毎朝4時半起床、アプリ制作が起業につながった 株式会社Simplee代表・諏訪実奈未

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work style出産を経験し何度も悔しい思い…自己成長を諦めたくない

――先ほど、学生の頃にも事業をされていたという話がありましたが、こちらはどんなことを?

女性の感性を活かしたマーケティングをやっていました。大学1年生のときにミスコンに出たことがあるのですが、ミスコンに出る=あまり頭がよくない、というような偏見があると感じて。世間的にも女性は育児をするものというイメージがありましたし、そういった女性に対するイメージを払拭し、もっと女性の意見を尊重してほしいと思い、事業を始めました。

――卒業後そのまま事業を続けるという選択はなかったのでしょうか?

自分で事業をやっていると自己流になってしまうと感じたので、一度社会に出て大企業がどんな動きをしているのかを見たかったんです。人によっては自己流のやり方が向いている場合もあるかもしれませんが、もっと視座が高いところから会社や社会の流れを見てみたくなったので就職を決めました。

――そもそも、起業したいということはいつ頃から考えていたのでしょう。

起業はあくまで手段だと思っていて、目的にしたことはないんですよね。イメージとしては活動している延長線上に起業があるような感じです。世の中的に「起業」というものにフォーカスが当たりがちですが、手段のひとつであり結果に過ぎないので、「起業したい」という意識を持っていたことはなくて。活動が事業になり、その結果起業していました。

学生の頃に海外留学した経験も、起業に繋がったそう。「世の中にペインポイントがあったら、それをどのように解消するかという教育に触れる機会が多かったので、学生のときから当たり前にこういった思考が身に着いていました」

――転機になった出来事をひとつ挙げるとしたら、どんな出来事でしょう?

やっぱり妊娠出産ですかね。特に出産も早かったのでやりたい勉強ができないとか、行きたいところがあっても行けないという猛烈に悔しい経験が原動力になって動き始めたので。子どもがいる中でも少しでもスキルアップしたいという思いを悶々と抱えながら過ごす日々が今の私に繋がっています。

――先ほどから「自己成長」「スキルアップ」という前向きな言葉が多く出てくるのですが、モチベーションの源は?

自分の中ではやりたいからやる、つい動いてしまうという感じなのであまり考えたことはないかもしれません。水は流れているからイキイキしていて止まってしまうと腐るというじゃないですか。私にとって「水が流れている」という状態は、自己成長をしていることなんですよね。何もしないで本を読むより、何かに挑戦しながら本を読むほうが本一つとっても有意義であったりします。

また私の場合は、出産したときにコロナが流行っていてステイホームになり、家で家族と籠りきりで社会との接点がなかなか持てず、今まで働けていたのは本当に幸せなことなんだなと再確認したんですよね。学べること自体が幸せだし、忙しいことも幸せで、恵まれていると思うんです。育児ができることもありがたいことですけど、社会と当たり前に接点を持って活動できていたことも同じようにありがたいなと思うので、成長し続けたいんです。

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