クビ、別居婚、産後うつ…困難を乗り越えてたどり着いた“私らしい”選択 アナウンサー・奥井奈々

NewsPicksのYouTubeでの進行役として広く知られる、アナウンサーの奥井奈々(おくい なな)さん。かつては自らを「ポンコツ」と称するほど仕事に苦手意識のあった奥井さんが、どのようにプロアナウンサーとなり、自分のメディアを立ち上げたのでしょうか? 三重県と東京都を行き来する二拠点生活についても詳しく聞いてみました。
【奥井奈々プロフィール】
年齢:32歳/職業:アナウンサー・インタビュアー/家族構成:夫、娘(3歳)
https://www.instagram.com/nana_okui/?hl=ja
https://x.com/nana_okui
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topics仕事ができな過ぎて研修中にクビに! 日雇いバイト掛け持ち生活
――奥井さんの現在のお仕事の内容を教えてください。
ひとつはフリーアナウンサーです。軸になっているのはレギュラーでMCを務める番組ですが、ほかにもイベントや講演会でお話ししています。もうひとつが自分の会社「株式会社WellNaviAI(ウェルナビアイ)」で、こちらはヘルスケアを取り扱っています。YouTubeでの発信や、ヘルスケア商品の販売をしています。
――肩書も「アナウンサー・インタビュアー」とのことなので、どちらかというとアナウンサーの仕事のほうがメインなのでしょうか。
そうですね。自分の収入のベースで言うと、アナウンサーのほうが大きいです。
――アナウンサーになるまでの経歴を教えてください。
私のことはNewsPicksのアナウンサーとして知ってくださった方が多いと思うのですが、新卒の頃はユニクロに入社して、大阪で販売員として働いていました。ところがこの仕事がなかなかハードで、体調を崩して辞めてしまったんです。その後ヨガやアーユルヴェーダに興味が湧き、スリランカに行ってアーユルヴェーダの資格を取って、帰国したらヨガ教室で教えようかなと考えていました。20代で体を壊した女子にありがちなパターンですよね(笑)。
そんなときにヘッドハンターを経由して東京のスタートアップ企業からお声がかかりました。マーケティングをやっている会社だったのですが、社長も社員も全員女性で、若い視点を求めているから「奈々ちゃんどう?」って。東京に住んでみたかったので「やるか」と決めて家も借りて転職したのですが、私があまりに仕事ができなくて研修期間でクビになってしまったんです。

どんなことをしたらクビに?「オフィスの鍵を閉め忘れて、開けっ放しで重要な書類を玄関に置いちゃうとか。使わなくなったバインダーなどを、メルカリに出してと言われて出品したら、顧客情報が写っていたとか。ポンコツでした」
――クビになってからはどうやって生活していたんですか?
日雇いバイトを掛け持ちしていました。Uber Eatsの配達員をしたり楽しくやっていましたが、月収10万円ということも全然ありましたね。この生活は1年くらい続きました。
そのバイトのひとつとして一度ギャラ飲みに参加したことがあるんですけど、それがアナウンサーになるきっかけになりました。ギャラ飲みで出会った経営者の方から、「NewsPicksっていうメディアが面白いよ」と教えてもらったんです。ホリエモンも好きだったのですが、彼も出ているメディアだと。その当時、2016年の時点では、記事サイトとYouTubeの両軸を運営している珍しいメディアで、私は特にYouTubeにハマりました。ある時YouTube番組でのアナウンサーを募集するという告知を見たので、ダメ元で応募したら合格した、という経緯です。