「宝塚退団後の人生のほうが長い」芸能人材のセカンドキャリアを後押しする 株式会社Que seran pasaran代表・白川裕子(瞳ゆゆ)

「宝塚退団後の人生のほうが長い」芸能人材のセカンドキャリアを後押しする 株式会社Que seran pasaran代表・白川裕子(瞳ゆゆ)

turning point一般的なエージェントにはない芸能特化の良さ

――ご自身の仕事の原点になっていることはありますか?

やはり宝塚かなと思います。宝塚で努力の仕方や継続の仕方を学ぶことができました。芸能や芸事って、一日休むだけで自分のパフォーマンスが明らかに下がるし、それが周りにも伝わると言われているんですよね。なので凡事徹底、継続は力なり、という姿勢が身に付いたと思います。また、役を研究したり深堀した経験も、ビジネスに役立っているなと思います。

――転機になった出来事をあげるとしたら。

最初にセカンドキャリア支援をしたOGが某ラグジュアリーブランドの販売職に就いたのですが、そのときに人事の方に「芸能人材は誰に相談するかで人生が大きく変わる」と言われたことが印象に残っています。一般的な人材紹介企業にいらっしゃるキャリアアドバイザーさんは営業成績を求めて数をこなすことを良しとする人もいるのに対し、私のように舞台経験があって完全に芸能に特化している人が支援してくれるということは、本当に良いことだと言っていただきました。

宝塚OGの良いところは、自分に足りないものは何かを考えて、それをできるようにするためにすぐに行動に移すところ。そして、周りがよく見えるので、周りが働きやすいように小さなことでも率先して動くことができるところ。人事の方から「(そのOGが)職場にいると、良いチームワークが生まれている」と言われたのは嬉しかったですね。

セカンドキャリア支援では、白川さんが一人一人丁寧に面談をするそう。「納得いく企業に入ると本人も頑張れるので、企業選びや職種選びから何度も面談を重ねます。1月に就職した子は、同期と比べて良い成績を上げ、4月に昇給したという事例も」

――ちなみに、白川さん自身は、就職を考えたことは?

なかったです。もともと実家が歯医者だったこともあって、企業に就職するというイメージを持っていなかったんですね。自分で何かをやるほうが、性に合っていると思っていました。

――芸能も起業も、売上が不安定になることがあると思うのですが、実際にピンチだったことはありますか?

オンラインスクールはコロナ禍ですごく伸びたのですが、コロナが落ち着くとともに生徒が少なくなってしまい、そのときはピンチかなと思いました。私自身経営者としてのノウハウも持っていなかったので、そのときは人に相談することを意識してやっていましたね。もともとは一人で考える性格なのですが、小さなことでも人に相談するようにして乗り切ってきました。

――仕事をする上でのこだわりやマイルールはありますか?

しっかり相手の話を聞くことです。後悔がないように転職してほしいし、自分のキャリアを歩んでほしいので。よく話を聞いて、押し付けないことを意識しています。もちろん基本的な面接テクニックのようなものはお伝えしますが、あくまでその人の言葉を引き出すということを大切にしています。

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