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life style賃金格差解消を目指しサステナブルに働ける社会に
――やまざきさんは出産願望はもともとあったのでしょうか。
ありましたね。女性の人生の中で出産だけはタイムリミットがあるので、30代は出産に向き合いたいと思っていました。産めるか産めないかはわからないけど、産もうとした人生であろうとは思って30代を迎えましたね。
――シングルマザーとして出産すると決めたとき、不安はありませんでしたか?
全然なかったですね。よく「迷った?」と聞かれることもあるんですけど、まったく一点の曇りもなく「一人で産もう」と思っていました。経済的には自立していたので、どうにかなるなとは思っていたんですよね。それに一人で育てようというよりは、私は仕事をして稼いで、周りを巻き込もうという気持ちでいました。
――実際に産んでみてからはいかがでしたか?
やっぱり24時間365日、働いているか子供と対峙しているかで終わることに対しては、当初は息苦しさも感じました。でも一方で、自分のためだけに働いているときより、娘ができたことで、彼女が生きやすい社会を作りたいというモチベーションができて、事業に繋がっているんですよね。
あと50年あるかないかという私の人生で事業タームを考えるのと、娘やさらにその先の娘の子どものことを考えると、プラス160年ぐらいになるので。戦争も起こるかもしれないし、そうなったときに娘たちがちゃんと生き延びられる社会にしてあげないといけないなと思っています。
――でも実際、家事などはどうされているんですか?
私の場合は母と一緒に暮らしているので、平日は母が娘を見てくれていて、土日は私が娘を見るようにしています。だから、共働きのワーキングマザーより楽かもしれない。平日は100%仕事に集中できるので。Ms.Engineerは週休三日制ですが、休みの水曜日も働いてますね。
――それは週休三日の意味はあるんですか…?
いつもより寝られるとか、打ち合わせが入らないだけでちょっと違いますよね。すっぴんでいられるだけで違います。水曜日は自己への再投資というふうに位置付けていて。例えば平日に事業計画を一生懸命考えるのは難しいので、そういった作業は水曜日にやったりしています。
――社員の皆さんからは、週休三日制度にすることでどんな反響がありましたか?
やってよかったと思いますね。社員のロイヤリティも上がるし、子育てしながら働いている女性にとって、絶対に自分の時間が必要なんですよ。女性の働き方に変革を起こしたいという会社だからこそ、こういう働き方に取り組むことは必要かなと思いますね。
あとは、週休3日の働き方でも事業の成果が出るということを社会実験的に証明したいという気持ちもあります。「休みが欲しい人は勝手に休め」と考えている経営者もいますが、私はそれは違うと思っていて。みんな子どもを育てながら働いているんだから、今後もサステナブルに働くのであれば余裕を持った働き方にすべき。会社が一緒になって子どもを育てると思わないと、若い世代は働くことが難しいと思うんです。
――今後の展望を教えてください。
スタートアップ企業なので、上場することはひとつの目標にしています。目標というか通過点ですね。弊社は賃金格差を解消するというビジョンを持っていますが、賃金格差の解消って女性の権利向上の話だけではなくて、経済効果があるんです。円安が続いたり世界的なインフレが起こる中で、女性の賃金が上がればみんなが豊かになるということを証明するために、私たちは上場する必要があると思っています。
――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。
チャーチルの名言で、「成功も失敗も終わりではない。肝心なのは続ける勇気だ。」というのが座右の銘です。これを部屋にも貼ってありますね。良い状態のときも悪い状態のときもあるけど、そこで判断するのではなく、私が立ち続けていれば事業は成功できると思わせてくれる言葉です。
働き方について、仕事について、考えさせられるインタビューでした! ITエンジニアに興味を持った方は、ぜひMs.Engineerの取り組みも参考にしてみてください♪
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