石川県で夫と美容院を共同経営しているYURIさん。夫婦で同じ事業に携わることにはどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか? 美容院での美容師以外のお仕事のことについてもお伺いしました。
【YURIプロフィール】
33歳/職業:美容院プレス・マネージャー・レセプション/石川県在住/家族構成:夫、6歳の息子
instagram @k.o.s_yuri(YURI , K・O・S beauty / 石川県サロン)
目次 [閉じる]
topics縁もゆかりもない土地で独立!
――YURIさんの出身は愛知県。なぜ石川県で美容院経営を?
大学を出て美容院のレセプションの仕事に就いて、そこで出会った夫が石川へ転勤することになったのがきっかけです。独立するまでの間、出産などもあって私は一回美容業界から離れていた時期もありました。
――独立は最初から視野に入れていたんでしょうか。
考えてなかったんです。急に決めてそこから準備を始めて、1年くらいかけて準備しました。夫が事業計画を中心にやって、私はホームページのデザインとか広告の準備、お店のメニューとか印刷物全般を作ったり。美容業界から離れていたときにアパレルのwebデザインの仕事をしていたので、それが役に立ちました。
――石川県にはもともとつながりはあったんでしょうか?
いえ、夫も岐阜出身で、二人とも縁もゆかりもない土地だったんです。もう10年くらい経ってますけど。
――そういう土地で独立してみて、メリットやデメリットに感じることはありますか?
石川は落ち着いてて品があって、職人さんが多いからかこだわりの強い人が多いところは魅力だなって感じます。ただ名古屋や大阪や東京と比べると田舎ではある。だから美容学生のコたちが都会に出てっちゃうんですよ。それで求人がどこのサロンも大変なのかなっていう印象はあるので、個人的には発信を強化していきたいと思ってますね。
turning point内定が出ず…飛び込んだ先で基礎を学ぶ
――夫婦共同で事業をやっていて、家庭への影響はありますか?
まだ子どもが小さいので、寂しい思いをさせてるかなっていうのが一番大きいかな。夫とは休みの日や家での時間でも仕事の話をしていることが多くて、完全にオフになるっていうことがない。全然親戚や友達がまわりにいない状態で子どもを預けるところもなくて、夜会議があるときはお店に連れていってたこともありましたね。
――夫婦でやっていてよかったなということは?
「違うよ」とか「こっちのほうがいい」とか、思ったことをはっきり言い合えること。あと経営者は孤独ってよく言うじゃないですか。相談できなかったりする。でも私たちは二人だから励ましあえたりして、プラスのエネルギーを交換しあって成長できてるかなって。お互い考え方や見方も違うから、一人でできないこともできるというのは強みかなって思います。
――これまでに転機になった出来事はありますか?
転機というか、これまでに経験したことがすべて今の自分に生きてるなって感じることが多くて。子どものときあまり家庭環境が良くなくて、そのせいで小6から中学校はあんまり学校行ってなかったんですが、そのときにお遊びでホームページ作ってたんです。それが今の仕事で広告作ったりすることにも生きてる。
サロンへの就職も不安はあったんですけど、すごくいい経験ができました。もともとデザイン系の四大に行っててアパレル系に進みたいなって思ってたのが全然受からなくて(笑)。その中で出会った仕事がサロンのレセプション。接客・接遇に力を入れてるサロンだったので、本当に無知だった私をしっかり教育していただいて、自信につながる大事な土台が作れた期間でした。
work style売上を作らないポジションの人にも希望を持ってほしい
――仕事をする上でどんなことに気を付けていますか?
私はレセプションなので技術をやるわけではないんですけど、また会いたいなと思ってもらえるような接し方を大事にしていますかね。新規のお客さんだと、お店に入った10秒でお店の印象が決まるって言われてるんです。だからそこでどれだけ点数を上げられるかっていうのを大事にしてます。お客さんとの心の距離を詰めれるように、いつも心掛けてますね。
――今仕事で目標としていることを教えてください。
これは去年の反省点になっちゃうんですけど。常日頃従業員のみんなにコミュニケーションとるように言ってたんですけど、私自身忙しいのを言い訳にして、コミュニケーションをとりやすい相手を選んでしまっていた。言いづらい相手ともコミュニケーションをとって、チーム力を高めていかなければいけないなと思っています。
個人的に今頑張ってるのはインスタ。サロンにとって、売上を作るのは美容師だったり、うちのお店の場合はネイリストやアイデザイナーたち。レセプションっていうのはサロンの売上を作れない部類の人なので、そういう部分に劣等感を感じるときもあるんです。でもこれも大事な仕事。同じポジションの人にもそう思ってもらいたくて、インスタで発信しています。なのでこれからも伸ばしていきたいと思っています。
――サロンの今後の展開などはいかがでしょう。
いずれは北陸の富山とか福井とかにも広げていきたいですね。今2店舗経営していますが、まだ従業員に対してのビジョンの共有が甘かった部分があるなっていうのを感じてて。今年はそこをしっかり共有した上で今の2店舗を盛り上げよう、それから3店舗目かなって私は思ってますね。
life styleたくさんの出会いでたくましくなった
――いま家事の分担などはどうされてるんでしょう?
私は経理や労務、広告作ったりもするので自宅で事務作業をすることが多いので、ほぼ私がしてます。夫はサロンワークの時間が長いので、早く帰ってきたときにゴミ出しや子どものお風呂をお願いしたりしていますね。
――結婚してから自分の生活に変化はありましたか?
夫から受ける影響が大きくて。人として成長させてもらってます。子ども産んだら子どもにも成長させられてる。
――どんなところで成長したなって感じますか?
私はもともと相手に依存するタイプで、昔は彼氏のことが気になっていろいろ手に付かないってこととかあったんですけど、夫のことは信頼できてそういうことが減ったので、今は仕事を頑張れてるな、とか。子どもにはたくましくさせてもらってます。昔の自分だったらこんなことできないだろうなってことができるようになった。子どもがいるから家もキレイにしなきゃとか、偏食しないようにご飯作るようになったとか、当たり前のことかもしれないんですけど。
――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。
「ピンチはチャンス」。上手くいかないことが多過ぎて心が折れそうになるときは、それとどう向き合って乗り越えるか、いろいろ頭を使ったり行動を起こして自分が成長できるチャンスと考えるようにしています。そうすると不安やストレスよりも、勢いでいろんなことを楽しめる気がします。
あと、最近は「スッキリ暮らす」。頭の中もカバンの中も家の中も散らかりがちなんですけど、ごちゃごちゃしすぎないように。とっ散らかってると判断力鈍る気がするんです。キレイなほうがいろいろスムーズに進みそうな気がして。例えば家が散らかってると片付けから始まって、ムダが多い。すっきりさせて自分も洗練させていくのが今のテーマみたいな感じですかね。
実際にお店を持ってみると、夫婦二人だけのお店ではなく、従業員がいて成り立っているのだということを実感したそう。家族だけじゃなく、従業員の皆さんからも成長させられていると感じているんだとか♪
■店舗情報
石川県に2店舗を展開する、ヘアーサロンとネイルサロンとアイラッシュサロンが融合したトータルビューティーサロン。