YouTube「令和の虎CHANNEL」でも鋭い視点と志願者の思いを引き出すことで存在感を残す、ホワイトニング業界の女帝・セナ社長。開業から3年間で店舗数日本一に登りつめた営業力の源は? ビジネスを成功させる秘訣は? インタビューでお伺いしました!
【セナ社長プロフィール】
年齢:33歳/職業:ecxia株式会社代表取締役/家族構成:夫、子ども、猫
instagram @sena_ecxia
X @ecxia_sena
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topics学生時代から仕事にハマるも突然の倒産!
――まず、ecxia株式会社の事業内容を簡単に教えていただけますか?
月額1万円で通い放題のセルフホワイトニングのサロンを全国展開しています。オープン前の店舗も含めて145店舗。主にフランチャイズ展開で規模拡大しています。
――セナ社長が起業に至るまでのきっかけは?
ホワイトニングの事業は今4年目なんですけど、最初に起業したのは25歳のときなんですよ。学生時代から美容の商材の営業をする会社に入って、その会社が潰れてやることがなくなっちゃったところからスタートでした。
――え、いきなり潰れたんですか?
だんだん衰退してきてたんですけど、女性ってひとつのものを信じたら妄信的になるじゃないですか。頑張って最後までついていこうみたいな。私もそういうタイプだったんでね。結構ブラックな企業でしたよ(笑)。
――そのときってまだ20代ですか?
22、3歳とかですね。いきなり会社が潰れて志半ばだったから、そのときの社員10人くらいで起業しようというふうに。
もともと勤めていた会社が「美容こそ内面を磨きましょう」っていうことを掲げてて、美容のほかにスクール事業をやってたんですよね。エステサロンは箱(店舗)やマシーンも必要だから厳しいけど、スクール事業は講師さえいればお金なくてもできるよねっていうところで、スクール事業で起業しました。
――これがエクシアの前身になってるんですか?
当時のスクール事業に関わっていた人がエクシアの中心メンバーにもいるので、繋がってる部分はあるんですけど、直接は関係ないですね。
私一度結婚してるんですね。結婚相手が大阪の大きな会社の三代目だったんですけど、自分自身ずっと安定しない生活を送ってたので正直疲れていたのもあって。それで大阪の方に引っ越すことになったので、自分のお客さんは引き継いで会社から離れたんですよ。
――大阪に引っ越してからはどんな仕事をしてたんですか?
人事の役員みたいな感じだったんですけど、本当につまんなくて。ただそのときに人生を変える転機があって。当時の夫との間に子どもがいたんですけど、病気で亡くなっちゃったんですね。なんでこんな悪夢みたいなことが起きるんだって正直思いました。子どもは大きくなるのが当たり前だと思ってたんで。でもこの苦しみや出来事っていうのは、自分にとって何か意味があることなんだなって考えて、そのときに子どもや女性にとってより優しい社会にしていかないと駄目だなって思いました。
business chance利益だけで140万円!ホワイトニング事業に本腰を入れる
娘の死を機にもう1回働かなきゃ、何かしなきゃと思って、亡くなってから1ヶ月で夫の会社で働き始めたんですけど、うまくいかなかった。その会社は前時代的なところがあって、男尊女卑だし、既得権益で守られてる業界だったから価格競争もない。適当でも稼げる世界だったんですよ。だから従業員が死んだ魚の目をしてた。私は何とか変えたいと思ったんですけど、それは駄目でしたね。変えられないし、夫と一緒に仕事すると私も強く言っちゃうし、それで相手の自尊心も傷つけたりしちゃうしで、離婚しました。大阪にいたのは家族がいたからっていう理由だったんで、別れてから東京に戻ったんです。昔の仲間たちもいるからね。
――そこでようやく今のエクシアにつながるんですね。どうしてホワイトニングサロンに目を付けたのでしょう?
ホワイトニングに目をつけたというよりまずは美容をやろうと思いました。美容は通うお客様が今の自分よりも良くなりたいという想いがあるから自分に投資をするという商材です。そんな前向きなお客様をたくさん集めていくことができれば面白いことができるんじゃないかなと思い、人が集まりやすくなるように月額1万円で通い放題のホワイトニングサロンと脱毛サロンを2020年6月に始めました。1万円じゃ利益出ないと思うけど、人が集まればその先何か繋げられるでしょみたいな。オープンから半年が経ち、脱毛事業はマンション一室で月に60万円利益が出たのに対して、ホワイトニング事業の方はマンションの一室で利益が月140万円出たんですよね。利益でそれだけ出るんだったら、10店舗持ってたら1400万円の利益じゃん、なかなか美味しいんじゃないっていうことで、ホワイトニング事業を拡大しようという方向性で決まりました。
私は美容のプロじゃないけど、私の周りは美容に詳しい子が多くて、ホワイトニングをもうだいぶ前からやってた子が結構いたから、正直2020年でホワイトニングっていうのは流行らないんじゃないかって思ってたんですよね。
――当たった要因というのはなんだったのでしょう?
これは想定していなかったんですけど、まず世間の印象ほどホワイトニングの普及率が低かったんです。脱毛だともうやり終わったよという方が多いのに対して、ホワイトニングは興味はあるけどやったことないという方がとても多かったんですね。「とりあえずやってみたい」ぐらいの気持ちの方が多い中で、よそだと2、3万円するので「今はいいや」と思う方も、1万円通い放題だったら「やってみようかな」っていう気持ちになったのかなと。エクシアの価格が当時の市場価格に見合っていたのだと思います。消費者の皆さんはネイルとかまつエクと同じ感覚でホワイトニングを見てると思うんですよ。
――なんとなくその感覚わかります。エクシアではなぜ月1万円という低価格でサービスを提供できているんですか?
なぜホワイトニングが今まで高かったかというと、使用する機材や溶剤の、メーカーの卸金額が高いんです。だから初期費用も上がるし、ランニングコストも上がるので、提供価格も上がる。ならば自分たちがメーカーになれば利益も上がるし、今より安く卸す仕組みができたらフランチャイズ加盟店も儲かるんじゃないかっていうことで、2021年に機材、溶剤の自社開発をしました。これにより、お客様も月額1万円で通えるし、その上でお店もしっかりと利益を出すことができるようになりました。ただ一気に何千万って投資したんで、マジでお金なかったですね。2カ月分の月商をつっこんじゃった。「これ個人口座?」みたいな状態でした(笑)。