本当の贅沢さとは自分らしくいられること ラグジュアリーリネンブランド「ホテルライクインテリア」清水葉子

本当の贅沢さとは自分らしくいられること ラグジュアリーリネンブランド「ホテルライクインテリア」清水葉子

work style起業したことで自分らしさが結果につながった

――では、ラグジュアリーリネンでの起業を思いついたきっかけは?

今は探そうと思えばネットで起業のネタをいくらでも探せるかもしれませんが…当時はそうではありませんでした。「海外では発展しているけど日本では珍しいもの」に商機を見出そうと模索していたとき、欧米のベッドリネンに出会いました。私自身欲しいなと思うと同時に、「これって日本にはほとんどないし、ライバルもほとんどいないしナンバーワンになれるのではないか」と感じたんです。

同じ頃に、田舎から出てきた母にパークハイアットに連れていってもらう機会があって、「こんな世界があるのか」とびっくりした経験がありました。そのときに「この世界観ってこれからもっと身近になるのではないか」と思ったんですね。実際にその数年後には外資系ホテルの開業も増え、アフタヌーンティーなども当たり前になりました。

「自信を持っているのは『それを人が本当に欲しいと思うのか』『それは他にはないものか』など商売の本質について考えること。情報収集や着想も上手だと思います」

このふたつの出来事は私の中で大きなヒントになりました。洗練された雰囲気にラグジュアリーリネンのイメージを重ねて伝えることで、日本にもラグジュアリーリネンの文化を定着させることができるのではないかと思い、「ホテルライクインテリア」と名付けてブランドをスタートしました。アルバイトで貯めた10万円で、海外から商品を買い付けてネットで販売するというようなことを、アパートの一室で始めたのが最初です。

――そこから17年も継続できた理由はどんなところにあると思いますか?

会社が継続できたのは皆の力ですが、私が継続できたのはただ楽しいからです。今は仕事が自分を表現できるプラットフォームだとすら思います。

私の場合、仕事をしなくなったら自分のことを表現できる場がなくなると思うんです。ルールに従って実務をこなすのが苦手な人間だから、ほかの組織には馴染めなくて。10代も20代もどこにいても周りから変な人と認定されて辛かったのですが、自分の会社でなら自分らしさを出すことができます。私の仕事における自分らしさとは、その商売の本質を掴むことと、必要な組織の在り方を考えてチームを動かすこと。得意なことに集中した結果、それぞれの能力を発揮してくれる社員が集まってきて、ブランドも有名百貨店や商業施設に店舗を構えるまでに成長しました。そういった意味で、仕事は自己表現の場として、お金には替えられない価値があるんです。

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