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work styleある日突然解雇対象に…無職を避けるため起業
――noteの漫画の中でも描かれていますが、もともとは体操の先生だったそうですね。
そうです。運動が好きなので、大学を出て新卒2年目まで体操教室の先生をしていました。でも過労で倒れてしまい無職のニートに。しばらく休んでから、職業訓練校でホームページの制作の勉強を3か月くらいして、エンジニアになろうと就職活動をしたのですが、どこも受からなくて。そんな中、「エンジニアとしての採用は難しいけどデータ入力ならいいよ」と言って入れてくれたのが前職です。いろいろとお節介を焼いて運営部とシステム部の橋渡しをしていたら、最終的には40人規模の事業部長にまでなりました。
――そこから起業することになった経緯は。
起業しようと思ったというよりは、結果的に起業になってしまったんですよね。前職の会社には12、3年勤めていたのですが、結婚して産休育休で抜けている間に、従業員が11人退職していて、職場復帰したら会社をたたむことになって…。どういう順番で誰を辞めさせるかを決めて伝えるのも私の役目でした。とはいえ自分自身も解雇対象ですし、無職になると保育園を退園させられてしまうんですよ。なので、会社をたたむことに全集中するために、手っ取り早く無職を回避できる方法が起業だったんです。
辞める社員たちに「井口さんはどうするんですか?」と聞かれるたびに起業の話をしたら、「じゃあ手伝います」「ついていきます」と言ってくれて。最初は断っていましたが、事業計画を作ってくれたり責任を持って考えてくれる子ばかりで、ならば「何かあったときの責任は私でとるからみんなでやってみよう!」という感じで始まったのが今のネッコス社です。
――どのくらいで立ち上げに至ったのでしょうか?
会社を立ち上げるまでは一か月もなかったんじゃないかな。作ることに対する躊躇というか、失敗するんじゃないかという不安は一切なかったです。前職のときも社長にそれほど頼らず、自分が責任者である意識を持って働いていたので。経理や財務の業務が増えたり、何かあったときのお金のことが全部自分に降りかかるくらいで、仕事に向き合う姿勢は事業部長時代とそれほど違いを感じませんでしたね。
――その後不安が出ることはありましたか?
コロナのときは不安が出ましたね。会社を立ち上げたのが2019年4月なので、起業して1年経たないくらいの時期で、世の中がガラッと変わってしまい、経営手腕が問われる局面に立たされたときは不安でした。経営者になればそういうときの対応や方針も考えなければいけなくなるということは、最初から頭に入れておくべきではあったかもしれないです。