25年間毎日さつまいも生活 美容家・鈴木絢子の仕事と人生:前編

25年間毎日さつまいも生活 美容家・鈴木絢子の仕事と人生:前編

16歳でさつまいもに出会って人生を救われた…美容家であり、さつまいも親善協会会長という異色の肩書きを持つ鈴木絢子さんにインタビュー。前編ではSNSが始まったばかりのネット成長期からさつまいもを武器に個人の発信をし続けてきた、鈴木さんのこれまでについてお伺いしました。

【鈴木絢子プロフィール】
年齢:41歳/職業:美容家/家族構成:夫
instagram @ayako_suzuki810

historySNS黎明期だから美容家を名乗った

――鈴木さんが美容家を名乗るようになったきっかけを教えてください。

私、出身が静岡県なんですけど、もともと情報発信をする仕事がしたかったんですね。今ならSNSで誰でも情報発信できる時代ですが、当時はブログもmixiもなかった。なのでまずは上京してマスコミ系のライターやリポーターの仕事を地道に探していました。

地元の静岡で美大に通うつもりだったものの「美術でやっていけるほどの才能がないと気付いてしまったんです。それよりも、自分の言葉で話すとか、文章を書くほうが向いていると思いました」写真は地元浜松のmy畑。

その中でチャンスをつかんだのが中国絡みの仕事。北京大学に短期語学留学をしていた関係もあって、当時中国で一番売れていたRayの美容ページを担当させてもらったり、中国のテレビのリポーターをやらせてもらったり、そういうところから少しずつ情報発信ができるような状態を作っていきました。

――学生の頃からアグレッシブ。卒業後は?

一番最初に就職したのは、当時日本で最大手の美容外科の広報でした。そこで美容のノウハウを学ぶことができましたね。

――この美容外科にはどのくらいいたんでしょう?

それが1年なんですよ。居心地がよくてここで終わってしまうなと思ったので、早々に転職しました。それに美容外科にいると、その会社がやっているメニューや扱っている化粧品のように、限られたものしかPRできない。だったら広告代理店にいって、いろんな会社の製品を知ったり、キャッチコピーを作ったりしたいなと思ったんです。

なので、そのあとはコピーライターとして広告代理店に転職しました。そこでは社内起業みたいな感じで自分で部署を立ち上げて、女性の中で一番最初に課長に就任。ただ、もともと自分の名前で活動することを考えていたので、3年半くらいで辞めて独立しました。

――自分で部署まで立ち上げて、手放すのは惜しくはなかったですか?

その先を考えてたので。入社するときも最終面接で、「私は1年で辞めますけど、辞めるまではこの会社のためにめちゃめちゃいい物を作ります」ということを宣言して合格して入ったくらい(笑)。この代理店時代はちょうどネット成長期で、時代の最先端を知ることができたし、おかげでいろいろ情報収集ができたので、行動してよかったなと思っています。

――そしていよいよ独立。

そうです。そこで肩書きを決めるときに、美容家にしました。当時は美容家って本当に大御所の方しかいない中で、私が美容家を名乗っていいのだろうかという葛藤はあったんですけど、今後は個々の発信が強くなっていくだろうなと思ったので、いち早く肩書きを付けて活動しようと思って。今の時代だったら美容家にしてないと思います。

 

turning point人生が変わった焼き芋弁当

――美容の道を志した理由は?

それが、さつまいもなんですよ。肩書きのひとつにも「さつまいも親善協会会長」っていうのがあるんですけど。

――たしかに公式サイトにも載っています。さつまいも親善協会とは?

私が立ち上げたんですが、さつまいもをもっと皆さんに知ってもらう役割を担うのがこの協会です。高校生の頃ダイエットにすごくハマった時期があって。当時はアムラーやコギャルが流行っていたので細ければ細いほど良いとされていて、みんなが必死でダイエットするような時代でした。私もキャベツだけとかりんごだけを食べるようなダイエットをやっていたんですけど、肌もボロボロで便秘もひどくなってしまい、しかも全然痩せない。悪循環のサイクルにハマってしまったんです。そんなときに母親がお昼にさつまいもを持たせてくれたんですね。焼き芋が弁当箱にドーンと入ったような。

――渋いお弁当!(笑)

さつまいもって炭水化物だし甘いし、太るものだと当時は思っていたんですよ。でも食べてみたら次の日便秘が治って、便秘が治ったら肌荒れも治って、体重もすぐに落ちていきました。さつまいもを毎日食べることによってどんどんいいサイクルに変わっていったんです。「これは大発見だ!」と思って、そこから25年間毎日さつまいもを食べています。

私にとってはさつまいもに出会って命を救われたぐらいに思っていて。こんなに素晴らしい食べ物なのに食べていない人がいるなんてもったいない、さつまいもをみんなに知ってほしいって思うようになったんです。今では本も出させていただいたり、メディアにお声がけいただけるようになって、年間何十本ものさつまいも関係の仕事につながっています。

鈴木さんに聞いたさつまいもこぼれ話。「紅はるかやシルクスイートなどねっとり系のさつまいもが誕生したことによって、スイーツとしても食べられるようになり、2010年頃からまたさつまいもブームがきたように思います」焼き芋ブーム自体は江戸時代から続くものだそう。

――さつまいもはどんなタイミングで召し上がるんですか?

私は朝からさつまいもですね。食物繊維も豊富ですし、朝から腸に刺激を与えられるので便通がよくなります。さつまいもはビタミンCも豊富で、朝のビタミンは金、昼は銀、夜は鉛って言われているくらい吸収の仕方も変わってくるので、朝とるのがオススメなんですよ。なので朝、昼、間食はさつまいもにして、夜は夫と一緒なので好きなものを気にせず食べるっていうようにしています。おかげで全くストレスもたまらない。さつまいもダイエットっていうカテゴリで広められたらいいなと思っているので本も出していて。

こちらは鈴木さんのさつまいもダイエット本。「さつまいもって完全食に近い栄養素が入っているんですが、唯一タンパク質と脂質が入ってない準完全食品なんです。ボディビルダーの方はプロテインとさつまいもっていう食べ方をしている方も」

――こんなにいろんなレシピがあるんですね。これだけあれば毎日飽きずに食べられるかも…。

私の場合は一口サイズにカットして持ち歩いています。ほかにも冷凍しておくとスイーツや料理にも使いやすいです。レシピもご提案してるので、メディアに出るときはさつまいも美容家として出るときもあれば、さつまいも料理研究家として出るときもありますね。

 

work styleさつまいもはライフワークであり武器

それと、私2016年にこういう本も出していて。

普通の女子がフリーランスで年収1000万円稼ぐ本 「好き」を「お金」に変える夢のワクワク・ライフ

――こちらは全くさつまいもが関係ない内容なんですね。

さつまいも関係ないですね(笑)。今フリーランスの方と関わる機会がすごく増えたんですけど、たいてい皆さん同じことで悩まれていると気付いて作りました。

――皆さんどんなことで悩まれているんですか?

最終的には、お金を稼ぎたいけど仕事がないとか、なかなか自分の名前で売れることが難しいとか。でもこの本ではそれよりも手前のところから書いていて、何もない状態でどう始めるかっていうところから書いています。私自身も自分には秀でたものがないっていうのを自覚していたので、そんな自分でもどうしたらやっていけるだろうって考えた結果が、「美容家という肩書きを付ける」「さつまいもという武器を持つ」ということ。そういう、自分で稼ぐためのノウハウを書いてます。

――肩書きと武器って違うんでしょうか?

今ってたくさんの方々がSNSを使って発信されているので、美容家といっても、一部の有名な人は別として、なかなか「この人に頼もう」って判断しづらいじゃないですか。だから武器を持つっていうのはすごく重要だと思うんです。

私の場合はさつまいもがひとつ尖った武器になるわけで。さつまいもって言ったらこの人だ、となればその分野ではある意味勝ちなんですよ。美容コメンテーターの仕事は本当は美容家だったら誰でもいいのかもしれないけど、私がさつまいもをきっかけにテレビで出てしゃべっているのを見て依頼をいただいたりというふうにつながっていくので、武器を持つというのは大事ですね。

 

鈴木さんのさつまいもへの愛があふれ出たインタビュー、いかがでしたか? お仕事にフォーカスした後編は近日公開。お楽しみに!

☆後編はこちら

 

■鈴木絢子さん出演の「夏のさつまいも博」開催!

8/17~20、新宿住友三角広場にて、日本最大のさつまいもイベント「夏のさつまいも博」が開催されます。期間中は毎日、美とダイエットをテーマにしたステージを行います。ぜひお越しください。

ステージの内容は近日公開予定です。
https://imohaku.com/

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