クビ、別居婚、産後うつ…困難を乗り越えてたどり着いた“私らしい”選択 アナウンサー・奥井奈々

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life style週末は三重、平日は東京。別居前提での結婚生活とは
――今は東京と三重県の二拠点生活とのこと。どういう生活を送っているんですか?
だいたい土日月は三重県にいます。平日は東京で仕事があるときは東京にいますし、最近はありがたいことに地方でのお仕事も増えてきているので、そのときは地方に行ったりしています。なので、ガチガチに決めず、だいたい週末に三重県にいるというスタイルですね。
夫とは東京で出会ったのですが、三重県で家族経営をしている会社の跡継ぎだったんです。なので、夫は後を継ぐために三重県に帰る必要があったため、別居前提で結婚をしました。
――では、お子さんがいない段階から?
そうです。27歳で結婚してからずっとこの生活ですね。
――お子さんが生まれてすぐは、子どものケアもありますし二拠点生活は難しいのでは?
難しかったです。仕事は産後4か月くらいで復帰したのですが、母乳で育てていたので赤ちゃんも東京に連れてきていて。NewsPicksの収録があるときは、ナニーさんに来てもらったり、自分の親に来てもらったりと周りの助けを得ながらなんとか。でもさすがに長くは続けられないと感じたので、子どもが1歳になった頃にNewsPicksは卒業しました。
二拠点生活のメリット・デメリットは?「メリットは、夫婦仲や家族仲が良い。ある程度距離があるほうがコミュニケーションが円滑に進みます。デメリットは移動の時間がかかること」
――奥井さんは産後うつの期間もあったそうですね。
そうです。生後3か月目くらいから、仕事で言う燃え尽き症候群みたいな感じでバーンナウトしてしまって。子育ては出産してからが本番ですが、当時はそれがわかっていなくて、生後3か月目くらいから急に「これいつ終わるんだっけ?」というバーンナウト感があって。ホルモンのバランスも乱れていたので勝手に泣けてしまうこともありました。
一番精神的に辛かったのが、インスタで周りの友達がキャリア路線に進んでいくのを見て、自分と比較して悲しくなってしまうこと。だからこれから出産する方に伝えたいのは、絶対にインスタをアンインストールするべき。たとえキャリアを追っていなくても、自分の子育てと他人の子育てや、子どもの成長具合を比べて、罪悪感を感じてしまうと思うので。
――産後うつは、どのように改善していきましたか?
私の場合は仕事が好きだったので、出産前と変わらないテンションで好きな仕事に取り組めるようになってから改善していきました。でも1年くらいはかかったかな。瞬発力が大事な仕事をしているのに、頭の回転が悪くてボロボロなことも最初はありました。
それと、保育園に入るタイミングで子どもの生活のベースが三重県になって、ママとずっと一緒にいなくても子どもの生活が成り立つことがわかったのも大きいです。「三つ子の魂百まで」というように、三歳までの経験は成長に大きな影響を及ぼすから、その時期に母親がいないのはどうのかなという不安はありました。でも実際には3日間離れても娘は全然平気で生きていけるので、子どもに対しての心配事が減りましたね。さみしさはありましたが、この生活にして良かったなと思います。
――今後の展望を教えてください。
これからも自分の好奇心をベースに面白いものや伝えたいことを探して発信し、結果的に視聴者やユーザーのためになったらいいなと思っています。NewsPicks時代も今もそうですが、「考えるきっかけになりました」とか「動くきっかけになりました」という言葉をもらえることが一番嬉しい。アナウンサーという仕事を通して、誰かが考えたり動くきっかけを作れたら、すごくいいなと思います。
――最後に日々大切にしている考え方を教えてください。
吉田松陰が言っていた「狂え」という言葉が好きです。狂ったぐらいじゃないと、いい仕事はできないと思うんです。殻を破れない人が多いと思いますが、世間体を気にせず狂った方が面白いんじゃないかなと。狂っていると、人の悪口を言ったり揚げ足を取ったりする余裕もないと思うんです。そのほうが今を生きられて楽しいし、良いことしかないと私は思います。
波乱万丈な奥井さんの人生を通して感じたのは、チャンスはどこに転がっているかわからないということ。何事も挑戦ですね!
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