27歳で美容鍼灸と出会い、人生を生き直した 銀座ハリッチ代表・川辺なお

27歳で美容鍼灸と出会い、人生を生き直した 銀座ハリッチ代表・川辺なお

turning point好き放題生きてきた27年間…生き直すきっかけ

――ご自身のビジネスの原点となるような出来事を教えてください。

三つあります。一つめが、私自身がひとり親の裕福ではない家庭で育ったこと。貧しかったからこそ、一人でも生きていけるような人間になりたいと子どもの頃から思っていましたし、女性がちゃんと活躍できて、自分の力で食べていけるような会社にしたいと思っています。もう一つが、要領がすごく悪くて、何もうまくいった経験がなく、コンプレックスの塊だったこと。落ちこぼれ代表だったので、自分に誇れるような生き方や仕事をしたいと思っていました。なので今は働いてくださる皆さんにもちゃんと自信を持たせてあげたいと思っています。三つめが、10年間不眠と自律神経失調症と肌荒れで悩んでいたこと。パニック障害もありました。先ほども申し上げましたが、それらの悩みが鍼で治ったことが、今の事業を始めるきっかけです。この三つが今の事業の軸になっていますね。

――先ほども鍼灸の治療を受けて好転したというお話がありましたが、そんなにうまくいくものなんでしょうか? 川辺さん自身それとは別に努力されたりしたことはありましたか?

それで言うと、やっぱり鍼灸の治療によるところが大きいんですよ。10年も不眠症が続くと疲れが抜けないし、成功してる人を見ると腹が立ったり妬んだりしてしまうんです。でも鍼を受けると不眠の症状が良くなるので、よく眠れて頭が働くようになるし、体力が回復できるし、肌も元気になって見た目が変わって自信が出てくるんです。仕事のパフォーマンスも上がる。体調が良くなることで、パワーがみなぎって、体調も体質も考え方もすべて変わりましたね。

「資生堂時代には、美白を売っているのに日サロに行って黒くなったりとか、生活リズムも悪くて遅刻したり休んだり。自分勝手な生き方をしてきたツケが回ってきたのが20代後半でした」

もうひとつ、自分自身の意識が変化した出来事があって。27歳くらいのとき、私財布に1,000円しかないような人生だったんです。定職にもついてないし、勉強もしてこなかったし、キャリアもなければ結婚もしていない。いざ就職しようと思っても選択肢がなくて、自分が好き放題にやってきた生き方を後悔していました。ちょうどそのタイミングで鍼灸に出会って、人のためになる仕事をしたい、できれば美容関係で自分に誇れる仕事をして死にたいと思ったんです。もう一回、改めてちゃんと人生を生きようと。人に迷惑をかけてきた人生なので、人をちゃんと助けてあげられるような、自分のことを好きになれるような生き方がしたいと思って、生き方も仕事に対する向き合い方もすべて変えました。

――川辺さんにとっては転機が重なった時期だったんですね。

そのときにこんな出来事もあって。中目黒で同級生5人と5,000円するフレンチのランチを食べに行ったんですけど、大企業の管理職になっていたり、お金持ちの人と結婚したり、みんなキャリアも家庭もあってすごく楽しそうなんです。私はそのときなけなしの5,000円しかなくて、乾杯となったらプラス1,000円でシャンパンとか飲むんですけど、私はお金がなくて頼めなくて。でもお金ないなんて恥ずかしくて言えないじゃないですか。そのときに、これは自分が人生をちゃんと生きてこなかったからだなと思ったことも、生き直すきっかけになりましたね。

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