誰もが育児を当たり前に楽しむために 株式会社NEWSTA代表・鈴木碩子の挑戦

誰もが育児を当たり前に楽しむために 株式会社NEWSTA代表・鈴木碩子の挑戦

life style10年の遅れを取り戻し、「当たり前」にするために

――育児と仕事を両立するために必要なことはどんなことでしょうか?

家族と周囲との協力はすごく大事かな。うちの場合は夫がすごく生活を大事にするタイプで、今は娘のことはほぼ夫がやっています。私は結婚した当初から自分で会社をやっていたので、夫も私を見ていて「この人は仕事をしないと生きていけないんだな」と思っているんじゃないかと。実際にすごく仕事が好きですし、それを夫も理解してくれています。

それと、うちの場合は息子に疾患があり負荷がかかりやすいので、自分たちだけでは育児はできないと思っています。保育園や医療機関などとも連携することが大事です。でもこれは健常でもそうじゃなくても一緒だと思っていて、「私たちだけ」とか「私だけ」じゃないとできない状態をなくすことが、育児ではすごく大事なのではないでしょうか。

鈴木さんの家庭の場合、属人性を減らすために、生まれて二日目以降から夫にミルクをあげてもらうよう心掛けていたそう。「夫が育休をとり、一歳台は息子も娘も両方夫が見ています」

――出産を経験して、仕事に影響を及ぼしたことはありましたか?

良かったなと思うのは、健康になったことです。年齢による変化は感じますが、健康的な生活を送れるようになりました。出産前の私は、区切りなくずっと仕事をしていて、ずっと仕事のことを考えていましたが、息子と娘が生まれてからは朝や夜の時間は子どもたちに集中するしかないんですよね。なので、強制オフの時間ができるようになって。当たり前なんですけど、子どもたちって朝起きて夜寝るので、一緒にそのリズムで生活していると強制的に健康になって、私にとってはすごくよかったです。

――今後の展望を教えてください。

2回目の起業をするとき、「10年かかることをやろう」というのがテーマとしてあって。10年ぐらいのリソースをかけてもおかしくないぐらいの大きな課題、難易度が高いかもしれないけど社会が良くなるかもしれないことを解決したいという思いがありました。その中で一番やりたいのは、障がいや疾患のあるお子さんの家族の環境を良くするということ。ファミケアは育児ブランドとして、ひとつでも「普通」の楽しさを感じてもらえる機会を増やすことに挑戦しています。だから、障がい福祉とか、助けましょう、というような発信は一度もしていないんです。

ファミケアのビジョンは「疾患・障がい児家族の毎日を楽しく」、そしてミッションは「家族に良いことを、家族に良いものを届ける」というもの。

疾患・障がい児の家族が育児をする上での選択肢って、想像以上に少ないです。例えば、子どもに似合う洋服を買いたいと思ったら、私自身の服であればECサイトですぐに何パターンも見つかると思うんです。でも座位が取れないから股が広めのものとか、感覚過敏だから襟が広いものとか、条件にあったものがようやく1個見つかるかどうかというところ。本当ならかわいいものを選びたいのに選択肢がない、これが障がい児育児の当たり前の水準になってしまっているんです。

IT化も業界から見たら10年くらいは遅れています。だからこそ、当事者家族はもちろん、そこに関わる支援者さんにもきちんと経済流通ができるような環境を構築していきたいです。ファミケアをやっていると、「これまでなかったんですか?」とびっくりされることがあるんですけど、本当になかったんですよね。

――私もお話を聞いて、同じ感想を持ちました。

そうですよね。一般的に育児をするように育児メディアを見るように、ファミケアを育児メディアとして提供することが当たり前になるといいなと思っています。私自身子育てに苦戦することは多いので、当たり前に頼れる育児サービスがあることで我が家もすごく楽しくなってくると思うんです。

――最後に、日々大切にしている考え方を教えてください。

「清く正しく美しく」ですかね。昔からすごく好きな言葉で。人間、やっぱりだんだん怠惰になっていったりとか、「まあいいや」と思っちゃうことが増えたりするので、人とコミュニケーションをとる上でも、誰も見ていない普段の生活でも、しっかりとした心意気でやっていきたいなと思っています。無意識に雑になっていることって、やっぱりどこかでほころびが出るんですよね。

私は、人類は進化するために在ると思っているんですね。生き物って種が変わって進化していくじゃないですか。じゃあ自分は何を進化させられるのだろうかということは、生きていく中ですごく重要な軸ですね。そのために、難しいですが、清く正しく美しくあれるようにしたいなと思っています。

 

疾患・障がい児の育児については当事者でなければ知らなかったことも多かったのではないでしょうか。この記事を通して、必要とする人に情報が伝わると幸いです!

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