起業家・坂梨亜里咲―成功の鍵は“対等”な関係値 メデリピルにかける思い

起業家・坂梨亜里咲―成功の鍵は“対等”な関係値 メデリピルにかける思い

turning pointお客様だから偉いもサービス提供者だから偉いもない

――坂梨さんの体験の中で、あえてひとつ転機をあげるとしたらどんな体験でしょうか?

ZOZOTOWNの創業者である前澤友作さんからご出資いただいたことです。彼が株主として入ってから、私のやりたいことがすごくクリアになったし、サービスがうまく市場に合って回り始めたなと感じます。

――前澤さんとの出会いはいつ頃ですか?

前澤さんが10人の起業家に10億円ずつ出資するという企画があって、それに応募をしたんですね。そこから選考期間を経て、2020年の9月から毎月のように前澤さんに壁打ちさせていただきました。

――それってプレゼンみたいなことをするんでしょうか?

そうですね。プレゼンの中で質問をいただいて、自分が答えきれなかったことやもっと深めたほうがいいことを持ち帰って宿題として仕上げて、またプレゼンしてっていうのを繰り返して。その中で3、4個くらいビジネスモデルが生まれて、最終的にメデリピルからのスタートになりました。だから最初は会社の主軸事業がメデリピルになるとは思っていなかったんです。

mederi株式会社のオフィスで談笑する坂梨亜里咲さん

前澤さんはどんな方ですか?「出資していただいてから3年経ったところなんですけど、理不尽だったり上から物を言ってると思ったことは一度もない。対等にお話してくださる方。資料と発表する人の目を見て、話し終わるまで話を遮らない」

――mederi株式会社は今後上場を目指しているそうですね。

起業した頃は上場もM&Aも何も考えていませんでした。不妊治療でこんなに悲しんできた私だったら、社会を変えられるっていう謎の自信で起業していたんですよね。前澤さんが株主として入ってくださって、お話させていただく中で、昨年ぐらいから「上場してみたいな」っていう思いがふつふつとわいてきて。

なぜかというと、私たちがやってる領域って、社会的にシェアをとっていかねばならないと思っていて。自分の日々の健康を意識するっていうのは、QOL高く毎日を過ごすためにも必要なことだと思うんですよね。「こういう選択肢があるんだよ」っていうことを多くの方々に知ってもらうためにも、上場は必要だと思ってます。特に我々の会社は医療DXなんですけど、だからこそいろんな重要人物を巻き込んでいかないと、サービスの発展や継続って難しい。ある程度影響力を与えられる会社に成長するためにも、上場というひとつの地点を通過しなきゃなって思ってますね。

――お仕事をする上でこだわりや譲れないことはなんですか?

人を大切に、関係者を大切にする。関与してくれてるユーザーさんと、提携医療機関、その先の医師、あとは製薬会社さん、それに従業員。メデリにまつわる関係者を対等な目線で大切にするっていうことを心掛けています。ユーザーさんに誤解を与えたり不快にさせるような表現や体験があったら、全力で謝罪をして直ちに改修するっていうのは常に意識してますね。

――先ほどから何度も出てくる「対等」という言葉。坂梨さんの中で大事なキーワードなんですね。

たしかに。そもそも私のポリシーとして、自分が悪いことをしたら謝るし、相手が良いことをしてくれたら感謝する。逆に私も相手にとって良いことをしたなら感謝されたいし、悪いことされたならごめんなさいって言ってほしいって思ってる。上司だから偉いとか、社歴が長いから偉いとか、そういうのはないと思ってて。お客様だから偉いとか、サービス提供者だから上から言っていいというのもない。みんなが対等な関係値であるのがすごく心地いいんだと思います。

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