DINETTE代表・尾﨑美紀 「女性経営者はどうせ続かない」を覆すロールモデルを目指して

DINETTE代表・尾﨑美紀 「女性経営者はどうせ続かない」を覆すロールモデルを目指して

今活躍している若手経営者の一人で、2代目バチェロレッテを務めたことでも注目を集めた尾﨑美紀(おざき みき)さんにインタビュー! 大学卒業とともに起業し華やかな経歴を持つように見える尾﨑さんですが、その経営者ヒストリーにはたくさんの困難が。女性経営者ならではの苦悩にも注目です。

【尾﨑美紀プロフィール】
年齢:30歳/職業:DINETTE株式会社代表取締役/家族構成:独身
instagram @mikiozaki_

topics大手広告代理店の内定を蹴って好きなことで起業!

――DINETTE株式会社で展開しているサービスや商品について教えてください。

最初は2017年に美容メディアの「DINÉTTE(ディネット)」をスタートして、2019年からコスメブランドのPHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)、最近ではフェムケアブランドのLUMERE BEAUTY(ルメールビューティー)と3つのサービスを展開しています。

――フィービーといえばまつ毛美容液が有名ですよね。

一番最初に出したのがまつ毛美容液ですね。スキンケア、メーキャップにも展開していて、トータルビューティーブランドを目指しています。

こちらがフィービービューティーアップの商品の一部。(左)スキンケアアイテム。一番左が最初に出したまつ毛美容液・アイラッシュセラム。(右)メーキャップアイテムは現在マルチグリッター、マスカラなどを展開。

――フェムケアブランドを始めたきっかけは?

会社のミッション、ビジョンが「女性が自分らしく輝くのを応援する」なんですが、フィービーがフェイスの悩みをカバーするものだとしたら、女性ってボディーの悩みも尽きないと思うので、それを解決できて、さらに自分のことを好きになれるようなことにも取り組みたいなと思って、フェムケア系のブランドを出しました。

――体の悩みならボディクリームやスクラブのような商品で展開していく可能性もあったのではと思うのですが、あえてフェムケアに目をつけたのはなぜだったのでしょう?

お客様の悩みを拾っているときに、ホルモンバランスの変化に伴う自分自身にしかわからないデリケートな部分の悩みがすごく多かったんですね。まつ毛美容液では、「妊娠出産を経験してまつ毛がスカスカになってしまったけど、まつ毛美容液を使ってまたメイクが楽しくなりました」というご意見をいただいたり、製品を使って自分に自信を取り戻せたと言ってくれる方が多くて。なので、どこを解決したら女性が一番ポジティブに過ごせるかと考えて、フェムケアに注目しました。

――創業までの経緯をお伺いしたいのですが、尾﨑さんは就職せずに起業したそうですね。

大学4年生のときに就活をして、ベンチャーから大手まで何社か受けてみたんですが、ベンチャーの会社の社長さんと話したときに、自分の好きなことや強みを生かして事業を伸ばしている生き方や、人を巻き込む力にすごく刺激を受けて。

一方で、大手広告代理店に内定をもらうことはできたんですけど、OBOG訪問で会社の先輩と話してみると、何歳でどういう仕事をしてどのくらいの年収になるかっていうことが容易に想像できたんです。どうせやってみるんだったらベンチャーの社長さんのような生き方がしてみたいなと思って、卒業式までに登記をして今7期目です。

――「起業したい」という気持ち自体はいつ頃から芽生えたんでしょう?

その内定先の代理店に行くかどうかを考えたときからです。もともと芸能活動をやったりもしていて、そもそもOLになるかどうかも迷っていたり、いろんな進路を考えてみたんですけど、そのときに起業という選択肢に出会いました。

 

work styleポジティブな言葉をかけてもらえなくても自分を信じる

――過去のインスタの投稿を拝見して、「周りの人の不安を覆すぐらい結果を出しまくる」ことを大事にしてきたという表現があったのですが、尾﨑さんにとって“結果“とはどんな定義ですか?

私の場合、人脈も経験も何もなかったところから始めたので、起業した初期って「どうせ続かないだろう」とか、「どうせ女性は出産結婚とかがあったらすぐ辞めちゃうから、遊びで起業するもんじゃないよ」とか、私はそんなつもりじゃないのによく言われたりしていたんです。自分でも見た目が派手な方だと自覚をしてるので、「自分で経営をしてないんじゃないか」と思われたりすることも残念ながら多くて。それってめちゃくちゃ悔しいじゃないですか。なので、そういうのを全部覆すつもりで、数字ももちろんそうだし、「この人がやってるなら」って経営者として認められるようになるっていうことに、すごく重きを置いていました。

――そういう結果を出すために心掛けていることは、具体的にありますか?

続けることと諦めないこと。7年間、地獄みたいに大変なこともありましたけど、辞めたら終わり。努力も全部無駄になっちゃうし、評価もされないまま終わって、自分自身も悔しいままだと思うので。

――自分にとって下積みになっているような経験はありますか?

起業した1、 2年目の、誰からも注目もされず、粛々と頑張るみたいな時期ですね。同世代でも自分より早く起業してる人たちって、その頃にはもうある程度結果が出てたりして、ベンチャー経営者として取り上げられたりもして。事業を立ち上げたばかりの自分から見たら、すごく遠い存在に見えていました。

――ほかの経営者の方を意識されたりすることもあるんですね。

今は全くしないですけど、最初の2、3年くらいはしてました。まだ何者にもなれてない感じがするし、自分に結果も自信もないし、立ち上げたばかりって不安の方が大きいじゃないですか。なので、とにかく人と比べて落ち込んだりすることが多かったですね。

参考にしている経営者はいますか?「最近だと海外のコスメブランドIt Cosmeticsの社長の方が出された本を読んで、共感する部分が多かったです。最初は誰もがみんな失敗してきたんだなとも思ったし、自分もこうなれるように頑張ろうって思いました」

――どうやってその時期を乗り越えたんですか?

他人にポジティブな言葉をかけてもらえなくても、とにかく自分自身を信じて頑張るっていうことだけですかね。自分を信じて続けて、ちょっとずつでも結果を出せるようになると、例えば年商1億超えられたとか、5億10億超えられたとか、Forbesに選ばれたとか、やってきたことが何か結果として見えるようになってくる。そうやって積み重ねてきたことのおかげで今があると思うと、自分を信じて続けてきたことが全部基盤になってるのかなと思います。

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