元キャバ嬢社長、母になる! 誰も知らなかった愛沢えみりの妊娠出産物語

元キャバ嬢社長、母になる! 誰も知らなかった愛沢えみりの妊娠出産物語

chapter2ホルモンバランスでメンタルが崩れ…「消えたい」とまで思った妊娠中

――では凍結していた受精卵を戻したタイミングで妊婦生活がスタート。妊娠したことで、仕事に影響は出ましたか?

やっぱり病院に通う時間を作らなきゃいけないっていうのは大変でした。往復時間をいれたら3、4時間はかかるので。小さいことだけど、今まではそういう時間も全部仕事に充てられていたから、時間をとられるのがすごく不安でしたね。会社も10年目という節目の時期だから忙しくて、妊娠して嬉しいんだけど早く仕事に戻らなきゃっていう気持ちとで、本当に感情のジェットコースター。

そのあたりから心がついていかなくて、頑張りたいんだけど前ほど頑張れない自分にすごく葛藤しました。働きたいのにうまく仕事のモチベーションが保てなくて自分のことが嫌になるし、なんでそうなるのかもわからない。私は幸い悪阻がなかったんですけど、その分、「体調が悪いわけでもないのになんでこんなふうになっちゃったんだろう」って自分で自分を責めちゃうことが続きました。今思えばホルモンバランスが崩れていたんだと思います。そんな状態が妊娠5カ月目くらいから産むまでずっと続いていました。

――その時に心の支えにしていたようなことはありましたか?

妊娠したことは何人かにしか伝えてなかったんですけど、ここす(=親友の川真田紘子さん)の言葉で、「産んだら大丈夫」っていう。「しょうがないよ、みんなそうだよ。ホルモンバランスがおかしくなってるから当たり前だよ」って言ってもらえたのは本当に救われました。だからずっと連絡してた(笑)。相談する相手によっては「休みなよ」っていう反応が返ってくることもあると思うんだけど、私は休みたいわけじゃないし仕事をしたかったから。同じ境遇で理解してくれるのがピンポイントでここすでしたね。妊娠の経験はないけどひびこ(=一条響さん)も仕事したいっていう気持ちを理解してくれて、「体に気を付けて仕事頑張ってください」って言ってくれたのが嬉しかった。

ここすさんとのツーショット。なんと出産前日!

公表したらきっと「休んでください」って言われると思ったんです。でもそれは私が求める言葉じゃなかった。そういうところは世間とはちょっとズレてるなって自分でもわかってたし、だからなおさら言えなかったんです。それを受け入れられるまでの余裕は、あの時期にはなかったので。

――愛沢さんは比較的メンタルが安定してるイメージがあったんですが、それほど不安定だったんですね。

あんなに欲しかった子どもを妊娠したのに「死にたい」「本当に消えたい」とまで考えてしまって、「ホルモンって人をそこまでさせる?」って思いましたね。これまではそんな経験がなかったから、「頑張りたいのに頑張れないんです」とか「死にたいです」っていう人の気持ちって、今思えば全然わかってなかったんだと思います。

私にとっての妊娠期間は、そういう精神的につらいこととか人の弱さや痛みを経験するための10ヶ月だったんだと思う。必要なタイミングで必要な壁が来ると思うから、娘に会う前に人の痛みや弱さがわかるようになれたというのはすごく大きいと思います。改めて、自分に足りないことはそこだったんだな、と。

――そういった大変な時期にも働き続けるために工夫していたことはありますか?

私は妊婦っていうことを言わないことで、それまで通りの自分を保っていました。この方法は良くないと思うし、全然参考にならないっていう前提で聞いてほしいんですけど。さっきも言ったように、仕事をしたくてもできていないということで自分を責めてしまって、それだけならまだ受け入れられるけど、まわりの人が心配してくれる気持ちを受け入れるまでの余裕がそのときにはなかったんです。「大丈夫?」って心配されちゃうと、自分がどうしていいか分かんなくなっちゃう。この新しい命を大切にすることと、仕事をどうこなすかで精いっぱいでした。

逆に、会社に来るっていうことで、すごくメンタルが整えられました。いつもの仲間がいて、妊娠のことは知らないから同じように接してくれて、いい意味で気を遣ってくれないっていうのが、私にとっては気持ちが楽で。会社が休みの土日はメンタルを整えるのが大変でうつ状態でした。

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