株式会社FLAFFY代表・廣田智沙 選択肢を持つ生き方をするための起業

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turning point自分でペットを迎えて知った責任

――転機になった出来事を挙げるとしたら、どんな出来事でしょうか。

今の会社に関連したことになると、やっぱり私自身がワンちゃんをお迎えしたことが、一番大きい転機かもしれないですね。実家でもワンちゃんを飼っていたんですけど、実家だと基本的に両親が予防接種に行ってトリミングに行ってというお世話をやってくれたので、私はお散歩したり遊び相手という接し方でした。でも、いざ自分の責任下でお迎えすると大変なことが多くて。一緒に暮らしているだけでは知らなかったことも多く、情報も取りづらく、必要な情報がどこかにまとまっていたらいいなということが、今の事業の原点にあります。

そういった思いと、先ほども申し上げたようなヨーロッパでのペットと人との関係性を知ったことで、情報発信と、自分の強みが活かせるアパレルから始めようと思ったのは、ワンちゃんをお迎えしてからこその気付きだったと思います。

廣田さんがワンちゃんをお迎えしたのは20代半ば。当時はお昼休みに様子を見に家に帰ったりということも。「プードルちゃんなので偏食があって。実家では柴犬を飼っていたので、犬種ごとに悩みも違うということを学びました」

――人間の服を犬用にリメイクできるというサービスもあると伺いましたが、こちらは?

一番最初に始めた事業です。事業というか、ワンちゃんのアパレルを作ろうと思ったときに、人間のアパレルのパターンはわかるけれども、犬はどういうパターンだと着心地がいいんだろうかとか、どういうお洋服が求められているんだろうというニーズがつかめていなくて。そこで一点一点手作業でワンちゃんの体に合わせて作るということをまずはやってみようと考えたんです。

人間はお洋服を引き継ぐということをすると思うのですが、そういうことをペットでもできたらいいなというところから、このサービスを始めました。お洋服を一回全部ばらして、ワンちゃんのサイズに合ったものを手作業でパターンを引いて縫製してお戻しするので、かなり時間をかけて作っています。そこで200頭くらいいろんなパターンを引かせてもらってから、ワンちゃん用のアパレルをリリースしました。

――今も注文はあるんですか?

量産できないので月10着ぐらいしか受けられないので、4ヶ月ほど待っていただいている状況ですね。亡くなったお父さんが着ていたTシャツを愛犬にという方や、娘さんのテニスの応援に行くためにユニフォームをワンちゃん用にとか、皮膚病のワンちゃんのために上質な今治タオルを使ったバスローブの依頼をいただいたことも。いろんな課題に寄り添って作っています。

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