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life styleシンガポールと日本の二拠点生活のリアル
――シンガポールに住みながら日本での仕事もして、家族も増え、やらなければいけないことが増えているのではないかと思いますが、時間のやりくりはどのようにされているのでしょうか?
働き方を変えたことで、労働時間自体は減っているような気がします。20代の頃は金融業界ということもあり労働時間が長かったのですが、独立したり、会社での役職が上がったことで、自分で仕事のコントロールできる裁量を得られるようになり、時間の融通が利くようになりました。
それと、フルリモートワークであることが今の働き方を維持できるポイントでもあると思っています。もし毎朝どこかに出社して夜遅くに帰ってきてという働き方だったら、移動時間のロスもありますし、体力的にも大変だと思うんです。日中仕事をして、子どもたちが帰ってくる頃には家族の時間をとって、また子どもたちが寝た夜の時間や週末に仕事をするというように、フレキシブルに自分の時間を使うことができるので、とても働きやすいですね。

海外に出て驚いたことはありますか?「初めてシンガポールに住んだとき、現地採用で働いていたのですが、言葉の壁やカルチャーギャップを感じ、マイノリティーで働くことの大変さが身に沁みました。不自由な中でも自分で環境を切り拓いていこうというマインドを培うことができて、いい経験になりましたね」
――シンガポールと日本の二拠点生活では、どんなことが大変ですか?
夫婦ともに出張が多いので移動の疲れはありますし、生活費が高いのは大変ですね。特に子どもの学費だけで年間1,000万円くらいかかるので、日本とのギャップを感じます。その生活を維持するためにも、一定の所得が必要になってくるので、今のような働き方をしているという理由もありますね。
とはいえ、シンガポールは子育てには向いている面もあります。シンガポールではフルタイムメイドさんと暮らす人が多いので、家にメイドさんの部屋があったり、メイドエージェントがいたり、メイドさんを雇いやすい環境になっています。街中で子どもといても優しくしてくれる人が多く、みんなで育てていこうという感覚が強いのも居心地が良いですね。
――今後の展望を教えてください。
一般的な40歳くらいだと、仕事も働き盛りだし子育ても忙しく、その両立が大変な世代かと思うのですが、私は60歳とか100歳まで生きた場合に、老年期をどう生きようかというのが、最近は気になり始めています。20代の頃は自己成長のためにどこに身を置くかということに注力していて、30代では結婚、出産というライフイベントに目が向いていたし、40代になった今は、50代、60代になってこの先どんな働き方ができるんだろうということが気になっています。すでにその年代に差し掛かっている先輩からは、更年期がきて働くこと自体が大変だとか、体のコントロールができなくなってきたという話も聞くので、50代になったら今みたいな働き方ができなくなるかもしれない。ではどんな生き方をすればいいのかを、最近は考えています。
また、医療の発達で平均寿命も延びていくでしょうし、100歳まで生きたときにやりたいことがなかったら嫌だなとも思っていて。本質的な幸せって、お金を稼ぐことや良い家に住むことじゃなくて、周りの人とどうつながって、家庭や職場、友人などのコミュニティで自分がどう貢献していけるかで、幸福度が高まっていくのかなと思っています。なので、先月自分の趣味だった資産運用をテーマにして高所得者や海外在住者を対象にしたオンラインコミュニティを立ち上げました。(記事末尾にて紹介)
――最後に日々大切にしている考え方を教えてください。
「Never enough(ネバーイナフ)」。常に現状で満足せず、向上心や学習欲を追求していく姿勢を大切にしています。何をやっても満たされないというネガティブな見方ではなく、常により良きもの、新しい挑戦を追い求めていくという前向きな言葉として、モットーにしていますね。
小学生の頃から、働くことに憧れていたという斉木さん。仕事についてとても前向きに楽しそうに語る姿が印象的でした! これからの時代の新しい働き方として、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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