コロナ禍で話題になったサービスcotree(コトリー)を立ち上げ、現在は株式会社コーチェットの代表を務める櫻本真理さんにインタビュー! 起業の経緯から、コーチングとは、健全なメンタルの在り方についてもお伺いしました。
【櫻本真理プロフィール】
年齢:41歳/職業:株式会社コーチェット代表取締役/家族構成:夫・子ども
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topics「まずはやってみよう」メンタル不調を経験し起業
――株式会社コーチェットの事業内容を教えてください。
「チーム作りの支援」というのが一番シンプルな説明かと思います。具体的には、組織のメンバー一人一人が個性を発揮しながらチームとしてもパフォーマンスを出せるように、コーチングや経営者・マネージャー・メンバーそれぞれに向けたトレーニングを活用して、チームの変容を起こしてそれを定着させるまでのプログラムを提供しています。
――櫻本さんはどのような経緯で起業されたのでしょうか。
最初に起業したのは2014年で、オンラインカウンセリングやメンタルヘルスケアのサービスを提供するcotree(コトリー)という会社を立ち上げました。
その前は証券会社で働いていたのですが、リーマン・ショックで会社の雰囲気が悪くなり、眠れなくなってしまったんです。そこでメンタルクリニックに行ったところ、「軽いうつ状態なのでまた来てください」と薬を出されたんですね。メンタルの不調を抱えるということは、行動や考え方を変えなければならないタイミングであるにも関わらず、薬しか出してもらえないということに驚きました。かといって、日本でカウンセラーを探そうとしてもなかなかアクセスしづらく、しかも対面で通うにはハードルを感じる中で、カジュアルにカウンセリングを受けられる仕組み作りが必要なんじゃないかと考え始めていて。実際に起業をしたのはその5年後ではあるんですけれども、「なぜ起業したか」という理由はそんなところにあります。
――もともと起業をしてみたいと思っていたんですか?
全然。おそらく私はどちらかというとサラリーマンが向いているタイプなんです。ただ周囲で起業をしている友人たちを見て、一度自分が本当に解決したい課題にコミットしてみたいという気持ちが湧いてきて。最終的に友人の後押しがあって起業することになりました。うまくいくイメージは全然持っていなくて、「ちょっとやってみよう。うまくいかなかったとしても良い経験にはなるだろう」ぐらいの気持ちでしたね。
でも、どんな理由でこの事業をやっているかを人にお伝えする機会が増えてくると、次第に「私はメンタルヘルスの問題を解決する人なんだ」というアイデンティティが出来上がって、それがライフタイムミッションになりました。だから、やりたいことなんて最初はなんでもいいと思うんですね。やり始めたらそれが勝手に自分になっていく。新しいことをやるのは恐れがあると思うんですけど、恐れるよりやってみて、現実からフィードバックを得て軌道修正していく方がいいかなと思っています。