副業インタビューvol.015 鯉淵沙織(会社経営)~副業で成功後、予約が殺到する人気ピラティススタジオの経営者に

副業インタビューvol.015 鯉淵沙織(会社経営)~副業で成功後、予約が殺到する人気ピラティススタジオの経営者に

副業を活用して自分らしい働き方を実現した女性をピックアップ。今回は、会社員時代にピラティスのインストラクターを副業として始め、現在は経営者としてピラティススタジオの運営をはじめ、人材教育や店舗ビジネスのコンサルティングなどにも携わる鯉淵沙織さんに話を伺いました。

【鯉淵沙織さんプロフィール】
年齢:33歳/職業:会社経営(株式会社ALO 代表取締役)/家族構成:夫・息子(0歳)
insta @saoripilates_

interview証券会社の営業職時代、体調不良を感じてピラティスを開始

――これまでの経歴と、現在の仕事について教えてください。

大学卒業後は大手証券会社に営業職として就職し、飛び込み営業も経験するなどハードな日々を過ごしました。その後、人材サービス企業に転職し、新規事業開発を担当してビジネスの立ち上げを一から学びました。そして会社勤めをする一方で、退勤後や週末を利用し、副業としてピラティスのインストラクターを始めましたが、これが独立のきっかけになりました。

なお現在は、ピラティススタジオの「ALO studio」を運営しながら、人材教育や店舗ビジネスのコンサルティングも行っています。

コンサルティングの仕事では、新しい店舗を立ち上げる方から、「どうやって集客すればいいか」「どのくらいの目標売上や利益が現実的か」「採用はどこから始めればいいか」などといった相談を受け、サポートしていますね。

――ALO studioの特徴について教えてください。

最大の特徴は、「完全プライベートレッスンで、インストラクターがその方に合わせた細やかな指導ができる」ということでしょうか。

内装に過度なコストをかけず、その分サービスの質を高めることに注力してきた結果、おかげさまでお客様のリピート率が高く、2023年2月にオープンした三田本店はオープンから4か月で満席になり、2024年8月にオープンした麻布台店もオープン半年足らずでほぼ満席になりました。2025年3月には3店舗目をオープンいたします。

――会社員時代、副業としてピラティスのインストラクターの仕事を始めたきっかけは何ですか?

そもそもピラティスを始めたきっかけは、証券会社で営業をしていた頃に体調不良を感じていたためですが、始めてすぐにその良さを実感し、魅力にはまりました。

そして趣味としてピラティスを続ける中で、インストラクターの資格を取得したのですが、ピラティスのおかげで心身ともに元気になれた私自身の経験から「もっと多くの方にピラティスの良さを知ってもらいたい」という思いが芽生え、副業として始めることになりました。

会社員の仕事では数字やノルマなどに追われて辛いと感じることもありましたが、ピラティスのレッスンでは目の前のお客様を幸せにでき、笑顔にできていることがダイレクトに分かり、楽しかったですね。

interview初期投資をできるだけ抑えたことが、黒字に繋がった

――副業を始めるにあたって、どんなことをしましたか?またお金はどのくらい必要でしたか?

まずは「どうやって集客するか」について考えましたが、当時勤務していた会社では副業があまり歓迎されていなかったこともあり、大々的に広告を出すことができませんでした。そこでインスタグラムを地道に使って無料モニターを募り、口コミを広げてもらうことに専念しました。

また副業を始めるにあたっては、あまりお金をかけていません。場所もスタジオを借りたわけではなく、既存の施設を時間貸ししてもらう形だったので、月5〜6万円くらいで抑えられたんです。

その後独立して本格的に自分のスタジオを持つとなったときは、もちろん物件の契約やマシンの購入費用などが発生しましたが、内装についても、床や壁は自分で張り替えるなど、できることは全て自分で行いました。スタッフには、内装屋さんと呼ばれています(笑)。集客も大きな広告費用はかけず、SNS、口コミなどで広げていき、徹底して初期投資を抑えてオープンしました。

――会社員時代、Wワークをしていた時期のタイムスケジュールについて教えてください。

本業の勤務時間は平日の9:30〜18:30で、19:00〜20:00まで残業をすることもありました。ただ週に3回ほどは必ず定時で切り上げる日を決め、19:30頃からピラティスのレッスンを2コマ入れていました。また土日も、朝から晩までレッスンを希望されるお客様が入れば、途切れなくやる日もありました。

この頃休みはほぼなく体力的にはタフでしたが、ピラティスの副業がとても楽しかったので、毎日充実感がありましたね。

――本業と副業の両立にあたって、工夫していたことはありますか?

会社にいる時間は会社の業務にのみ集中し、副業に関する連絡やSNSのチェックは一切しないルールを自分に課していました。その逆に、退社後や休日は副業のレッスンや集客に専念し、会社の連絡はよほど緊急でない限り対応しないようにしていました。

同時並行で複数のことを進めると、どちらも中途半端になってしまうタイプだと自覚していたので、オンとオフをはっきり切り替えることで、本業も副業も手を抜かずに両立できたのだと思います。

結果として本業の会社員としても、辞める前の1年間の成績が過去一番良かったですし、やることを明確にして集中することで、本業・副業ともに結果がついてきましたね。

interview独立し、収入は会社員時代の2.5倍に

――副業を始めて良かったことについて教えてください。

最も良かったのは、副業ではどんなサービスを提供するか、誰と仕事をするかといった意思決定をすべて自分で自由にできるということですね。ただ、会社員としての安定収入があったからこそ、好きなようにチャレンジできたとも思っています。

また、直接お客様から「体が変わった」「楽になった」「今日、疲れていたけど、やっぱり来て良かった」などと感謝の声をいただけるのも嬉しかったですし、やりがいを感じられました。

――一方で、大変だったことは何でしょうか?

本業と副業の両立による体力的な負担と、時間管理の難しさでしょうか。本業でしっかり成果を出し、副業も手を抜かずクオリティを保つとなると、かなりハードなスケジュールにならざるを得ません。
また当時私が勤務していた企業は公式には副業OKではなかったため、その点も何かと気を使いましたね。

――当時、副業と本業の収入の割合はどのくらいでしたか?

副業を始めたばかりの頃の副業収入は本当に少なくて、本業が9割、副業は1割程度でした。ただ、副業を続けるうちにリピーターが増え、最後の1年くらいは週末フル稼働+平日夜3回ほどレッスンを行い、本業と同じぐらい稼げるようになりましたね。ちなみに現在の収入は、会社員時代に比べて2.5倍ほどになりました。

収入をアップすることが目的ではなかったことも、うまくいったひとつの要因だと思います。収入を優先していなかったので、常に顧客目線、サービスクオリティ目線で考えることができました。その結果リピートが増え、退会がほぼない状態で現在も経営できています。

今後も「自分が儲けたい」という気持ちよりも、会社の利益を上げて事業とスタッフへ還元することを第一に考えて、クオリティの向上を追及していきたいです。

interview「レッスンしないと収入が得られない」働き方を改善したい

――独立のきっかけについて教えてください。

副業でピラティスを続けていく中でリピートしてくださるお客様も順調に増え、「これ一本でもやっていけるかもしれない」と思えるようになったんです。
また、ちょうど30歳を迎える頃に妊娠や出産について考え始め、「会社員のままで、本当に自分の望む働き方ができるのか」と疑問を持ちました。ライフステージの変化を機にキャリアを断念する女性を多く見てきた、というのも大きかったですね。

そして、副業で培ったノウハウとお客様との信頼関係があったおかげで、独立の決断をすることができました。

――ご自身が考える、副業が成功し独立につながったコツやポイントは何でしょうか?

「考えすぎず、とりあえず行動してみたこと」だと思います。事前に調べたり計画を立てたりするのは大事ですが、やりたい副業のビジョンがあるなら、まずは動いてみたほうがいいと感じます。私の場合は「SNSを試しにやってみる」「モニターを募集してみる」といった小さな行動の積み重ねから口コミが広がっていきました。

――最後に、これからの目標や、理想とするライフスタイルについて教えてください。

フィットネス業界によくみられる「レッスンしないと収入が得られない」という働き方を改善し、妊娠・出産・育児などでライフステージが変わっても、安心して働き続けられる環境を整えていきたいですね。

現在ALO studioに所属しているインストラクターは20代後半から40代前半の女性で、結婚や妊娠を視野に入れている女性も多いです。彼女たちがキャリアを諦めずに働けるよう、今後はより経営側の仕事にシフトし、仕組みづくりやサポートに注力していきたいと考えています。

またライフスタイルの面では子どもがもうすぐ1歳になり、これから成長の変化がますます大きくなる時期なので、家族との時間もより大切にしたいですね。
会社員のままでいると、規則や時間に縛られてしまうと思ったからこそ、副業をきっかけに独立することができました。自由に働くことができるという今のスタイルを活かした子育てがしたいと思っています。そしていずれは、自分の体と頭があればなんでもできるということを、子どもにも伝えていきたいです。

 

多くの女性が憧れる「好きを仕事にする」だけではなく、利益をきちんと出し経営面でも成功している鯉淵さん。「初期投資をできるだけ抑えたことが、黒字に繋がった」と語っていたのが印象的でした。

副業に興味がある方は、この記事を参考に、ぜひできることから始めてみてくださいね♪

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