「元鈴木さんのコルセット」の愛称でも知られるEnchanted Corset(エンチャンテッドコルセット)や、500mlペットボトルが入るポケットのついたヴァージニースカートなど、楽でかわいいが手に入る画期的な商品が大ヒット。10万人以上のTwitterフォロワーを抱えるインフルエンサー起業家・元鈴木さんにインタビュー。物作りのマインドからお仕事での転機、家族や出産についてまでお伺いしました!
【元鈴木さんプロフィール】
35歳/職業:株式会社Alyo代表取締役社長CEO/家族構成:夫、子ども(4歳の娘)
Twitter @Motosuzukisan(元鈴木さん)
instagram @motosuzukisan(元鈴木さん)
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topics即完売する「元鈴木さんのコルセット」
――常に即完売というイメージのある「元鈴木さんのコルセット」。最初に手ごたえを感じたのは?
Twitterで暴れてたら「ファッション系のライターやらない?」って知り合いから誘われて、そこで書いたコルセットの記事が30万PVとか、すごくヒットしたんです。それで当時コルセットって誰もつけてなかったので、記事を見た人から「付け方がわかりません」「ここが痛いです」みたいな質問を一日100件くらい頂くようになったので、オリジナルの商品を出したっていう感じでした。
――それで、出したらすぐ売れたんでしょうか?
そうですね、もうすぐ売れちゃいました。最初300、400着だったかな。それが5分とかで完売してしまって。大変お怒りの声をいただきました。「物を売る気ないんか!」っていう(笑)。
――Twitterっぽいですね(笑)。その後も売上は順調なのでしょうか?
作る数が1000とか3000とかどんどん数字が大きくなっていって、それでも本当に即日完売して。それから会社を作って今6期目です。
――会社の設立はそのコルセットの販売にあわせて?
会社は計画して作ったわけじゃなかったんです。個人でオリジナルのコルセット作ろうと思うっていう話をしていたら、経営をしている友達が、会社でやったほうが税金的にいいって教えてくれて。「税金的にいいならやる!」ってなんの予備知識もなく、ド素人がいきなり起業したっていう感じです。普通だったらインフルエンサーって、経営をする人と一緒にやりながら自分はPRしてっていう感じが多いと思うんですけど、野良犬ですね、私は。
――そもそも、コルセットに目をつけたきっかけは?
私がコルセットを着け始めた理由が、運動したくないっていうところだったんです。以前、派遣のイベントコンパニオンをしていたんですが、イベコンってものすごい肉体労働なんですよ。硬い床に長時間ハイヒールで立って商品説明をしたりするのでものすごく疲れる。でもある程度体型が整ってないと、オーディションに受からないんですね。
そんな生活の中で自分のライフスタイルを犠牲にせず、それでいて見た目にインパクトを残すためにコルセットを着け始めたんです。疲れてるのにジム行って運動してそのあと洗濯物畳んだり日々のことができるかって言われたら無理だっていうのを、たくさんのフォロワーの方に共感していただいて、商品のヒットにつながりました。
turning point自分も人も大切にするためにお金を稼ぎたい!
――元鈴木さんにとって仕事の基礎になっている出来事はありますか?
21歳のときに東京に出てきて、そのときにフーターズっていうお店でアルバイトをしたんですけど、その経験がいまだに生きてるなと思いますね。一杯500円のショットを売るっていう仕事がウェイトレスに順番にまわってくるんですけど、そこでやたら能力を発揮してしまって。一日20万とか売ってました。フーターズってアメリカのレストランなので、基本的には席ごとに担当がつくんですけど、あまりに売るので私だけ担当テーブルがなくなって、ハンターっていう役職ができたんですよ(笑)。
――すごい(笑)。なぜそんなに売ることができたんでしょう?
それまでは本当に使えないバイトって感じだったんですけど、どうしたら売れるか考えてみようと思って、初めて売る努力をしたからかなって思います。商品についてすごく勉強して、どうやって商品を魅力的に見せるか考えて、メリット・デメリットを説明して、楽しい時間を提供してそのあとのケアまで考えて。ビジネスの基礎みたいなことはそこで学んだかなって思います。
でもその後は就職しないで、グラビアとかプロレスのライターとかやりながらチャラチャラしてました。でも儲からなくて。いい歳なんだからちゃんと稼ぎたいなって思ってイベントコンパニオンを始めたっていう感じですね。それは夫がきっかけになった部分も大きかったです。
――それは結婚に向けて安定した生活をするためとか?
今の夫と付き合いだして、私のことを大事だって言ってくれる人ができたから、私も自分のことを大事にしなきゃいけないなって。それで、どうしたら自分のことも夫のことも大事にできるか考えたら、まとまったお金をちゃんと自分の力で作らなければならないっていうのを感じたんです。
イベコンを始めて、額面25万くらいは稼げるようになってきて、それまで夫に頼っていた生活費も、家賃半分払うとか、食費は私が担当するとかできるようになったのはすごくうれしかったです。自分のキャリアプランをちゃんと考えて、自分の力で人のことも自分のことも大事にできるように稼ぎを得ようって決心したっていうのはひとつの転機。もうひとつの転機は会社を作ったときですね。
――やはり大変でしたか?
すごい大変なことだって思ってたので勇気がいりました。でも作ってみたら意外に、さっと社長を名乗れるもんだなって思いました。ビビることはないなと。けどそれを何年も続けるのが大変でしたね。
――どういうところで大変さを感じますか?
資金繰りもそうですし、人はすごく大事ですね。就職したことがないので、どういう人が優秀な人なのかわからなかったので、採用は苦労しました。今は良いメンバーが集まっているので、すごく助かってます。