誰よりも働く経営者・梶千尋の未来予想図

誰よりも働く経営者・梶千尋の未来予想図

work styleモチベーション高く働ける理由とは?

――梶さんにも下積み時代はあったのでしょうか?

25歳で東京出てきて、そこからしばらくは1日3時間くらいしか寝てなかったですね。お客様に施術をするという1対1の仕事だったし、人が足りないからさらにそれを誰かに教えて人を増やしていくっていうこともやっていかなきゃいけなかったから。
そのときから全部自給自足でやるっていう癖がついてるんで、今も新しい事業を始めるときは、私と幹部の二人ぐらいで立ち上げて、軌道に乗ってきてから会社としての展開をしていくというやり方をしています。

――そんな大変なことを?

今取り組んでいるエクソソームの会社でも1から勉強して研究して、形にしてお金を稼ぐスキームまでを作っています。クリニックがオープンするときも、設計や一つ一つの家具選びや導線も全部自分が決めてやっています。下積みのときはとりあえず誰よりも働こうと思っていたのでそういう働き方をしていましたが、そう考えると今も下積みをしてるっていう感じですね。

――そんなに働き続けられるモチベーションはどういうところにあるんでしょう?

でも私の場合、自分でやっているので調整もできるじゃないですか。嫌なことをしないとか。そもそも嫌なことって、嫌だと思うから嫌なだけで、その概念を捨ててしまうと世の中にないはずなんですよ。だから自分がやってることに嫌なことがあるわけないっていう考え方。

――というと…?

例えば「友達と遊ぶ時間がないくらい仕事して我慢してるじゃん」って言われたとしても、そもそもそういう概念がないんです。仕事して結果を出すっていうことが一番の目的だから。その間にあることを嫌とも思わないんですよ。

インタビューに答える梶千尋さん。子どもができたタイミングから、現場の仕事より裏方の仕事がメインになったそう。

最近はスタッフの教育のためクリニックの現場に出ることもあるそう。「子どもができたタイミングから裏方の仕事のほうが多いです。ただ仕事量は変わってないですね」

それに私の場合、朝の9時から夜の9時まで12時間くらい仕事をするんですけど、会社のスタッフが家に出入りするんですね。でも私はずっと椅子に座ってるだけなので体力的には全然大丈夫じゃないですか。ご飯もUBERがあるし、Zoomなら映像を消せるからご飯食べながらでもできる。子どももお手伝いさんが世話していたとしても家でうろうろしてるのでコミュニケーションとれるし、学校に行ってるとき以外はずっと一緒にいられる。そういう自分にとって都合が良いと思える状況を自分で作ってるので、嫌と思うようなことはあんまりないかもしれないですね。

 

work style人事も財務もすべて見る。仕事が増える=武器が増える

事業の立ち上げだけじゃなく、従業員の相談を受けたり、うまくいっていない部署の立て直しをしたり、人事と査定を見たりとかもするし、財務も自分でやっています。もちろんチームもありますけど、全部やっています。「それだけのことを一人でやるって大丈夫?」って思われるかもしれないけど、わからないことがあるより把握してるほうがラクなんですよ。自分でやるからこそ、運転資金とか未来に入ってくるお金とか計算しながらやるには財務ってめちゃくちゃ大事。

――財務って特別な勉強が必要なイメージですがどうされているんですか?

勉強よりも経験が一番なので。税理士さんに疑問に思っていることを全部聞いていったら、それは自分にとっての家庭教師みたいなもの。それで3年もやれば大体のことがわかってくるし、そうなると新しい知識もすっと入ってくる。

VIPの方のトータルビューティープロデュースもする梶千尋さん。ご本人の肌の美しさ、細く洗練されたシルエットも美しかったです。

「メニュー1個作るにも、全部自分が作ったものだから、原価もわかってるし迷いもない」by梶さん

今はマーケティングをやっていて。最初は専門分野だからできないって思ってたんですけど、今は少しわかってきたかもっていう段階。わかるまでにあと1年くらいかな。今までは常にその時期の新しいものを取り扱っていたので、ここにしかないものだったからマーケティングがいらなかったんです。たまたまそれが尽きない人生だったのでうまくいっているんですけど、さらに一般的な集客の方法が身に付けばもっと大きくなる。
集客ができて、人材の教育と財務がしっかりしてたら、絶対に会社はつぶれないと思っています。安心な要素を自分で積み立てている。仕事もやることも増えていくんですけど、ひとつひとつ武器が増えていくっていう感じなので、ストレスが増えるわけじゃないんです。

――お仕事をする上でのこだわりはありますか?

従業員に求めることは、嘘をつかないこと。何かあっても謝れば改善すると思うんですけど、隠したり嘘ついちゃったりすると成長できないじゃないですか。仕事はみんなでやっていくことで、言ってみれば第二の家族みたいなもの。だから嘘をつくっていう関係性は絶対避けますね。

――自分自身に課しているルールはありますか?

私は全然だらしないんであんまり自分にはルールをつけられないんですけど、ただひとつ「だれよりも働く」っていうのはあります。それに関しては、誰にも文句言われないですね。うちの会社で誰が一番働いてるかってなったら、間違いなく全員私って言うと思います。

――今後の課題はありますか?

今年の課題なんですけど、計画性をもって何かをするっていうところがまだまだ弱くて。リマインドがなかったら予定を忘れてしまうような人なんですよ。計画を持って生産性をあげる、っていうのをやっていきたいですね。
例えば7時間寝るって決めてたら、今は子どもの世話とかもあるんで、今までだらだらやっていたところをキュッてしないといけない。しっかりと自分を戒めて、ちゃんとスケジュール通りやるっていうのが課題ですね。自分で決められる時間の質を上げるっていう。

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