「まずはやってみる」星野有紀の経営に役立つギャルマインド

「まずはやってみる」星野有紀の経営に役立つギャルマインド

今年で創設18年目を迎えた女子大生サークル「L’Allure(ラリュール)」の生みの親・星野有紀(ほしの ゆうき)さん。現在もプロデューサーとしてサークルに携わりながら、さまざまな新規事業の立ち上げを経験。星野さんの推進力の源を探りました。

【星野有紀プロフィール】
年齢:35歳/職業:経営者(株式会社Angel Flag代表取締役)/家族構成:既婚
instagram @yuukitake

topicsないなら作る!入学式翌日にサークル立ち上げ

 ――星野さんがプロデューサーをつとめる女子大生サークル「L’Allure(ラリュール)」。これはどういう団体なんですか?

今年で18年目になるんですけど、女子大生だけのサークルです。歴代1,000人くらいは卒業してて、毎年新入生が入ってきて80~100人くらいが所属しています。

――女子大生なら誰でも入れるんですか?

女子大生であれば誰でも入れます。毎週ミーティングがあるので、最低でも月1はミーティングに顔を出すなど、ちょっとしたルールはありますが、審査などはありません。

こちらはラリュール2023年新入生歓迎会の様子。星野さんもプロデューサーとしてミーティングに参加し指導もするそう。「代表などの幹部も現役女子大生。幹部メンバー6~8人が中心となって運営しています」右下の写真、一番左が星野さん。

サークルは、チームで担当がそれぞれ分かれていて、企画チームは企業のマーケティングや商品開発をしていて、タピオカ屋さんとコラボしたり、カラコンのプロモーションを手伝ったり、最近では浅草にあるスイーツ屋さんとコラボメニューを開発中です。過去にはサンスター文具さんとのコラボでPLAZA×バービーのグッズの立ち上げのマーケティングのお手伝いをしたこともあります。

ほかにも「chéri」というブランドをやっているチームがあって、アクセサリーとかエコバックを自分たちで作って販売したり。SNSチームは、ラリュールのSNSを更新したり、企業向けの広告動画の作成や、企業SNSアカウントの運用なども行ったりしています。

――活動の幅が広い。

サークルって言ってもただ遊ぶだけじゃなくて、イベントの運営や企業様とのコラボも多く、お仕事もしているので、どちらかというと学生団体に近いのかもです。でも「女子大生サークルのほうが可愛くない?」みたいなところで、サークルと言っています(笑)。

――そもそもサークルを立ち上げた経緯は?

私が清泉女子大っていう女子大に在学していたのですが、入学したときに入りたいって思うサークルがなかったんです。東大とテニスとか、社交ダンスとか、あまり興味がわかなくて。そんな話を友達にしたら「自分で作っちゃえば?」って言われて。その当時、ギャルサーやイベサーが流行っていたので、「たしかに、作ってみちゃう?」みたいな軽いノリで始まりました。

――最初は何人から始まったんでしょう?

最初は8人とか10人とかだと思います。まずは入学式の時に後ろの席にいた子に、入学式の翌日に「サークル一緒に作らない?」って声をかけました。そこから周りのかわいい子に声かけて、サークルが誕生しました!(笑)

――すごい行動力。

ギャルマインド入ってたからですね、失敗しても失うものは何もないと思っていたので、不安や怖いものなど何もなかったです(笑)。

 

turning pointサークルが大きくなり必要に迫られ起業!

――実際にサークルを立ち上げてからはどんな活動をしていたのでしょう?

最初の頃はギャルサーが流行ってた時代だったので、週末に昼間のクラブを貸し切ってイベントをやるのが流行っていて。それで私たちもクラブを貸し切ってファッションショーをやったりして1,000人くらい呼んでいました。

そんな中、これ以上イベントだけで人を増やすのは難しいなと思って、次は自分たちでメディアを持とう!と、女子大生サークル合同でフリーペーパー「VENUS」を創刊して10万部発行して。そうやってメディアをやり始めると、印刷費のために広告を入れなきゃいけない。その営業をしていく中で今度は「ただ純広告で入れるんじゃなくて、どうしたら女子大生に売れると思う? マーケティングや商品開発に興味ない?」ってお話を企業さんからいただくことが増えていきました。

女子大生サークル合同で作成していたフリーペーパー「VENUS」の初代編集長が星野さん。ほかにもBSフジで番組を担当し、企画・構成・出演までを女子大生22人でプロデュースしたことも。

だんだん活動の幅が広くなってきて、ただのサークルだと大きな会社さんと取引ができないから、会社が必要になってきたんです。だから、私は21歳で起業してるんですけど(現在代表取締役を務める株式会社Angel Flag)、起業したくて作ったっていうよりは、法人の口座が必要になったから。サークルじゃできないことが多かったので会社を作ったっていう流れでした。

――じゃあ起業した前後でやってることはそんなに変わらない?

変わらないですね。

――星野さん自身は大学を卒業したあとはどういう道をたどってるんですか?

一応就活はしてみたんですけど、あんまり会社に入るっていうイメージは自分にもなかったので、そのまま起業した会社をやってました。新規事業の立ち上げで声をかけていただくことが多くて、私の会社が業務委託で入って、そこにサークルのメンバーや周りでフリーでやってる子とチームを作るみたいな働き方が多いです。社員を入れるよりもプロジェクトごとにメンバーを構成する方が身軽に動けますし、自分には合っているなと感じます。

――起業したときに不安だったことはありますか?

一番最初は自立して本当に稼げるのかなっていう不安はありました。単発のPR案件を受けるだけだと長期的に見て安定しにくいということもあって、プロジェクトごとに半年や1年などまとまった期間で受けられる業務委託で仕事を受けることが増えてから、だんだんと不安はなくなっていきました。むしろ起業することの不安よりも、これまで学生でフリーで好きな仕事を受けられていたのに、会社に入ったらそれが出来なくなる、自由度がなくなることのほうが不安でした。

 

work style仕事を逃さないコツはスピードと探求心

――新規事業に取り組んだりサークルを立ち上げたり、星野さんのアグレッシブな姿勢は持って生まれたものなんでしょうか?

毎年新入生が入ってくるので、新歓やミーティングのときは緊張してしゃべれない新入生を私たちが盛り上げなきゃいけないっていうのを何度も経験して、サークルをやっていく中で自然と身に付きました。

――すごくコミュニケーション力が鍛えられる。

めちゃくちゃ鍛えられます。それが今も生きてるなと思いますし、実際サークルを卒業したOGの子がPR系のお仕事や広告代理店に就職したりすることも多いです。サークルって会社やバイトと違って、お給料は発生しないけど毎週ミーティングに参加して、仕事のようなことをしなきゃいけない。じゃあそこでついてきてもらうにはどうしたらいいのかって考えると、やっぱりコミュニケーションだったり、メンバーのモチベをいかに上げてあげるか。それは18年間気を付けているところなので、その力はすごくついたと思いますし、仕事に生きてるなって感じます。

――自分が年齢を重ねていって、現役の大学生メンバーと話がかみ合わないということはないのでしょうか?

こっちが相手に対して「若いね」って言葉にしたり線を引いちゃうと、そこでギャップができてしまうと思うので、常に相手と同じ目線や感覚で会話をするように意識しています。あと私が関わってるのは、常に18~22歳の女子大生なので、自分は年を重ねてはいますが相手の年齢は毎年変わらないんですよ。毎年、3年生が卒業して新入生が入ってという繰り返しで世代は変わっていきますが、グラデーションで変わっていくので、あまりギャップは感じていないです。

「女子大生サークルというのが肩書きになって、何者でもないのにいろんな人に面白がってもらえて。加藤ミリヤさんに会いたくて新曲リリースのタイミングで声をかけたらイベントに出演していただけたり。そういう普段会えない人に会えたのも楽しかったしやりがいでした」by星野さん

――星野さんのお仕事ルールがあれば教えてください!

まず、LINEのレスは即レス。キャスティングの依頼とかもくるんですけど、そういうのはほかの方にも投げてると思いますので、誰よりも早く返すのを意識してます。
それと、とことん突き詰める。何か事業をやるときは、そのことについてすごい調べます。サロンやるならサロン、ロリータならロリータ、みたいな。
あと、仕事で「忙しい」って言わないっていうのも気を付けてます。忙しいって言ってる相手に新しく仕事振りにくくないですか? だから自分では絶対言わないようにしておこうって。

PRやSNSまわりのお仕事が多いので、いつもトレンドをキャッチしてる人のほうがお仕事お願いしたいかなと思うので、トレンドにはいち早く乗っかるっていうことも意識してます。何事も先行者利益みたいなものがあると思っているので、新しく出たものをとにかく誰よりも早く試してみる。すぐ行動がモットーです!

 

life style何事もやるなら一日でも早く

――星野さんのプライベートは?

友達とカフェ行ったりとか、買い物したりとか。今は韓国にハマっているので、韓国に行ったらやりたい皮膚管理や美容とか、行きたいカフェとかをひたすら調べてます。一度何か気になるとすっごい調べるんですよ。オタクなんです、たぶん。

――じゃあそういう韓国関連のことでもビジネスやりたいと思っていたり?

これまでも基本的に好きなことが仕事になってるんですよね。最近だと友人とオンラインサロンでSNSを教えるスクールを始めたり、フェイシャルメインの美容サロンを開業したり。普段から息吸うようにSNS見ていて情報を収集しているので、好きだからこそとことん向き合えるし、好きの延長で仕事をしたいと思っている。むしろ、こんなに好きだしこんなに調べたんだから、何かビジネスにつなげたいって常に思っちゃうんです。

長年サークルを見てきて、入ってくる女子大生に変化は?「最初はメディアに出ることへの憧れが強くて顔出し当たり前だったのが、この10年くらいは顔を隠して裏方のサポートで活躍したいというメンバーが増えてきました。インスタが流行ってマインドが変わってきた」

――星野さんからはすごく明るい雰囲気を感じるんですが、元気が出ないときってありますか?

疲れると元気が出なくなっちゃう。だから朝ビタミンCとったり夜甘酒飲んだり、サプリとか酵素で元気をチャージしてます。あと週末はサウナに行ったり。都内だとおしゃれな銭湯もあるし、そういうところに行って疲れをとってリフレッシュしています。余裕なかったり疲れていたりするとイライラしちゃうので。

――この先どうなっていきたいという理想はありますか?

仕事に関しては、私自身の会社、オンラインサロン、エステサロンももっといろんな方に知っていただけたらいいなと思いつつ、事業拡大できたらなと。あとはサークルを卒業したメンバーが、社会人になって活躍しているのを聞くのが嬉しいしやりがいなので、サークル在籍中に経験値を増やしてあげられたらいいなと思っています。

知り合いの企業さんとかにメンバーを紹介したときに、「ラリュールのメンバーは礼儀がちゃんとしてるね」「ビジネスセンスあるね」って言っていただけるような子をもっと増やしたいなって。そうするとまたサークルにお仕事を振ってくれたりする。だからいろんなところでメンバーが活躍してほしいなって思います。OGがラリュールにお仕事を依頼してくれたりすることもあるので、そういうのも嬉しいです。

――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。

「限界を決めない」。常に現状に満足しないで上を目指していきたいので、自分の中の限界を作らないようにしています。例えば運動だったら、あと10分走るのがゴール=限界だと思ってしまったら、そこまでしか頑張れないじゃないですか。これ以上はキャパオーバーだと思っちゃうとそうなっちゃうので、あえて自分の中のキャパを決めずにできる限り可能性を広げていきたいなと思っています。

あと私、他の人より不安とか心配っていう感情が少ないのかも。もちろん不安や心配がないわけじゃないんですけど、まず行動してみればいいじゃんって。いろいろ考えて心配になってやらないより、行動して修正していけばいいじゃんって思うタイプです。新しい事業を思いついたら、誰かに先を越される前に今すぐにやったほうがいいじゃんって。何事もやるなら一日でも早いほうがいいじゃんというマインドでいつもいます。

 

見た目からは想像もできないほどのパワフルなエネルギーが溢れ出していた星野さん。ギャルマインドは強し! 新規事業に生かせそうなお仕事ルールもありがとうございました!

■インタビューで出てきた星野さんの会社の情報はこちら!

株式会社Angel Flag
https://angelflag.jp

美容サロン HAIVE
https://www.instagram.com/haive_beautysalon/

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