活にどう関わってくるのか、まだピンと来ていない方も多い気がします。くりえみさんにはもともとAIに関する知識があったんですか?

勉強しましたね。AI業界ってテックの最高潮の人たちが集結しているので、常に情報も変わりゆくんです。昨日あった情報が今日覆っていたりする。だから常に調べたりニュースを見たり、世の中の動向をアンテナ張って見ておくようにはしてますね。

――元々理系だったとか、そういうこともなく。

いや、私めっちゃ文系です(笑)。数学とか超絶苦手だったんですけど、変わりましたね。特に仕事ではだいぶ理系側に寄ることが多くて。それには理由があって、文系の思考って感情論で物事を考えたりすることが多いと思うんですけど、それって教育したり組織を作るのに向いてるんですよね。だけど経営に近いのって理系的な思考だと思っていて。数字と向き合って、ロジックを組み立てて、一つの成功を見つけ出していくっていう。私は人の気持ちに寄り添うのが苦手なので、理系的思考でいった方が成功をつかめる確率が高いなって思ってから、だいぶ考えが変わった部分がありますね。

 

work style悔しさが薄れたことは一度もない…勝ちにこだわる理由

――起業当時のことをお伺いしたいのですが、当時不安だったことってありましたか?

何もないです。ようやく自分の時代が作れるって思ってました。芸能にいたときにはずっと大人の圧力があったんですよね。「事務所やめたら潰すぞ」って脅されたりとか、活動しようと思ったら邪魔されたりとか。10代のときには気付かなかったんですけど、20代になってそういう圧力を強く感じるようになって、生きづらさを覚えるようになりました。それで、本当の意味で自由を手に入れるためには何をするべきなんだろうって考えたときに、属さないことだと思ったので、そうなるともう起業しか選択肢がなかったんですよね。

ピンクのワンピースに身を包むくりえみさん。

「アイドルだとしたらいつ自分がセンターになれるかもわからない業界。死ぬ気でやってても自己判断じゃないものに自分の身を置き続けることって、絶対自分を苦しめると思ったので、芸能で起業するということは考えませんでした」

――くりえみさんにとって、今の仕事の土台になった経験って何かありますか?

やっぱり反骨精神で生きてる部分があって、これ以上生き地獄を味わいたくないっていう感覚が常に自分を奮い立たせていて。育ってきた環境では父親のDVがあって、アイドル時代はパワハラを受けて、こんなふうに生きてて死んでるみたいな状況は嫌だっていう気持ちが積み重なって、常に自分を成長させているんだと思います。それに、例えば私は開成高校出身の人に知識で勝つことはできないし、東大の人たちのようなスペックもないけど、でも変化球を使えば彼らに勝てるんですよ。その変化球は何だろうっていうのを、常に探し続けていますね。

――お話を聞いていると、「勝つ」っていうことにこだわりが強いんですね。

めっちゃ強いですね。

――それはいつ頃からなんですか?

幼少期からかも知れないですね。ずっと父親に「俺が一番偉いんだ」って言われ続けてたんですよ。俺がこの家のお金を稼いでて養ってあげてるから、君たちは俺がいなかったら生きていけないからなって。母親だって私や兄の面倒を見てくれて、私はそれも同等にすごいことだと思ってるんですけど、当時の父親の言葉には男の方が偉いっていうニュアンスが表現されてたんですよね。私はそれがもうずっと許せなくて、大人になってもその気持ちが消えることがないんですよね。こういう悔しい気持ちって、時間とともに薄れていくものだと思っていたんですけど、これまで生きててこの悔しさが薄れたことは1日もなくて。ずっとそんなふうに言ってくる男性に勝ちたいっていう気持ちしかないんですよね。

経営者ってほとんど男性で、実際に優秀な人には男性が多いと思います。でも私は、女性が男性のアクセサリーみたいになるのは、一番嫌なんですよ。だから、男性のことは常にライバル視してるんですよね。その気持ちだけでここまでやってきてるっていうのがありますね。経営も。

物思いにふけるくりえみさん。

「私は店舗ビジネスや組織を構築することよりも、まだブルーオーシャンの領域で誰よりも早く行動できるスピード感と発想力のほうが、人よりも長けてる」AI事業に目をつけたのは、自分の持っている才能を効率よく活かす方法を考えてのことだそう。

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