世界最先端の美容を日本に 経営者・河野麻衣子

世界最先端の美容を日本に 経営者・河野麻衣子

幼い頃から英語が身近にある環境で育ち、現在は海外の最先端の美容商材を扱う卸業を営む河野(かわの)麻衣子さん。1年の半分を海外で過ごしながら、どこからでも仕事ができる環境を構築するに至った理由と、美容にかける思いをインタビューでお伺いしました。

【河野麻衣子プロフィール】
39歳/職業:株式会社ALLURE代表取締役/家族構成:娘(17歳)
instagram @maimaismilyyyyy

topics日本語検索でヒット0件だった海外商品がベストセラーに!

――河野さんが代表を務める会社について教えてください。

美容クリニックとエステサロンに商品を卸している美容の卸業をやっています。「世界の最先端の美容を日本に」というミッションで、8期目。もともとはアジア圏の国に日本の化粧品を販売する輸出業でスタートしたんです。

――では今はどんな事業がメインになっているんですか?

今は輸入業が大きくなっています。きっかけはアメリカの美容クリニックに行った際、受けた施術にすごく感動して。そのときはその商品がどこの国のものかもわからなかったんですけど、そこからずっと忘れることができなくて、約1年くらいリサーチをしてカーボキシー炭酸ガスパックという商品だというのがわかったんです。そこから輸入を始め、今ではこの商品が弊社で一番のベストセラーになっています。ほかにも今は海外12ブランドの日本総代理店を取得しています。

こちらがそのカーボキシー炭酸ガスパック。河野さんが美容に興味をもったのは15歳のときのアメリカ留学。良い化粧品がたくさんあることを知り、まだ日本に入っていない商品を広めたいと思ったそう。

今でこそカーボキシーってGoogleとかで調べてもらうとうちの商品の情報が出てくるんですけど、当時は日本語で調べたらヒットは0件。日本では日本語でしか検索しない人も多いので、海外からの情報が入ってこないというのをすごく感じたんです。世界では何十か国に代理店があるようなメーカーでも、実は先進国では日本だけそのブランドが入ってないっていうことが結構あって。そこがこの事業の一番面白いところですね。

――起業する前は何をされていたんですか?

以前は化粧品のメーカーにいて、商品開発などに携わってました。ただメーカーの仕事って、たくさん商品がある中で良い商品もあれば自分的にそこまで効果を感じない商品もあって、でも全部を良いものとして売らないといけない。そこにすごく違和感を感じていたんです。

――商品開発の仕事から輸出や輸入って、全然違う分野のようなイメージがあります。

そうですよね。ただ私自身は小さい頃から英語が身近にある環境で育っていたので、いつか英語を使いながら美容の仕事をしたいって思っていたんです。それが海外に輸出する、海外のものを輸入するってなったときに、大好きな美容と英語の交わるポイントが見つかったと思って。だから、今の会社を立ち上げたときは、本当にやりたい仕事が見つかったなと思いました。

それに今扱っている12ブランドも、そのブランドの全商品を扱うというのではなく、その中でも確実に日本人に合う、日本のマーケットにも受け入れてもらえるというものをセレクトしています。なので一年の半分くらいは世界の美容クリニックやエステに自ら足を運んでリサーチを行っています。

――会社自体は国内にあるのでしょうか。

あります。大阪が本社です。外国とのやりとりが多いので、主婦をしながら在宅でリモートで働いている社員もいます。私自身子どもが小さいときに離婚しているんですが、日本だと子どもがいるっていうだけで、働くことに対してのハードルが高くなってしまう。海外ではもっと女性が社会進出していて働きやすくなってるんですけどね。そういう意味でも女性としてのキャリアを生涯貫くことができる会社を目指しています。

 

work style日本での明日が海外では明後日に…スピード感が大事

――美容のキャリアは化粧品の会社からですか?

そうですね。その前は子どもが小さかったので、英会話のスクールの講師とかをずっとやってました。すぐに生かせるスキルで時間限定で働ける仕事が、当時はそれくらいしかなかったので。

20代は子どもが小さかったので、例えば熱を出したらすぐに迎えにいかないといけないし、重要な仕事を任せてもらえないっていうところで、常にもどかしい気持ちでいました。自分はもっとやりたいっていう気持ちがあっても、家庭の事情でフルに働けなかったのは、個人的には辛かったところですね。ただ、そういう経験があったので、会社を起業したときからどこからでも働けるような組織作りをするっていうことは常に取り組んでいます。

――会社を作ったときに不安だったことはありますか?

基本的にポジティブな性格なので、大きな不安はなかったです。どちらかというと自分が社長になれば働き方はコントロールできるので、会社員のときはできなかったことができるっていうところで、気持ちは楽にはなりました。

ただメーカーから輸出業になって共通のお客様がいなかったので、0からのスタートだったというところは大変でしたね。インスタで配信をしたりとか、大きな費用をかけなくても自分でできることはいろいろ試していました。

エステやクリニックなどの事業者側が、河野さんの会社のお客さん。「コロナをきっかけにオンラインでの教育システムを構築し、どこからでもお勉強してもらえるように。そのおかげで売上も3、4倍になりました」

――お仕事をする上でのこだわりやマイルールはありますか?

私はとにかくスピード重視だと思ってるんですよ。海外だと時差もあるので、また明日対応しようというのが、その国ではその次の日になっていたりする。なので常にすぐ対応するっていうのは心掛けています。

過去には、このブランドを日本で取り扱いたいけどどうコンタクトをとろうかなと迷っていたら、その間に大手さんが契約を結んでいたっていうこともありました。反対に、良いなと直感的に思って翌日に海外に飛んで、アポなしでメーカーと直接交渉して契約をとれたっていうこともあるので。

 

life style日本での育ての親になるというミッション

――海外と日本を行き来する生活だと思いますが、毎日のルーティンはありますか?

約7、8年続けてるんですけど、毎朝ニンジンジュースを飲んでいます。美容業界にいるのですごくいいお化粧品は常に使っているんですけど、外からケアをするだけではカバーできない年齢になってきてるので、食べるものにはものすごく気を使っています。その中でビタミンやお肌に必要なものが多く含まれているニンジンジュースは毎朝作って飲んでます。日本だと売ってるところはあまりないんですけど、海外だとジュースバーがたくさんあるので、手に入りやすいんですよ。

――子育てで大事にしていることってあります?

ビジネスでもそうなんですけど、自分の意見をはっきりと言う、ちゃんと表現するっていうのは娘に常に伝えてます。仕事を通していろんな国の人と出会う中で、最初の頃は意見をはっきり言えずに損したって言う部分が自分もあったので。娘にも国際人として生きていく上ではそういった考えを培っていってほしいなって思っています。

17歳の娘さんとは一緒に海外に行くことも。「二人でレンタカーを借りて、アメリカの横断旅行をしたこともあります。目的地を決めずに行きたいところに行くっていうのは楽しかったですね」

――今後の目標はありますか?

今取り扱っているブランドを日本でも海外と同じくらい有名なブランドに育てるっていうのが一番の夢ですね。生みの親が海外に居て、日本での育ての親が私っていうミッションがあると思っているので。生みの親がそのブランドを誕生させたときの思いをきちんと受け継いで、日本のお客様に同じ温度感で伝えていきたいです。

例えば、今海外のトレンドっていうのが、クリーンビューティーっていう言葉なんですよ。よくサステナブルとかエシカルとかって言われると思うんですけど、海外の化粧品はそういった地球にも優しい取り組みであることを重要視しています。最近うちが日本でローンチしたニューヨークのブランドは、会社が80%風力発電で、商品を作る工場は100%風力発電。化粧品の容器も、一部のポンプの部分はプラスチックなんだけど、それもサトウキビ由来のプラスチックにして、あとは全部ガラスだったりとか、再生可能なもので作っています。こういうブランドのストーリーやオーナーの気持ちだったり、世界的な背景をきちんとお伝えしてブランドのファンになってもらうっていうことを常にこだわっています。

――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。

ありきたりですけど、「感謝をする」ということ。私たちの会社では宣伝にインフルエンサーさんを使っていないんですけど、それでもうちから買ったものを無償で拡散していただいて、私たちの宣伝広告になっていたりするので。社員にも、問い合わせがあったときには、「いつもありがとうございます」と言葉をかけるようにっていう教育をしていますね。

 

学生時代にアメリカに留学し、受け入れ先の家族と過ごし培った経験も、現在各ブランドのオーナーからの信頼を獲得することに役立っているそう。美とコミュニケーションの国際基準、勉強になりました!

■河野さんの経営する会社はこちら
株式会社ALLURE
https://allure-group.jp

ranking

VenusBeautyClinic(ヴィーナスビューティークリニック)アートメイク