AMATERAS CEO・佐藤マクニッシュ怜子 失敗をプラスに変える切り替え力の身に着け方

AMATERAS CEO・佐藤マクニッシュ怜子 失敗をプラスに変える切り替え力の身に着け方

work style失敗をプラスに変えるマインドの切り替え方

――会社員として就職する働き方と、起業する働き方って、当時のマクニッシュさんの中ではどんな違いがあると感じていましたか?

会社が大きければ大きいほど年功序列で、社内で地位を上げることに時間がかかるし、自分の本当のスキルで戦うのは難しいと感じていて、そういう部分が面白くなさそうだと感じたのだと思います。起業したりフリーランスのように自分で何かをやったほうが、上がりも下がりも大きいじゃないですか。それに性格的にも言われたことをこなすより、チャレンジすることが好き。会社に就職して学べることもたくさんあるとは思いましたが、何か違うなと当時は思っていました。

――起業して5年以上経った今は、どんな違いがあると感じますか?

今は責任の重さが違うなと思います。AMATERASの社員の子たちってほとんど女性なんですけど、例えば彼女たちが結婚して子どもを産んだりしたら、その分もケアできるようにならなきゃいけない。彼女たちの人生を背負っているという責任を強く感じます。自分の夢や成績を突き進んでいるだけじゃだめだ、という意識は強いです。会社員に責任がないというわけではなく、会社員=責任感、経営者=責任なのかなと思っています。

「起業当時はどこまで自分のモチベーションを上げられるかの勝負だと思っていたけど、人が増えるとメンバーにどこまでの責任感を求めるか、人によってキャパシティって本当に違うので、どこまでなら押し付けにならないかが難しい。毎日が学びです」

――今の働き方の基礎になっているような経験ってありますか?

切り替えをするということが経営する上ですごく大事だなと思っていて。生まれたときから波乱万丈な人生だったから、うまく切り替えをしてこないと潰れてただろうなという生き方をしてきたことが今役立っていると思います。

――どんな生い立ちなのでしょう。

10歳の時に親が離婚して、その後にお母さんがカナダ人と再婚していきなりカナダ人の親戚が100人くらい増えたりして。その状況が嫌で日本に帰ってきて、でも実のお父さんともうまく生活できなくて、いろんな国を行ったり来たり…、最終的に17歳くらいのときから日本に一人で住んでいます。当時はいろんな感情があったと思うんですけど、それでも常に前を向けていたのは切り替える力があったから。立ち上がれるかどうかは自分次第なんだって子どもながらに思っていて、毎回このままじゃ絶対だめになるから立ち上がろうって自分に言い聞かせていたんですよね。その考え方やマインドが今も生きてるのかなって最近考えていたところでした。

去年はマレーシアで事業を立ち上げ、うまくいっていた矢先に会社を取られてしまうという失態があったんですけど、それももう切り替えて前に進んでいます。「よくそんなにすぐ立ち直れたね」って言われることもあるんですが、前に進もうとすれば失敗もプラスに変わっていくし、応援してくれる人も増える。自分の捉え方や考え方で可能性って広げていけるものだと思います。

――切り替えがうまくできない人に向けて、切り替えるコツがあれば教えていただきたいです。

多分、自分を大切にすることが重要な気がしていて。自分のためにちゃんと生きたいと思えば、切り替えられないということはないと思うんですね。「これはダメなんだろうな」と気付きながら、切り替えられない、抜け出せないっていうのは自分のことを大事にできていない証拠。もっと自分と向き合ってみると答えが出るんじゃないかと思います。

意外と自分と向き合うことをしない人が多いと思うんですよね。自分は何が好きで何が得意で、誰が大切で、何を大切にしたくて、何に向かってて、人生で何をしたいんだろうということをもっと広く先まで考えてみると、今やっていることが間違っているとか、この人といてもダメだなとか、今を見直せるんじゃないかと思います。

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