身に着ける人の心を守るランジェリー 創業11年目「ナオランジェリー」川嶋菜緒の物作りへの思い

身に着ける人の心を守るランジェリー 創業11年目「ナオランジェリー」川嶋菜緒の物作りへの思い

life style幼少期の自分と同じような子たちの力になりたい

――ご自身のYouTubeで卵子凍結をされたというお話をされていましたが、卵子凍結を選択した理由はどんなところに?

私自身ずっと子どもは欲しかったんですけど、相手の問題もありますから、なかなかご縁がなかったんですね。いつかはと思いながら35歳になったときに、母から「先がわからないなら、卵子凍結をしてみたら?」と提案されて。そのとき言われなかったら、「まだ大丈夫でしょ」と思って何もしていなかったかもしれません。

――今は保管して4年ですか?

それが2年前に結婚しまして、今は解凍して、不妊治療をしています。

――不妊治療が仕事に影響することはありますか?

妊娠しやすい体にする努力も必要ですし、40歳を過ぎると保険適用になる範囲が変わるので、今のうちにやっておかないといけないこともあって。採卵のためにホルモンの注射をしたりするので、やっぱり体はしんどいですよね。

でも赤ちゃんができるタイミングは自分のタイミングだけじゃないと思うんです。いろんなタイミングが重なってのことだから、あまり思いつめないように、気楽にいようと思っています。今回が駄目でも次かもしれないし。それに私はまだ子どもを産んでいないけど、今は結婚して一人子どもがいるから、それもご縁だなと思っています。

川嶋さんは結婚後、夫とその子どもとステップファミリーに。「子どものときは家に帰るのが怖くてずっと不安でした。今はすっかり安心できる家族に」

――それでは、今後の展望を教えてください。

事業としては海外展開していきたいです。コロナ禍が明けて今ようやく動き出せたところなので、実現できたらいいなと思っています。そもそも私が外交官になりたかった理由は、日本をもっと世界にPRしたいという気持ちがあったから。外交官としてその夢は叶いませんでしたが、職業が変わってもそこはぶれていなくて、日本の物作りを世界に持っていきたい。本質的な部分での初志貫徹はすごく大事だと思っています。

それと会社としては今、社会貢献活動にも取り組んでいます。若いときは決まった金額のお小遣いの中で必要なものを買っていくと、下着を買う予算がなくなってしまうことも多いですよね。特に養護施設の子どもたちは親に買ってもらうこともできないから、何年も同じものを着古している子が多いということを施設の先生から伺って、せめて清潔で新しいものを着てほしいと思い、4年ほど前から寄付させてもらっています。

下着はその人の状態を現わすものだと思っていて、うす汚れたものを着ていたら自分の存在意義がわからなくなったり、自分が粗末にされていると感じてしまうかもしれない。私も幼少期にそう感じていたので、何か力になりたいと思っています。5年後くらいからはこちらをメインにやっていきたいですね。

――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。

「器には したがひながら いはがねも とほすは 水の力なりけり」という言葉です。

――古典の言葉ですか?

神社で引いたおみくじに書いてあった言葉で、調べたら明治天皇の言葉だそうです。いろんな器の形があるけれど、水はそれに沿って形を変える。だけど一方で水には頑丈な石を壊すほどの力も持ってるということを現わした言葉です。これを現代の生活に照らし合わせて考えると、さまざまな環境や関係性の中で物腰柔らかく生きつつも、これは譲れないというときには大きなものでも壊せるほどの強靭な力を持つことができるということ。物作りでもなんでも、柔軟な姿勢は必要だけど、やり切らなきゃいけないときには一点集中でやりたいと思ってます。

 

物作りへの強い思いが伝わってくるインタビューでした! インフルエンサーでなくても、地道にやるべきことを続けて夢を叶えていく姿に、勇気をもらえた人も多いのでは。

■ナオランジェリーのサイトはこちら
https://naolingerie.com/

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