お手伝い+旅=新しいビジネスの可能性 株式会社おてつたびCEO・永岡里菜

お手伝い+旅=新しいビジネスの可能性 株式会社おてつたびCEO・永岡里菜

work style働きながら震災の歴史を知り後世に伝える

――今後は事業を広げていくことと、今の利用者さんの満足度を上げていくこと、どちらを重要視していますか?

どちらかをあえて選ぶというのであれば、広げていくことですね。私たちが目指したいのは、どこの地域にも当たり前のように人が訪れる世界なので。今、日本には1,741自治体、集落でいうと8万あるとも言われていて、まだおてつたびでは全然カバーしきれていないんです。

――それを解決するために最も課題に感じていることはどんなことですか?

いろいろありますが、おてつたびを広げていくためには、仲間集めが必要だと思っています。特に今は私が一人役員という状態なので経営層を厚くしていくこともそうですし、同じ思いの人たちに一緒の船に乗ってもらうことも大事だと思っています。

現在会社規模は15名ほど。「弊社はプラットフォームを全て内製化しているので、開発人員やプロダクトマネージャー、エンジニアといったテクノロジー部門の人員が特に必要。一方でITが苦手な事業者さんもいるので、伴走サポートできる人員も大切です」

――ちなみに、永岡さんが個人的に注目しているおてつたび先の地域はありますか?

悩ましいですね(笑)。あえて挙げるとしたら、今おてつたびでも連携している福島県12市町村と言われるエリア(※注)はすごくいいなと思っています。そこは東日本大震災での原発の影響を比較的大きく受けたエリアで、震災からもう10年以上経っていますがまだまだ復興の途中でもありつつ、最近ではIターンやUターンで事業を興して頑張ってらっしゃる方も多い面白いエリア。ただ、住民が全然戻ってきていなくて、頑張りたいけど人が足りないという状態なんです。

おてつたびをよく使ってくださっているような学生の皆さんからすると、震災が起きた頃はまだ幼稚園生だったという方も多く、震災のことは聞いたことはあってもなかなか手触り感がなかったりするんですね。そういう方々が現場を見に行ったり、地域の方々のお話を聞くことによって、震災の本質や歴史が後世にも伝わっていくのではないかとも思っています。震災とは切っても切り離せないエリアなので、通常のお手伝いをしている中でも、会話として震災の話題が生まれてくることが多く、参加された方には「感じるものが多かった」と言っていただきますね。

※注…東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う避難指示等の対象となった福島県の12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)

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