地方女子がPRと出会い経営者へ 株式会社フロントステージ代表・千田絵美

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turning point起業も上京も「息を止めるように一気に」

――これまでに転機になった出来事を挙げるとしたら、どんな出来事ですか?

東京に来たことですかね。地方の田舎で働いていた、どこにでもいる営業女子だった私が、東京に来たからこそいろんな経験ができたので。

――東京に行ってみようと思った理由は。

広報PRになりたいという思いが先にあって、当時、メディアの9割が東京に集中していたんですよね。だから東京に行くしかないと。これも起業のときと同じですね。「これをしたい」と思ったら、息を止めるように物件を探して契約して。

会社を作るときも上京したときも、すごく勇気がいりましたけど、私はもともと何かを持っているわけでもないし、才能があるわけでもないし、優秀なわけでもないことをよく知っているので。そもそもなくなるものはないということはいつも思っていますね。だから動きやすいんだと思います。

「私は東京に来たことで、地方でしかできないこともあるということに気付きました。かつていた広島県や山口県もすごく好きなので、なにか貢献できることがあったら仕事をしてみたいです」

――広報PRをやろうと思ったのはなぜだったんでしょう。

最初は自分が何になりたいかが全然わかっていなくて、「営業がすべての仕事の基礎になる」というのを聞いたことがあったのでまず営業を始めて。楽しかったんですけど、毎日自転車で5、60件飛び込みをしていたので体力的にもきつくて、結婚出産してもやり続けられるイメージがわかないと思ったんです。なので、女性としての特性を活かせて、かつ専門職で、ライフスタイルが変わっても続けられる仕事は何かないかと探していたんですが、そのときに林真理子さんの『コスメティック』という小説に出会い、主人公が化粧品PRをしていて、「こんな仕事があるのか」と思ったのがきっかけです。

――仕事をする上でのこだわりやマイルールはありますか?

これは会社でも行動指針になっているのですが、「クライアントファースト」というのを掲げていて、クライアントやメディアのために何ができるかということを常に考えています。何かに迷ったりしたら、「自分はどうしたいんだろう」と考えがちなのですが、仕事相手の役に立つためにはどうしたらいいのかと考えることを大事にしています。

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