フリーランスで生きる モデル・りーまるの仕事術

フリーランスで生きる モデル・りーまるの仕事術

事務所に所属せず、フリーランスでモデルをしているりーまるさんにインタビュー。2019年には画像素材サイト『PIXTA』のモデルオファー回数で1位になるなど、フリー素材の画像でよく見かけるあの人としても話題に。2023年の今のお仕事事情やお仕事心得、ライフスタイルについてお伺いしました。

【りーまるプロフィール】
年齢:32歳/職業:フリーランスモデル/家族構成:夫
instagram @riii_maru162cm

topics撮影データをインスタにアップしたら導かれた!

――りーまるさんのお仕事を教えてください。

今はフリーランスでモデルをしながら、タレントをやっています。一番多いのが広告で、例えば電車の中で流れてくるCMとかの撮影ですね。タレント業としてはリポーターの仕事もしていて、地方に行ってその土地のおいしいものを紹介したりとか。

――2019年にはPIXTAのモデルオファー回数が1位だったというのを見たんですが、モデルのお仕事としてはその時期が一番多かったのでしょうか?

仕事の回数は変わらないんですけど、内容が変わってきましたね。私はいつも楽しいことを仕事にしたいと思ってて、どんどん自分の幅を広げていきたいんですよね。ベースはモデルとして広告やCMをメインに活動しつつ、もともと旅が好きだったのでリポーターの仕事も増やしていて。年々仕事の質が変わってきています。

この日は取材の前に、別媒体の着物の撮影があったそう。「年齢とともに役柄も変わってきていて、最近はママ役やスキンケアの広告が多くなったり。その時々求められる役柄にあわせてブラッシュアップしていきたい」

――モデルになるまでは何をしていたんですか?

学校を卒業してJTBの海外事業部に入って、そこには5年くらい。大きい会社だったので、もっと自分のやりたいように仕事をしてみたいなってモヤモヤしていたのもあって、結婚を機に会社は辞めました。そのあとはしばらく失業手当をもらいながら、もともと好きだった化粧品関係のパートをしたり。

――モデルを始めたきっかけは?

学生のときにサロモ(=サロンモデル)をしていたので、パートをしながら再開したんです。それで撮影データをインスタにあげてたら、広告会社の人が見つけてくれて、そっちの道に進んだという感じです。「どうしてもモデルをやりたい!」って思っていたというよりは導いてもらって。楽しそうだなって思うと、「やってみます!」ってすぐそっちに向かうタイプなんですよね。

――フリーランスで活動するにあたって、不安はありませんでしたか?

最初はなりゆきでやっていたのでそんなに不安はなかったんですけど、経験を重ねるにつれて気をつけなきゃって思うことは増えましたね。大きな仕事をいただいたり、「りーまるさんで」っていうオファーが増えてきて、自分の替わりは絶対にいない仕事だっていう責任感が常にあって。私の替わりに違う人を送りますっていうのができない仕事なので。だから体調管理もスケジュール管理も絶対ミスできないです。楽しい分、責任感はすごく感じてます。

 

turning point会社員経験があるからこそクライアントの気持ちがわかる

――社会人として転機になった出来事は?

やっぱりインスタを始めたことだと思います。サロモを再開したときに美容師さんに「インスタ持ってる?」って聞かれることが増えたので始めました。最初は撮影データを載っけていたら第一バズりで。第二バズりが、自分のキメ顔に飽きてきて本気の変顔を載っけたらいきなりフォロワー数が増えて。第三バズりがTikTokがバズったのがきっかけでした。

――なんでバズったんでしょう?

なんで伸びたか自分でもわからないんです(笑)。変顔は、当時のインスタで流行っていた白枠をつけてキレイに並べるみたいなのに疲れてきて、一個だけ変顔を載せたのが目立っていたっていう感じだったのかな。TikTokもそれまでメイクのやり方とかコンテンツとして面白いものを頑張って作ってたんですけど、ただ音もなくホームホワイトニングをしてるだけの動画がバズりました。

――実際にバズってから仕事は増えましたか?

モデルの仕事が直接的に増えるっていうよりは、インスタを見てもらって信頼を得て仕事につながるという部分が大きいです。なのでインスタには、自然な姿や撮影データを載せて、撮影したイメージがわかるようにしています。フォロワー数に伴って増えたのはインスタグラマーの仕事ですね。私自身嘘がつけない性格なので商品のPRは向かないこともあるんですが、すごく気に入ったりするとバッチリ合ったりもします。

クライアントがりーまるさんに任せたいと思う理由は?「よく言われるのは、自然な表情ができる人がほしかったっていうこと。ガハハって笑える人っているようでいないらしくて、そこをよく褒めてもらえます」

――仕事をする上で気を付けていることはありますか?

事前のメールから始まってると思ってて、お互い不明点がある段階で現場入りするようなことは絶対にしないようにしています。条件を全部提示して、お互いに納得した上で現場入りするっていうのが大前提。メールで残すことが私を守ることにつながるから、絶対に文面で残して口約束はしないようにしています。

――それは最初から意識していたのでしょうか?

経験を経てです。フリーランスあるあるなんですけど、騙されたりとかギャラが入金されないとかもあったし。サロモのときは美容師さんが来ないこともあったんですよ。そういうのって「ごめんごめん」で許せることじゃないと思うので、会社員時代の経験を活かして、絶対に書面で残すっていうのを徹底するようになりました。

――lumily編集部がこの取材をお願いするにあたって、りーまるさんレスがすごく早いので驚きました。その辺も意識されてますか?

レスポンスの早さは自分の中でめちゃめちゃ意識してます! それも会社員を経験して、企業側の人にとっては早いほうがいいだろうっていうのをわかっているので。何かあったらすぐに報告っていうのは徹底してます。スマホのホーム画面に「レスポンス早く」って入れてるぐらい(笑)。

 

work style今後増えていくフリーランス〇〇

――すごく下品な話で申し訳ないんですが、フリーランスのモデルって儲かるんでしょうか?

私は事務所に入ったことがないから比べられないんですけど、フリーランスの場合は仕事があるときはあるしないときはない、ある人はあるしない人はない、だから儲かる人は儲かるし仕事が0な人は0な世界だと思うんですよね。あと安定はしてない。私は旦那さんがいるからこの働き方を選んでいるけど、もともとは安定主義。一定の安定がないと不安なので、旦那さんがいなかったらできなかったろうなって思います。

――モデルという職業は、続けていけば稼ぎが上がっていくものなんでしょうか?

私自身は上げていってるつもりではあるんですけど、下がるときも来ると思っています。なぜかというと、その人にとってのピークの時代と落ちる時代ってあると思うんです。人によって違うと思うんですけど、合わない、使いづらい、中途半端になる時期がある。でも自分の替わりはどんどん出てくるし、コツコツ頑張ってどうにかなるということでもない。だから違う仕事もやっていきたいっていうのがあって、タレント業とか手広くやっていこうっていうのは常に思っていますね。

――モデルをいつまで続けたいとか、今後どうなりたいという理想はありますか?

この仕事は本当に楽しいので、モデルとしてオファーしてくれる人がいればずっとやっていきたいなって思ってます。楽しく仕事をしたいって思っているので、大好きな旅行と絡めた仕事もしたい。私、まだ海外で撮影をしたことがないんですよ。そういうオファーが来るようなモデルをしたいっていうのは今の目標だったりします。あと、できたらJTBの広告になりたいな、とか(笑)。

自分の写真ではどんなものが好きですか?「いろいろな役幅をやりたいと思ってるので、ナチュラルなものも作りこまれたものも好き。いろんな自分がいるなっていうことが嬉しかったりします」

私は自分自身にはそんなに力がないタイプだと思っているので、やりたいことをなるべくいろんな人に伝えて、共感してくれる人を作れたらいいなと思って、「こういう仕事がしたい」ということは口に出して言ってみるようにしています。

――今後やってみたいことはありますか?

最近思っているのが、私のフォロワーさんにはモデルになりたい人やフリーランスモデルさんが多いんですが「どうやったらりーまるさんみたいになれますか?」って聞かれることが多いので、オンラインコーチみたいなこともやりたいなって思ってて。フリーランスでモデルになって活躍したいけどできない人がすごく多いみたいなんです。自分も何も知らないところから始めたりいろいろ失敗したので、だからこそわかるということを伝えていきたいなと思います。

――今後フリーランスのモデルさんって増えると思いますか?

増えると思います。てか、増えました! 私がインスタ始めたばかりのときに「#フリーランスモデル」って検索してもそんなに件数なかったんですけど、今は何十万件とか。逆に誰でもモデルになれる時代。「#フリーランスモデル」って誰が使ってもいいから。このフリーランス〇〇ってなんでも増えそうですよね。

 

life style周りを大切にしながら楽しく仕事をする

――撮影のスケジュールは不定期だと思いますが、オンオフはどう切り替えてますか?

それが難しいんですよね。仕事を入れないようにしようって思えば入れなきゃいいだけだから、たまに自分で本気のオフを作るようにしてて。今月(※取材時)は3泊4日でタイに行ってきます。犬と温泉旅行行ったり、おばあちゃんに会いに行ったりすることもありますね。

――日常生活の中ではあまり切り替えがない?

たぶんできてないと思います。スマホをずっと見ちゃってるし家のこともあるから。撮影の合間とかも、夕飯何作ろっかなとか、スーパーで何買うか超考えてたりとか。

――ちなみに旦那さんはどんなお仕事してるんですか?

普通のサラリーマンです。

――子どもがほしいとかは考えたりしますか?

考えてたときもあって。私25歳のときに結婚したんで、最初の2年は二人の時間を楽しみたいっていうのもあって作る気がなくて。27歳くらいから作ろうと思ったら、できにくい体質だってことに気付いたんです。30歳くらいまでは頑張ってたんですけど、頑張るのをやめようってなったのが去年くらいかな。

私の場合、「子どもがほしい」っていうことに固執しちゃうライフスタイルがたぶん合わないんですよね。妊活するとなったら、仕事よりもそっちに重きを置かないといけないことを知ったときに、たぶん私は無理だなって。本当に授かりものってこういうことだなって思いましたね。

仕事をする上では健康が不可欠。健康維持の秘訣は?「よく食べて、よく運動をすることかな。ヨガが好きで、地元のヨガスタジオに週5、6で通ってます」

――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。

「周りを大切にする」。仕事もそうだし、何においても結局対人間だと思ってて。「苦手な人いる?」って聞かれても、私あまりいないタイプなんです。たぶんそれは、その人を知りたいとか大切にしようって思うと、苦手だって思わないからなのかなと思います。

自分が今こうして自由にできてるのは、旦那さんや家族がいるから。だからまずは一番近しい人を大切にしたい。家族を大切にして、出会った人も大切にして、自分の周りの人たちは大切にしようってずっと思ってます。

 

組織に属さずに仕事をすることを選ぶ人が増えてきた昨今、りーまるさんのお話には共感できるところも多かったのでは。会社員、フリーランス、それぞれに学べるところや活かせるところがあるというのも、自分の強みを見つけるきっかけになりそうですね。

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