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work style芸能活動と並行して二社を起業
――起業前は芸能活動をしていたんですね。
15歳から芸能界に入りました。芸能活動をしながら、2012年に起業した一つ目の会社が、起業家としてのスタートです。歴史アイドルをやりながらできるビジネスとして、歴史グッズの通販サイトを立ち上げました。今はそのサイトの運営は他社に委託していますが、同時に立ち上げていたゲストハウス事業の運営がまだ続いているので、会社の代表は継続しています。
――「起業したい」という思いは、もともとあったのでしょうか。
そうですね、家が商売人家系なんです。おじがスーパー銭湯の極楽湯の創業者、父も経営者ですし、親戚にも経営者がいるので、子どもの頃から起業や経営が身近にありました。なので、私もいつかビジネスをしたいなとはずっと思っていましたね。

具体的に起業を意識したのは大学生の頃。「自分自身芸能の仕事も忙しく、大学卒業後は就職しようとは考えませんでした」
――ぴんぴんきらりは二社目の起業でしょうか?
そうです。通販サイトの会社のほうはスモールビジネスの会社でしたが、ぴんぴんきらりはスケールを目指してエクイティファイナンスも入れたスタートアップなので、経営の仕方は全く違うなと感じています。
――二社目を起業したきっかけを教えてください。
小さい頃からおばあちゃん子で祖母が大好きなのですが、祖母が80歳くらいになり仕事がなくなって以降、元気がなくなってしまったんです。もともと仕事が好きな祖母だったので、元気なうちは続けられるお仕事を作りたいなと思ったのがきっかけです。
また、姉が二人いるのですが、子育てをしている姿を見て家事代行やベビーシッターの必要性を感じ、これから拡大していくマーケットだと考えていたので、このふたつを掛け合わせた領域で起業しようと考えました。
――では、サービスの内容もイメージした上での起業ということですか?
それが、起業したのは2017年7月なのですがサービスのローンチは2019年で、その間はアイディアがまとまらず悩んでいました。最初はココナラさんのようなスキルシェアサービスをシニアバージョンとして始めたのですが、ハイエンドなシニアに注文が偏ってしまい、2、3か月でピボットすることに。私は普通のおじいちゃん、おばあちゃんをボリュームゾーンに想定していて、そういった方が働く応援をしたかったので、やりたいこととズレを感じてしまったんです。
今の「きらサポ」はまだ「東京かあさん」から名前を変えたばかりなので登録者は女性が多いのですが、長く家庭に入っていた方が多く、主婦歴何十年という経験にすごく価値があると感じています。これまでの歴史から見ても、核家族かつ共働きで子育てをするのはこれまでなく、異次元に大変なことなので、サポートを求めている子育て世帯も増えています。そこにシニアが持つ、これまで眠っていた宝を掘り起こしたような気持ちです。これまで当たり前にやってきたことが誰かの感動に繋がって、さらにお金も得られて、シニアの方に自信がついてイキイキと元気になっていく姿を見られるのは本当に嬉しいです。