20代は関西でショップ店員として働き、29歳で上京し34歳で独立、今年で起業10年目を迎える大村香織さんにインタビュー! 転機となった20代後半のエピソードから、最近始めた新たな取り組みまでお伺いしました。
【大村香織プロフィール】
年齢:44歳/職業:フリーランスPR、香織塾主宰/家族構成:独身、犬1匹
instagram @kaori.omura
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topics独立10年目、これからはサポートする側にも挑戦
――大村さんのお仕事を教えてください。
フリーランスでPRやマーケティング、インスタグラマーのキャスティングをやったりしています。それから最近は、新しく「香織塾」っていうのを始めました。
――「香織塾」とは?
女性がもっと自分らしく生きられるようなお手伝いをするサービスです。なりたい自分を見つけて、そこに向かってサポートしていくということをしたくて。
意外と5年後10年後を考えていない人って多いと思うんです。私自身もそうで、それに気付いたときには「なんで義務教育で教えてくれなかったんだろう」と思いました。今年で独立して10年目になったので、そろそろ個人の方や起業家さんにアドバイスはできるようになったのかなと思うので、そういうサポートをしていきたいと考えています。
ほかにも、私自身お仕事をしながら商品や企業の見せ方をずっと学んできているので、セルフブランディングのお手伝いも継続的にしていこうかなと思ってます。
――独立前はどんなお仕事をしていたんですか?
20代のときはショップ店員をしていました。当時は雑誌で商品を掲載したらすごい数の問い合わせがきて予約で完売、みたいな時代だったんですよ。そういう業務を担っているのがプレスさんだったので、私もそういう職業に就きたいなと思って、ショップ店員からプレスに転職。そのために29歳のときに東京に越してきました。そのあとはアクセサリーや飲食店をやってる会社のPRや広報を担当したり。
――独立したのは、いつどんなタイミングで?
たぶん34歳とか35歳ですね。5年後の自分を考えたときに、そこの会社にいるのが想像できなくて。
――転職っていう選択肢はなかったんですか?
なかったですね。もともと29歳くらいのときに10年後を考えたことがあって。「10年後には自分の何かを持ちたい」みたいなざっくりしたものがあったので、34、5歳のときには一人で何かやっていたいっていうのが頭にあったんだと思います。
turning point30歳手前で気付いた「キャリアがない!」
――29歳で上京をしたということだったんですが、そのくらいの年齢で「ここからがんばるぞ!」っていうのって、結構エネルギー使いませんでしたか?
めっちゃ使いました。でも27、8歳のときに脳下垂体腫瘍っていう病気をして、それは命に関わるものではなくて腫瘍を取って治ったんですけど、手術で一か月くらい入院していて。病院に閉じ込められてる一か月間にいろいろ考えちゃったんですよ。
それまではショップ店員をしてたけどお休みも少なくて。お洋服好きだし楽しく働いてはいたけど、好きな旅行もあまり行けなくなってて、それでいいのかなって。自分がやりたいことも仕事ももっとやらないとって入院中考えちゃったんです。
――それですぐ東京に?
しばらくしてからです。1年くらいかな? 結婚する予定だった彼とも別れて、仕事も辞めちゃって、一瞬何もなくなっちゃって。「どうしよう何もない」って気付いちゃった。20代のときに何も努力してなかったからこういう感じなんだ、じゃあこれからは努力しないとって。30代前半は「私は修行の身」っていつも思ってました(笑)。
――彼とも別れちゃったんですね。年齢的にも次の出会いを焦ったりはしませんでしたか?
私結婚願望があまりなくて。たしかに周りの子はすごい急いで結婚していったんですけど、そのときもあまり心が動かなかったです。むしろキャリアも何もないし、彼氏見つけて結婚しようじゃなくて、自分のスキルアップをしなきゃだめかもしれないと思って、そっちを頑張ったんですよね。
――上京後の大村さんは?
上京してアパレルの会社で働く前に、タレント事務所のお手伝いをしていたんですけど、それが結構私の中では衝撃的でした。朝のミーティングの時間で「10年後を考える」っていうお題が出て…。
――それって会社の人が集まってみんなで考えるんですか?
そう、普通の朝礼でそういう時間をとってくれたことがあったんですよ。みんなモチベーションも違うから各々の10年後を考えるんですけど。私は10年後40歳だから、それまでにこうなっていたい、みたいなのをいっぱい書いて、それが結構大きかったかな。ちょうどそのときいろいろモヤモヤしてて、「このままじゃだめだ、もっと頑張らなきゃ」って思ってたから余計に印象に残ってるのかもしれないんですけど。
――独立して10年、今は自分の理想に近づいていると感じますか?
昔思ってたように自由に働けて、身の回りのことは自分の稼ぎでなんとかなっているので、なりたかった自分には近づけてるかなっていう感じはあります。でも、次々にまた目標ができちゃうから、100%理想通りにはならないと思うんですよね。今もこうして「香織塾」を始めたいと思ったりしてるから。
work style自由に働きたいと考える人が増えている
――大村さん自身、独立するときに不安だったことはありますか?
家賃払えるかなとか(笑)。お金もそうですけど、仕事増えるかなとかは考えました。
――その不安を解消するためにどうしていましたか?
はじめの1、2年はもうなんでもやりますみたいな感じで仕事をしていました。今はスマホでいろいろできるけど、当時はまだ大きいパソコンをカバンに入れてずっと持ち歩いてたし、ガラケーで電話しながらiPhoneでメール確認したり。3、4年目くらいからはようやく安定してきて、そこからはずっと売上自体は伸びて、という感じですね。
――今はどんな働き方なんでしょう?
一応土日はパソコンとかのメール連絡はあんまりしないって決めています。クライアントも企業さんだったりするので休みに入ってますし。オンとオフつけないと自分の中でしんどくなってくるので、カレンダー通りに動くようにしてます。
――お仕事をする上でのこだわり、マイルールはありますか?
できないことは「できない」と言う。これはクライアントさんに指摘されたことです(笑)。期待に応えられないから受けられない、みたいなことははっきり伝えます。クライアントも困るし、自分の評価も下がるから自分を守るためでもあるんですけど。自分が得意なことだけを伸ばしていったほうがいいと思っているので、苦手なことはあまりやらないです。
――ちなみに大村さんが自分で得意だと思っていることはどんなことですか?
いつもニュートラルでいられるっていうところかな。考え方の違う人も、そういう人もいるよね、みたいに自分の中で通過しちゃいます。会社員時代は人と接する機会が多くて、コミュニケーションをとることをお勉強させてもらったので、そういう部分も今に生きているかもしれないですね。
――「香織塾」を始める背景として、自由に働きたいと考えている人が増えてきたっていうのは感じますか?
そうですね。コロナ前くらいからインスタでたまに質問もらったりしたんですよ、「どうやってフリーでお仕事されてるんですか?」とか。だからみんな興味あるのかなって。何年か前からやってみたかったんですけど、「私なんかが言うのはまだ早い」と思ってて、10年の節目でやってみてもいいのかなと思えたというのはあります。
――実際には大村さん自身はどうやって仕事を獲得してきたんですか?
私の場合は、会社に辞めることを伝えたら、会社の紹介で業務委託でお仕事をもらえるようにしてもらったり。だからすごく難しく考えなくても大丈夫だと思います。
あと「貯金がいくらあったら独立できますか?」ということもたまに聞かれるんですけど、例えば今って副業OKじゃないですか。副業の規模が大きくなっていって、これだったらいけるなと思うタイミングで独立すればいいと思うし、やり方はいろいろあるなって思うんです。
life styleいつだって怖い。でも変われない自分は嫌
――いま幸せを感じる瞬間は?
わんこ連れてのんびり出かけてるときとか。愛犬が喜んでるような気がしたらすごい嬉しいんですよね。
仕事での達成感とかって、私の場合一人で仕事をしてるので、あんまり人と共有できなくて。良かったも悪かったもインスタに書けないし。そういう意味では幸せを感じるっていうのとはちょっと違いますよね。孤独もある。
でも「仕事がうまくいってうれしい」っていうこの気持ちはどうしたらいいんだろうっていう思いはあって、「香織塾」を通して関わった人と業務をシェアできればとも考えています。一人で仕事をすることに飽きたわけではないけど、サポートしてもらえる人がいたらちょっと任せてみようかなって。今までは任せるの怖かったんですけど。
――じゃあゆくゆくは組織化も考えてるんですか?
組織化したいですね。今やってる仕事と、それをみんなでできるように組織化できたらいいかなっていうのはあります。
――もしかしたら数年後は職業のところが代表取締役とかになってるかも…。
でも、自分がやりたい、こうなりたいってタイプだから、本末転倒にならないかなっていうのが心配。そこは自分の中では慎重かも。毎年考えるんですよ、今年は法人化しようかなって。でもそうしたら会社全体のこともすごく考えなきゃいけない。自由でいたいと思って独立したのに、そうじゃなくなっちゃうかもって思ったら、私には違うのかなと思って。会社にしてなくても今も不便なく仕事できているし、悩みどころではありますね。
――大村さんの中で「自由」っていうのは大きなキーワードのようですね。
そうかもしれない。自由にしたいっていうのはすごくあります。自分でなんでも選択できるっていうのが大事かも。選択肢がなくなるのは嫌ですね。
――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。
「変化を楽しむ」ということ。「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」っていう言葉が好きで、会社に勤めていた頃からポストイットに書いてパソコンにずっと貼ってました。たぶん私の中では、ずっと同じっていうのがすごい嫌で。変化していないと嫌なんですよ。
――それはなぜですか?
目標立てて達成しても、そこからずっと一緒だと成長しなくないですか? なんでもいいからちょっと成長していたい。たまには居心地の悪いところに身を置いてみたりとか、変化を楽しんで成長していきたいと思っています。
――最近自分のまわりで変化はありましたか?
また「香織塾」の話になっちゃうんですけど。個人に対してアクションを起こすということをしたことがなかったから不安で怖かったんですけど、実際にやってみたら意外と反応があって。嬉しいですね。友達にはいつも「怖いと思っているように見えない」って言われるんですけど、始めるときはめちゃめちゃ怖かったです。フリーになるときも怖かったし、怖いっていう気持ちは毎回あります。でもなりたいと思ってたからできたんだけど。
――怖い気持ちを乗り越えるのに必要なものってなんですか?
勢いかな? 勢いと変わりたいっていう気持ち。変わりたいのに変われないでいるのって、ずっともんもんしませんか? その自分が嫌なんですよね。それと最近は、失敗してもなんでも経験になるから大丈夫って、自分を信頼してあげるっていうことを頑張ってます。
どんなエピソードも明るく話してくれる、ハッピーオーラが印象的だった大村さん。あなたは10年後どんな自分でいたいですか? この機会に考えてみたいテーマですね!
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