3月8日の国際女性デーに、初めての小説「あすは起業日!」を出版する森本萌乃(もりもと もえの)さんへインタビュー! 電通でバリキャリ街道まっしぐらだったOLが、心機一転本屋さんに!? 意外なキャリアチェンジを決意した20代のこと、そして30代の今のことを伺いました。
【森本萌乃プロフィール】
年齢:33歳/職業:株式会社MISSION ROMANTIC代表・Chapters書店主/家族構成:独身
insta @moeno_morimoto_romantic
X @cheermoe
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topics「本屋さんでの偶然の出会い」からつながるマッチングサービスとは?
――森本さんが店主を務めるChapters書店というのはどういうものなんでしょうか?
「本棚で手と手が重なるような偶然の出会い」をコンセプトにした、マッチングサービスに選書機能が付随した月額サブスクのサービスです。毎月4冊の選書の中から、お客様に気になる1冊を選んでもらって、同じ季節に同じ本を読んだ人同士がオンラインで出会えるという仕組みになっています。
私の日常の業務の多くは書店業で、出版社さんや全国の書店員さんと一緒に、毎月お客様に届ける4冊の本を厳選するという企画の部分を担っています。お客様にはタイトルや作者を伏せて、推薦文と弊社が準備したクリエイティブだけで直感で本を選んでもらうんです。
――面白い仕組みですね! 本が届いたあとのオンラインの出会いというのは、どういうものなんでしょう?
選書はアナログですが、マッチングはテクノロジーの力を借りています。同じ本を読んで、同じ日程を希望した同士で自動でマッチさせるというシンプルな方法です。あとは年齢差7歳以内の異性を、なるべく二人ペアでマッチするようにしていますね。読んだ本と日程と年齢、これだけでもだいぶロマンチックは生まれるんですよ。
――出会いは恋愛のみですか?
いえ、月に一、二度、年齢や性別に関わらず3人マッチを優先させるご案内もしているので、そちらの日程を選べば、同性のお友達ができることもありますよ。大切にしているのは、お客様が徹底して受け身でいられること。選書のタイトルと作者を伏せているのも同じ理由で、例えば時代小説が並んでいたら「気難しいおじさんと当たっちゃったらどうしよう」とか、村上春樹が並んでいたら「読んでみたいけど私よりもっと知識がある人と当たってしまったらうまく話せるかな」とか、余計なことを考えてしまうと思うんですよね。お客様にそういう負担をかけないようにということを意識しています。あくまでも大切なのは、この本を読んであなたがどう思ったか。Chapters書店の出会いにおいて、本は人柄に触れる手がかりに過ぎません。
あと、マッチングアプリや婚活の窓口さんって「頑張りましょう」って言うじゃないですか、でも私自身、本当に恋愛を頑張れないんです。だってこっちはディズニープリンセスを見て育っているから、恋愛はある日突然始まるものだって信じてみたいじゃないですか。Chapters書店の利用者も8割がマッチングアプリを過去に使っていた、あるいは使っていないという方で、恋愛はしたいけど頑張れないというところに共通点があると思います。
――なるほど。マッチングサービスといいつつ、あくまで読書を楽しんで、プラスアルファの部分で出会えたらいいなっていう。
出会いたくて始めたけど、「選書いいな」と思ってくれて使い続けてくれるお客様にとても支えられています。もともと本が好きっていうよりも、この機会に読書を始めたり再開するという方も多いんです。読みやすくて面白い本しか届かないので、全然本が好きじゃない人にも気楽に始めやすいと思います。
毎月本が家に届くと選書4冊の答え合わせのフライヤーが同封されているんですが、それを見て書店や図書館へ行き、毎月4冊全部読むという方もいらっしゃいますね。Chapters書店の選書は間違いない、そんなお墨付きが嬉しくて、選書は手が抜けないんです。
――ファンが付いてるんですね。
選書に関してはそうですね。毎月のラインナップが発表されるタイミングで、1日で何百冊の注文が入るっていう。同じ文庫が何百冊売れる、書籍業界では稀有なサービスだと思います。