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work style女性が働きやすい制度を次々に導入!
――荻久保さんは女性社員が働きやすい職場作りにも取り組んでいると伺いました。具体的にはどのようなことを?
例えば、メンター制度、退職者リターン制度、妊活休業制度を作りました。また女性に限らず社員のキャリアアップ支援のために、調理師などの資格取得に関する補助を設けてキャリアアップを奨励する体制を整えました。あとは給食会社特有のものとしては、アレルギー責任者手当があります。アレルギー対応は業務負荷の高い仕事なので、それに見合った手当をつけようということで導入しました。アレルギー対応責任者は栄養士の資格が必要なのですが、資格を持っている方には女性が多く、結果として女性のキャリアアップにつながっています。
また毎年全国各地で新規の給食事業所を受注しているので、それに伴って全国転勤をするか、同じ地域で働くかを本人の希望で選べる仕組みにしていて、どちらも不利にはならないようになっています。新しい事業所の立ち上げはすごく大変なので、自ら進んでやってくれた人は昇進や昇給にもつながります。一方でご家庭の事情などで転勤はできないけれど、その地域の中で責任者を目指すという道もあり、自分のライフステージに応じて切り替えることも可能です。
――ひとつずつ伺っていきたいのですが、まずこのメンター制度というのは。
前職にあった制度で、直接の上司ではない先輩社員がメンターとなり、相談できるというもので、私自身当時からとても良いなと思っていた制度だったので導入しました。東洋食品では新卒と育休明けの女性社員を中心にこの制度を導入していて、離職防止につながっています。
――退職者リターン制度というのは?
育児や介護で一時的に辞めざるを得なかった人がいつでも戻ってこられる制度で、退職前と同じポジションを保証しています。最近利用者が増えています。
――妊活休業制度は?
私自身不妊治療を経験して、仕事との両立が大変だったことがきっかけで作った制度です。不妊治療をしていると、急に休まなければいけなかったり、早く帰ったりしなければいけないので、当社の社員でも仕事との両立が難しく、退職せざるを得ないケースがありました。そのため、最長3年間休職ができて、かつ復帰後はもとのポジションに戻ってこられるという制度を作りました。落ち着いたらまた職場に戻ってくることもできるため、妊活中の安心感にもつながります。
――こういった制度を作るときに参考にした企業はありますか?
東洋食品の前に在籍していた、ウエリントンですね。女性登用が進んでおり、時短や育休が取りやすく、育児と両立しやすい環境でした。
――制度を導入するにあたって、社内からの反応はどうでしたか?
お金がかからない制度はすぐに採用されましたが、アレルギー責任者手当などお金がかかることは反対意見もありました。一方で、その職責を請け負ってくれる人が徐々に少なくなっていたことも事実。アレルギー責任者はとても重要なポジションですので、その重責に対しての評価を手当という形で給与アップにつなげることができれば、やってみたいと思う社員も増えますし、モチベーションも上がるということを役員会議で説明して実現させました。