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work style25歳で一社目を起業、出産を経てライフワークに取り組む
――鈴木さんは株式会社NEWSTAが二社目の起業とのこと。そもそも最初はどのようなきっかけで起業することになったのでしょう?
一社目を起業したのは25歳のときだったのですが、その頃は女性のライフスタイルにすごく興味があって。当時はコロナ禍前だったので、リモートワークも普及していませんでしたし、フレックスの会社も多くなかったんですが、私は仕事も好きですし、でも家庭も築きたいと思っていたので、自分らしいワークライフバランスを自分で開拓してきたんですね。
ある程度自分の生活に満足できて先も見えてきたときに、「いろんな人にお世話になったし、どうせなら社会に還元していこう」と思い、「もっと私らしく」というビジョンをもった株式会社ismを作りました。
――株式会社ismはどんな事業を行う会社だったのですか?
WebマーケティングやメディアなどPR関連の事業、女性専用のコワーキングスペースの運営などをしていました。女性メンバーを中心にした50名ぐらいの組織で、フルリモートフレックスという形態でしたね。ismは28歳のときにPR Timesに売却し、その後はPR Timesにプロダクト本部という新しい部署を立ち上げて本部長を務めていました。
――ものすごくキラキラした経歴に見えるのですが、それを手放して二社目を起業したのはなぜですか?
先ほども息子に疾患があるというお話をしましたが、息子が生まれた時期に夫のお母さんががんになりまして。どちらも先がわからない状態に加えて仕事もかなり忙しく、ポジション的にもしっかり成果を出す必要があって、自分のマインドをコントロールするのが難しいなと感じていたんです。義母はそのあと亡くなってしまったのでその状態は長くは続かなかったのですが、この体制で働き続ける難しさを感じ、ライフスタイルを見直すために退職をしました。
――では、退職したときはまだ起業する予定もなく?
そうですね。自分にできる仕事をして、家庭のことを考えていこうかとも考えていました。でも仕事って、人生の中で結構な時間を使うじゃないですか。フルタイムで働くとしたら1日8時間自分の人生を使っているんですよね。そう考えると、同じ8時間を使うならパフォーマンスの高いことをやるべきだと思って。
――パフォーマンス?
たとえば、8時間かけてまあまあの味のカレーとめっちゃ美味しいカレーが作れるとしたら、誰でもめっちゃ美味しいカレーを選ぶと思うんです。それと同じように、仕事も自分が本当に力を注げることをしっかり手を抜かずにやりたい。そこで自分がやるべきことは何だろうと考えたときに、疾患・障がい児家族の当事者として、日本の子育ての課題に取り組みたいという思いが最も大きかったので、この事業で起業しました。
――準備期間はどのくらいあったのでしょうか?
実は前の会社を辞めて2022年の11月に登記は済ませていたのですが、2023年4月に娘を出産していて。実際に立ち上げたのは9月で、ファミケア自体はちょうど運営して1年というところです。