ロールモデルのない世界で営業マンから叩き上げで代表へ INEST株式会社代表・小泉まり

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life style育児もキャリアも諦めたくない女性に真似できる要素を

――先ほども、女性としての幸せを掴みたいというお話がありましたが、実際に結婚や出産を意識し始めたタイミングは?

私は5人兄弟の大家族で育ちまして、子どもの頃からサザエさんみたいな一家が憧れだったんです。「きっと二十歳くらいで結婚するんだろう」とぼんやり思っていたのですが、仕事を始めて気が付けば30歳になって。「あれ?」と思って動き始めて、31歳のときに交際4か月でスピード婚をしました。

――現在はお子さんも二人いらっしゃいますが、産後はどのような働き方をしていますか?

私の場合は夜に会食が入ることもあるので、一人目のときは必ず夕方だけちょっと時間を空けてお迎えに行って、一通り準備をしてまた出ていくという生活をしていました。こういう理想があって、その通りに全部自分でやりたいと思っていたので。でもそれではもう回らないということも経験したので、今は夫と自分の母にお願いしてサポートしてもらっています。

育児と仕事を両立するのであれば、絶対に一人でやろうとしないことが重要だと思っています。日本ではまだまだ、アウトソーシングを使うことは「ラクをしている」「サボっている」と思ってしまう人も多いと思うのですが、育児を一人でやろうとするよりも、家族やたくさんのプロの力を借りて、まずは自分の心に余裕を持たせることが、両立を叶える一番大事なことだと思います。

「仕事も好きだし、でも子どもとの時間も目いっぱい取りたいし、全部やろうというのが我が家のルール。自分らしく生きていく上ではそれが大事な気がしています」

――では、二人目の出産のときは周りの手もたくさん借りて。

そうですね。それと二人目を産んだ後は、社員に向けてもっと発信できるような育児をしたいと思って、あえていろいろなサービスを試してみました。例えばベビーシッターも100人くらい自分で探していろんなタイプの人にお願いしてみたり、区役所のサービスを利用してみたり。そうでないと、どんなことが大変で、何が精神的なハードルになるかはわからないと思ったんです。

結局全部が自分と合うロールモデルはたぶん見つからないと思うのですが、「この人のこの部分はちょっと真似できるかも」と思えるような情報がもっとあったらいいんじゃないかなと思います。同じ社内だけで見つけようとすると行き詰っちゃうけれど、世の中にはいろんな方法で頑張っている方がいます。先ほどもお伝えしましたが、私もそういうロールモデルの一人になれたらいいなということは、子どもを産んでからより強く思うようになりました。

――理想とするワークライフバランスはありますか?

日本半分、海外半分みたいな生活には憧れますね。本当は英語を勉強してみたかったのですが、これまでは自分への投資の時間が確保できなかったので、今後は学びの時間を増やしたいと思っています。それと、子どもがやりたいということは親として絶対に支援してあげたいので、叶えてあげられるような柔軟な働き方をしたいということも考えています。

――今後の展望を教えてください。

INESTというグループに入ってちょうど一年くらいですが、上場企業である以上たくさんの株主様がいらっしゃるので、会社の価値を5年以内に上げていくことが直近の目標です。それを実現し、一緒に頑張ってくれている仲間に成功体験を積ませてあげるかということが今の目標です。そういった責任を果たしながらも、個人としては40代に入るので、ここからの10年で仕事以外の枠でも社会に向けて自分を発信できるよう、チャレンジしていきたいです。

――最後に日々大切にしている考え方を教えてください。

「過去と未来は変えられる」という言葉が好きです。「過去は変えられないけど、未来は変えられる」というのがセオリーだと思いますが、もちろん過去に起きた出来事は変えられませんが、捉え方や考え方は今この瞬間にもいくらでも変えられると思うんです。そして未来も選択一つでよりよくできる。楽しかったことだけが人生にとって良いわけじゃなくて、「こんなネタはもう作れないぞ」というような出来事ほど、のちに価値になると思っています。

それと、「二兎追うものだけが二兎を得る」。これも普通は「二兎追うものは一兎をも得ず」だと思いますが、さっきの育児と仕事のこともそうですが、なにかを諦めた人生が嫌なんです。得たいものは全部欲張りに全力で追わないと得られない。私はキャリアも諦めたくなかったし、結婚も諦めたくなかったし、子どももほしかったし、「そんなの無理だよ」と言われることもありましたが、できると信じていました。性格的にも、できないと言われるほど燃えるんですよね。絶対にやってやるという気持ちでやったら、高い壁も無事に乗り越えられているので、これを座右の銘ということで。

 

洗練された見た目と、熱気あふれるお話が良い意味でギャップのあった小泉さん。起業以外でのキャリアの作り方について参考になる部分も多かったはず!

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