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turning point「10秒に1個売れた」ドリーミーブラが生まれた理由
――それでは、マクニッシュさんにとって転機になった出来事はありますか?
個人的な転機でいうと、いろんな国に住んでいたので、文化の壁を越えるたびに毎回人生がすごく変わったなとは感じています。10歳で日本からカナダに引っ越したことで、英語が喋れるという自分にとっての大きな財産ができたりとか。去年マレーシアから日本に帰ってきたときもそうで、マレーシアでの事業は大変でしたが、そこからいきなり事業展開が増えたし、私にチャレンジ精神があると信じてくれてできた仲間や、応援してくれる方も増えたので、本当に国を越えるたびに人生が変わっている気がします。
AMATERASにとっての大きな転機はコロナ禍。AMATERASはナイトウェアブランドということもあって、コロナ禍でパジャマの需要がいきなり増えたときにインフルエンサーさんたちが家で着てくれて、たくさん投稿してくれたんですね。日本だけでなく海外セレブの方たちからも同じように家でのコンテンツが欲しいという需要が増えて、海外のスタイリストさんから連絡いただいて、Rihannaが着てくれたりして。海外の方たちが着てくれることで日本人のお客さんがまた増えたりと、マイナスな状況をプラスに捉えて変えられたきっかけでした。
――AMATERASはスタートからずっとナイトウェアに特化していたんですか?
そうです。サテンのパジャマやローブをメインで出していて。
――どうして最初にナイトウェアを作ろうと思ったのですか? アパレルというと外に着ていく服を作ろうと考える人が多いように思うのですが…。
それも私があまりビジネスを考えられていなかったがゆえに生まれたアイディアなんです。売上のことを考えたら、洋服として外に着ていけるものを出した方が売上は上がると思いますし、そもそも日本にはパジャマを着る文化がほとんどない。でもブランドのコンセプトを考えてAMATERASという名前にした時に思い浮かんだのが、太陽の神様の神々しいイメージで、サテンとかシルクを使ったものだなっていうのが自分の中ですごくしっくりきて。
ヨーロッパではお花を渡すような感覚でナイトウェアをプレゼントしたり、街中に日本でいうコンビニくらいたくさんのランジェリー屋さんやパジャマ屋さんがあるんです。だから外に着ていく洋服よりも、ちょっと和柄が入ったサテンのパジャマやローブのほうが絶対に海外で売れるという考えで、日本の需要を全く考えずにデザインしていました。でも日本ではその文化がないっていうことに途中で気づいて、ドリーミーブラという商品が生まれました。
――そのドリーミーブラ、販売開始時に「10秒に1個売れた」と言われるくらい好調だったと聞きました。
日本の女性が求めているものは何だろうと考えて、コロナ禍の時期に日本人女性の悩みをめちゃくちゃ調べたんです。理由は何十個もあるんですけど、日本人のボディコンプレックスのある部位の一位が胸なんですね。その悩みをなるべく解決できるようなアイテムとして作りました。
その当時日本ではナイトブラがすごく流行っていて、一方で海外ではセレブたちがコルセットを好んで着ていて。そういった海外と日本のトレンドをうまく合体できた。世の中にプッシュアップブラはいくらでもあるんですけど、ノンワイヤーでナイトブラ感覚でも着れるし、なおかつデザイン性があってトップスとしても着れるっていう、この1枚だけですごくお得感があるところが人気なのかなと思います。こういった、女性に自信が出るようなアイテムに「シェイプウェア・コンフィデンスウェア」というタイトルをつけて、今後日本のお客さんに対して展開していこうと思っています。