18歳から96歳までを幸せにする経営の仕組み 株式会社AgeWellJapan代表・赤木円香

18歳から96歳までを幸せにする経営の仕組み 株式会社AgeWellJapan代表・赤木円香

シニアのサポートをする職業と言えば、介護士、看護師などが思い浮かびますが、それらとは違う新しい関わり方を提案する株式会社AgeWellJapan。その代表の赤木円香(あかぎ まどか)さんにインタビュー! 社会に良いことをしながら、ビジネスとして成立させるポイントとは?

【赤木円香プロフィール】
年齢:31歳/職業:株式会社AgeWellJapan代表取締役CEO
X @akagi_madoka
insta @madokasan.maru

topicsシニアの生活をにぎやかにする「エイジウェルデザイナー」

――株式会社AgeWellJapanの事業の内容を教えてください。

シニア向けのウェルビーイングサービスを展開している会社です。人生百年時代と言われる世界ナンバーワンの高齢大国日本ですが、保険会社のデータでは高齢者全体の21%の人しか「100歳まで生きたい」と思っていないそうなんです。介護や医療が進んで長生きはできてしまうけど、長生きしたいと思える社会かというと課題があって。だから「明日起きるのが楽しみ」「人生まだまだこれから」という人を増やすということを目標に、介護士でもない、看護師でもない、シニアに伴走する新しい職業として、エイジウェルデザイナーという職業の人たちを抱えています。

――エイジウェルデザイナーはどんな方がいらっしゃるのですか?

主婦の方や副業的に働いてくださるような30、40代の方もいますが、80%が10代後半から20代のZ世代の大学生たちです。Z世代は「働きがい=人のためになっているか」という感覚を持っていて、利他精神が高い人たちが見つけてくれることが多いです。弊社ではシニアと対話をするためのコミュニケーション能力を鍛える研修があるので、自己研鑽をして、最終的には就職活動でもいい結果を残して卒業していきますね。シニアにも感謝されて自己肯定感もどんどん上がっていき、「人生楽しそうだね」「明るくなったね」「幸せそうだね」と周りから言われるぐらい本人も変化していきます。「なんでそんなに変わったの?」と聞かれてエイジウェルデザイナーのことを話したのがきっかけで、友達を連れてきてくれたりすることも多いです。嬉しいですね。

エイジウェルデザイナーは現在150名ほど在籍。初期の頃は大学生、主婦、CAの3パターンで試したところ、最も相性がよく、ロイヤリティ高く長く続いたのが大学生だったそう。

私はシニアを幸せにしたくて起業をしたので、シニアの笑顔を見るのが三度の食事より美味しいくらいなんですけど、シニアだけじゃなく若者からも「この会社に出会って変わった」と何度も言っていただき、思ってもみない喜びがあります。18歳から96歳までを幸せにしているので、やりがいがあります。

――エイジウェルデザイナーはどんなことをしているのですか?

シニアの自宅に訪問する「もっとメイト」、常設型のコミュニティスペースに常駐してシニアに来てもらう「モットバ!」を通して、シニアと交流しています。シニア世代の会員さんとエイジウェルデザイナーの会話データは録音、蓄積、解析していて、シニアがいつどんなことに困っているのかを深く理解していることが弊社の強みだと思っています。そのデータをもとに、シニア向けの新規事業を作りたい、シニア向けのサービスを改善したいという企業さんからお仕事をいただくことも多くて、toBの事業も行っています。

――会社の売上の中心になっているのはどちらなのでしょうか。

メディアではエイジウェルデザイナーの自宅訪問の様子を取り上げられることが多いのでtoCの売上が多いと思われますが、実は約9割が企業向けのtoBや行政向けのtoGです。「もっとメイト」や「モットバ!」を通してシニアがポジティブになる、シニアを理解するというバリューを作りながら、toB・toG事業でしっかりキャッシュを稼ぐという、バリューポイントとキャッシュポイントを分けているところが、インパクトスタートアップとして残れている理由かなと思っています。

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